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日本の酒屋さんは伝統的に
あるいはハイテク業界ですと、
要するに、 「ビジネスモデルとは、集客・利益・売上の源泉であり、 ライバル会社と自社を分かつ重要な強みである」
ただ、これだけですと、やや素朴すぎます。少し拡張しましょう。
当分野で著名な KBS 國領先生の 『オープン・アーキテクチャ戦略 』によれば、
(1)誰にどんな価値を提供するか、 (2)そのために経営資源をどのように組み合わせ、その経営資源をどのように調達し、 (3)パートナーや顧客とのコミュニケーションをどのように行い、 (4)いかなる流通経路と価格体系の下で届けるか、 というビジネスのデザインについての設計思想である」
ちなみに、同先生は、今後は多くの企業のビジネスモデルが「オープン・ アーキテクチャー」に移行するだろう、と言っておられ、その動きの底には、 次の3つの基本作用素がある、と説かれます。
この「3つの基本作用素」から導かれる「3つの新しいビジネスモデル」とは 何でしょうか? 気になる方は、先生の 『前掲書』を、ご一読下さい。
ではここで、上記の「酒屋の譬え」と 「國領図式」を結合し、かつそれに ナレッジ・マネジメントの4本柱や、「マーケ4P&4C」も足してみましょう。 私が思いますに、ビジネスモデルは、次の4つから成ると思います。
(1)集客力・売上・利益の源泉である「強み」
(2)その資源の「調達・結合・提供・支援プロセス」。そのプロセスを企業横断的に 表現した「業界バリューチェーン」 (3)この環境(2)において、強み(1)を最大限発揮するような (3A)「役割」。したがって自社のビジネスモデルを決めることは、 この役割を決めることであり、業界バリューチェーンを構成する、 自社ならびに関連諸プレイヤーの「役割分担」を決めることです。 (3B)「戦略と行動」。これは「マーケの4P&4C」に下位分解できます:
(4)以上3項を反映した、かつ自社&業界&顧客の「業績構造」を示す、 一群の数式。 以上をまとめると[ (1)+(2) → (3) ] → (4)、という因果フローになります。
◆ ビジネス・モデル実現を阻む4つの難関 と、このように考えれば、2000年頃のベンチャーの方々のビジネス・モデルの実現が 難しかった理由も明らかですね。 第1に、自社の「強み」(1)の源泉を鍛え続けるナレッジ・マネジメントが難しかった。 第2に、自社と他者の「役割」(3)を決めたり、変えたりすることが難しかった。 当然です。ふつう自社の役割を決めるだけでもタイヘンですね。それ相応の特徴的な 強みが必要ですし、それがあればあったで、ライバル会社に真似されないよう 機密保護を厳格にしたり、追いつかれないよう KM をやったりしないといけない。 それだけでもタイヘンなのに、バリューチェーンの上流や下流にいる、 他の会社の役割まで変えるとなると、さらに難しさ数倍。何せ相手がいますから。 「はい、貴社の役割は、来月から、こうですよ。 しっかり頑張ってくださいね」 第3に「業界バリュー・チェーンを変える」と言ったって、 それが「誰の何の問題を解決するため」なのか、それが不明でした。 さいわい、それを考えた一例が自動車産業にあります。 * これは、そんなに悪くありません。むしろ私の目に付く範囲では、 最良の部類に属します。 でも当構想ですら「誰の何の問題を解決したいのか」という点で、 腰を抜かすほど大きな(まさにフォードが世にもたらしたのと同じくらい大きな) 進歩を世にもたらすものとは思えないのです。もちろん私自身、 そんな構想を出せてませんし、今後も出せると思いません。(だから本件からは今も逃げてます) そして第4に「業界バリュー・チェーンを変える」と言ったって、 それは製品設計思想の制約を受けます。 なぜ PC の世界で、 コンパックやデルのような AT 互換機メーカーや、 カンタムやカノープスのような互換部品メーカーが世に多数生まれ、 IBM の HDD がデル機で使われたり、富士通の HDD が IBM 機で使われたりするのか? IBM が PC をオープン・アーキテクチャーで設計したからです。 自動車業界では事情が違いますね。ブツの設計思想が違うから、 バリューチェーンも違ってきます。詳しくは、國領先生の『前掲書』や 東大・藤本隆宏「日本型サプライヤーシステムとモジュール化」*を ご一読ください。 |
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