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太田秀一 『eBusiness 用語集』

代用のお願い: 用語集→カテゴリ体系 当用語集は 『ECスクエア通信』「カテゴリ一覧」で代用ください

この用語集は、1997年公開以来、多くの方々にご愛用いただきましたが、 その後、新しく出てくる用語を、私は、この用語集ではなく 『ECスクエア通信』の中で、ダイレクトに記述してきました。

本来は、それらの記述を「辞書的」に再表現して当用語集に加えるべきですが、 すみません、2003年春まで、お待ちくださいませ。

それまではこちらの『ECスクエア通信』「カテゴリ一覧」で代用ください。 新しい用語については、その「用例」はもとより多くの場合は「定義」もご覧いただけます。

「正確さより、分かりよさ」。
世の『用語集』とは違います。

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この用語集は、次の皆さまから推奨いただきました。
どうも有り難うございました。


CIO
Chief Information Officer

このページをお読みの方には自明のことですが、「情報システム担当統括役員」 あるいは「情報担当統括役員」のこと。

ちなみにCIOは「トップ4」の一員ですから、かなりの要職です。それ以外で 「Chief なになに Officer」と呼ばれるのは、CEO(執行担当統括役員)、 CFO(財務担当役員)、COO(業務担当統括役員)だけ。

ではCIOが具現している「人間モデル」は何か。ここでは次の順番で、ご説明 します。

CIO10年史

    米国の場合

    第一に、80年代のSIS=戦略的情報システム時代。このとき突然、 人々は、情報活用の巧拙で競争力にケタ違いの差がつくことに気づきました。 ウォルマートとP&Gのように「戦略同盟」と称し、ネットワーク経由で 在庫情報を共有したり、受発注を自動化したりして、コストや在庫を大幅に削減しつつ 欠品も激減できた会社が現れたからです。

    こうしてCIOは、「情報システムによって企業に競争優位をもたらす総括責任者」 として世に登場、一躍、花形職種となりました。

    しかし反面、それまで彼らは、単に情報技術者を率いる一介の職能マネージャー でしたから、にわかに「経営感覚を持て」とか「戦略が大事」なんて言われたことは、 名誉でもありましたが、大きな「試練」でもありました。著名な成功者に、 アメリカン航空のCIO、マックス・ホッパー氏がいますが、氏のような成功者は ともかく、SISに失敗したCIOは、どんどんクビになりました。

    第二に、アウトソーシング時代。これで社内の情報システムは、人間ごと 外に出すことになり、ブリティッシュ・ペトロリアムなどは、わずか3年で、 情報システム部のコストが7割減、人員も8割減を達成。勢い、CIOも社内には 要らないだろう、というケースも増えました。

    悲惨ですね。しかしこれらの試練と雇用不安、そして何よりも、社外の有力アウ トソーシング専門業者との激しい競争が、CIOたちを鍛えてくれました。

    そして第三のBPR時代。これを米国では、多くの 企業が本気で行いました。そうしないと社長のクビが、ポンポン飛ぶからです。

    ここでCIOの役割が、大いに復活しました。なぜならBPRの課題が

      (1)部門長の視点ではなくCEOあるいは顧客の視点で

      (2)顧客ニーズに応える部門横断的なプロセスを

      (3)再設計し、かつ

      (4)階層を減らし、社員に権限を委譲すること

    であるのに対し、CIOは職責上、

      (1)CEOの近くにいますから、部門長たちの思惑だの力関係だの越えて ものを発想する習慣が、イヤでも身についており、

      (2)各部門長が求める情報システムをいままで作ってきましたから、 それら各部門の業務を職能横断的に理解でき(さらに、その理解を ERPのプロセス・モデルが助け)、

      (3)情報システムの構築で長年つちかった設計センスを、ビジネス・ プロセス再設計に生かせました。また

      (4)権限を委譲するだけでなく、情報を与えないと、社員はいい判断が できませんから、ここでCIOの専決事項たる「情報化」の大切さが、 いっそう鮮明になりました。


    おまけに(5)上記の「試練と競争」により能力も磨かれ、単なる技術者ではなく、 いつの間に、彼らは逞しいエグゼクティブに変身していました。

    日本の場合: 2業界に区分可能

    では日本におけるCIOの役割は何か。これは業界により、大きく違います。 通産の石黒憲彦氏によれば、

      「日本には、競争をしている業界と、してない業界がある。前者はいいとして、 後者は、真の競争力を高めるインセンティブに欠けるから、どうしても情報化に 遅れてしまうし、内外価格差の問題を生み、それを嫌った前者が海外に逃げて しまう。これは悲しいことだと思う」

      (1996年春 Oracle Open World でのご講演から太田聞き書き。テレコ不使用)

    言うなれば「2つの日本」。そこで当欄でも、2つに分けて考えてみました。

    第一に、特殊業界(=規制業種+談合業種)。ここでは本来、CIOなど 要りませんし、あったところで、それは「お飾り」か「お遊び」です。なぜなら、 これら特殊業界では、業績を上げようと思ったら、へんに気取って情報活用などを やるよりも、むしろ正直に、談合したり、賄賂や総会屋を使ったりするほうが、 よっぽど早道だからです。あるいは会計でウソをついたり、そのウソが米SECに ばれそうになったら大蔵省に助けてもらったりするほうが、よっぽど合理的です。

    ただ昨今は、同じ特殊業界とはいっても、規制業種と談合業種とでは、やや事情が 違ってきたようにも思えます。

    まず規制業種。ここでは急にノーマル化が進みました。すでに94年の『経済白書』 では、規制に起因する「内外価格差」の問題、また「利益マインドの欠如 v.s.  利権マインドの過剰」の問題が正面から論じられ、それから4年、規制撤廃は大いに 進みました。もう周知のこととなりましたが、いまや「霞ヶ関の総意」は、いくつかの 三流官庁を除けば、規制の「撤廃」です。したがって規制業種でも今後は、CIOの 方々の職責が後述「ノーマル業界」なみに重くなることでしょう。

    他方、談合業種については、ノーマル化の兆しが見受けられませんので、当欄では、 とりあげません。もともと談合は、形式的に見れば、どこから見ても「犯罪」ですし、 さらに市場経済の根本精神に照らせば、きわめて悪質な「重罪」です。そんな話は、 当欄ではなく、むしろ警察で扱うべき問題です。

    その意味でいまは「3つの日本」。談合業種を置きざりにして、規制業種が、 特殊業界からノーマル業界に昇格しつつある転換期のように見受けられます。

    というわけで第二に、ノーマル業界。ここでは米国流の、真の競争があり ますからSISや、アウトソーシングや、BPRが必要でしすし、CIOも必要 です。

    ではノーマル業界の場合、CIOの課題は何か。おそらくそれは、米国のCIOが 10年かけて営々とやってきた、(P1)SIS、(P2)アウトソーシング、(P3)BPR、 そして彼らが昨今やっている(P4)ナレッジ・マネジメント、(P5) CRMをやることです。

    大変ですね。当然、優先順位も必要です。

    とくにナレッジ・マネジメントやCRMの場合、CIOは重要な「副軸」として、 「主軸」たる事業部長やプロセス・オーナーなど、ライン・マネージャーたちを 補佐しないといけません。

    さらに日本の特殊事情として、(P6)国際会計基準対応(=連結対応+脱含み経営+ 広義には情報開示の正確化・迅速化)も必要です。

    また新しい技術も、次々に出てきました。グループウエア、インターネット、 エクストラネットERPEDIPDMKM技術CRM 技術etc。

    これらの技術は、もともとは上記の課題(P1)〜(P6)を解決するための「お助けマン」 なんですが、使い方を間違うと「課題の上塗り」になってしまう。なぜならCIOは、 私どものようなコンサルタントと異なり、現有システムを障害なく日々運営する、 という大切な職責も持っているからです。というか現実には、これで手一杯だったり します。

    かくして日本のノーマル業界の場合、CIOはすごく難しい仕事となりました。

    とはいえ日本には、CIO向けの企業横断的な勉強・提言の場として 日本CIO連絡協議会があり、 立派な活動をしていますし、たいへん啓発的な年報も出しています。これらを活かせば、 難しい仕事も、少しは易しくなるかもしれません。また上記の優先順位を つけるうえで、何かと参考になるはずです。何よりも、CIOとしての強固な自覚が 得られます。

CIOの持つべき資質

では以上の歴史より推察される「CIOの持つべき資質」とは何でしょうか。 CIO Magazine 誌によれば、

結論: CIOが頑張れば、日本も良くなる

だから高能力・高意欲のミドル諸氏は、ぜひともCIOを目指してください。ちなみに 米国では現在、CIOは「史上最強の出世コース」となりました。ひとかどのプロジェクト を指揮したCIO経験者なら、どこでも雇ってもらえます。人々いわく

    「これからのCEOは、CIO経験者に限る」
    「いやいや、CEOだけでなく、CFOもCOOも、CIO経験者に限る」

また現役のCIOの皆さんも、課題山積ではありますが、一方で機会も山積なんですから、 高能力・高意欲の人々を内外から糾合かつ統率し、いい仕事を続けてください。

さらに欲を言うなら「日本の産業界は、私が直す」くらいの目標をもってください。

現に「米国のニューエコノミーは、CIOがもたらした面もあった」のですから。( 在米の著名調査会社のワシントン・コア社の小林知代代表から太田への97年12月30日の メールより)。なるほど、ニューエコノミーをもたらした因果フローのうち、 ステップ(2)はCIOの功績でした。

    (1)ハイテク産業の頑張り(新しい情報技術の提供)

    →(2)在庫情報などの企業横断的電子化に基づくリアルタイム経営

    →(3)在庫循環の平準化と削減

    →(4)景気循環自体が一部消滅=ニューエコノミー

逆に言いますと、皆さんがステップ(2)を実現させないと、 いつまでたっても日本には、 ニューエコノミーは来ません。

というわけで「CIOが頑張れば、社会も良くなる」。私はそう信じています。

97年末現在、 我が国では、またぞろ政府が「公共工事の前倒し」なんて言ってますが、こうした 土建国家時代(焼け跡後の高度成長時代)の手法では、失敗は目に見えていますし、 ここ10年、成功した実績もありません。彼らは、情報化時代の問題解決(1)(2)(3)(4)を 行わず、工業化時代の問題を解こうとしています。

彼らが愚かなぶん、われわれが努力する必要があります。そうしないと我が国は、 いつまでたっても国際社会で名誉ある地位を占めることはできません。失敗している国から「学ぼう」 とする人など、どこにいるでしょうか。どこにも、いやしません。



ナレッジ・マネジメント
斯界キーマンの一人、テキサス大学のトマス・ダベンポート教授によれば、その「中身」は、 ほぼ次のとおりです(97年11月の「Business Process & Workflow Conference」の基調講演)。
  • 「ナレッジ・マネジメントとは、
      ・企業の「稀少性」を高めるようなナレッジを
      ・ナレッジ・ワーカーらが
      ・強力なテクノロジーの助けを借りながら
      ・発掘・再利用・分配するプロセス
     を高速化することである」

そして同氏いわく、ナレッジ・マネジメントの柱は4つある。
  • (1) People : スキルある社員、また彼らを吸着する制度・文化
  • (2) Process : 彼らがスキルを発掘・加工・配布するプロセス
  • (3) Technology: そのプロセスを助ける情報技術
  • (4) Content : その結果、蓄積・再利用されるノウハウの宝庫

もう少し詳しいことは、私の 『ECスクエア通信』でも触れましたので、ぜひご覧になって下さい。
  • 上記「PPTC」の4項のうち、最重要なのは何?      ===>『同紙』No.8
  • ナレッジ・マネジメントが必要になった「3つの理由」は?  ===>『同紙』No.7
  • ナレッジ・マネジメントを実現する「2つの技術」とは何 ? ===>『同紙』No.9
また98年5月、日本初の「 ナレッジ・マネジメント定番リンク集」を作りました。約50点の定番ウエッブ文書を 厳選し、14個のカテゴリーに分けて、紹介しています。ぜひ、ご一読ください。

さらに98年9月、 その「詳細版」を作りました。約200点のウエッブ文書を追加し これで個別事例が満載のリンク集となりました。おそらく世界最大の KMリンク集。日本のKMも「総論段階から各論段階へ」との願いを込めました。

なお、上記のうち(1)の「People 人の問題」については、約25年前からコンサル業界 では定番のマッキンゼーの7Sという図式で考えると 分かりやすいです。


マッキンゼーの7S
ナレッジ・マネジメントの方法論は、「大項目」 レベルですと、次の4本立てになりますが。。。

  • (1) People : スキルある社員、また彼らを吸着する制度・文化

  • (2) Process : 彼らがスキルを発掘・加工・配布するプロセス

  • (3) Technology: そのプロセスを助ける情報技術

  • (4) Content : その結果、蓄積・再利用されるノウハウの宝庫
このうち(1)の「ピープル・マネジメント」を「中項目レベル」に細分 すると、どうも次の7項目、とくに下5つ、になりそうです。
1.1) Shared Value: 成文化された「企業理念やミッション」
1.2) Strategy: それを実現するための「戦略」。つまり、どの分野、 どのプロセスに予算や人員や Management Attention などの「資源」を「重点配分するか」ということです。
1.3) Structure: その戦略を実行するための「組織」や、組織と組織の関係や、 それら組織が付与または剥奪される「権限」
1.4) Staff: その組織を動かす人々。彼らの「人数・職位・職種」など
1.5) Skill: 彼らの持つべき「能力」や、その「発掘策」や「育成策」など
1.6) System: 彼らをモチベートするための「評価制度・報告制度」など。 その一部が バランスド・スコアカードです
1.7) Style :彼らがとっている「目に見える行動様式」。これが実は「 企業文化」のことです。

この図式を、昔から「マッキンゼーの7S」と呼んでいいます。

詳細は、

などの解説をご覧ください。

    (コンサル会社によっては、このうち Strategy を(1)の「外」に出したり、 ついでに Shared Value も外に出したりしていますが、これは単なる「クラシ フィケーションの問題」あるいは「好みの問題」であり、要は、 中身には、大した変わりは、ありません)

この「7S図式」がコンサル業界の「全体」でなぜ25年間も一種の標準として 使われてきたかと言えば、要は「便利だったから」ですね。

  • 包括的。この手の網羅的なフレームワークが念頭にあれば、 たとえば10年前のCIブームを眼にしても「あ、これは せいぜい 1.1)くらいしか見てないから失敗するな」と瞬時に 分かって、便利です。

  • 論理的。上記のように、1.1)→1.2)→1.3)・・・といった 因果フローに沿って、7つの政策を考えれば、首尾一貫しやすいし、 項目間の矛盾も、発見しやすい。

  • 社会的。有名な図式なので、互いに話が通じやすい。コンサルどうし、 クライアントどうし、コンサルとクライアントの間の会話を スムーズにしてくれる「共通言語」のようなものですね。

ただ、さすがに10年くらい前から、この7項目「だけ」では物事を 語れなくなったので、その「外側」に(2)(3)(4)を入れるようになった、 というわけですね。


エクストラネット
インターネットは、もともと技術用語で「コンピュータどうしをネット接続するための 技術規約」の一種でしたが、これがビジネス用語となるにつれ、「つなぐ相手」により、 3つの下位概念に分かれました。
  • (1)インターネット……「不特定社外」とつなぐ場合
  • (2)イントラネット……「特定社内」とつなぐ場合
  • (3)エクストラネット…「特定社外」とつなぐ場合

ごらんのように、(3)は(1)(2)の中間で、「つなぐ相手」は「特定親密先=重要顧客、重要 仕入先、重要パートナー」です。

ところで、この「エクストラネット」。2年ほど前は、米・調査会社のゾナ・リサーチ社 により「拡張イントラネット」と呼ばれていました。

そんなわけでエクストラネットは、その昔の名のとおり「拡張企業(バーチャル・ コーポレーション)」を支える情報インフラです。たとえば「新製品の図面を、 部品メーカーにも見てもらいたい」とき、「来月の販促計画を、仕入先にも見て もらいたい」ときに、これを使います。

これで「特定親密先との電子連携」が実現でき、関連する複数の会社が「最新情報を常時共有」 しあって「あたかも一個の会社のように高速に連携動作」するようになれば、 エクストラネットは、Eコマースを支える情報インフラである、 と言えます。

ただし「見るだけエクストラネット」では不充分。「対話あるエクストラネット」に することが、Eコマース成功の鉄則のようです。詳しくは、私の 『ECスクエア通信』「No.3」、 または『netPC』誌97年12月号をごらんください。


VMI(ベンダー主導在庫管理)
Vendor Managed Inventory

EDIの応用技法のひとつ。あるいは「EDIを前提にした、 受発注プロセスのBPR手法のひとつ」。ここまでは CRP(連続的補充発注)と同じですが、それを、 もう一歩進めたのがVMIです。

CRPでは、発注側の発注作業が電子化・自動化されましたが、それでも 限界はありました。なぜなら発注作業も、その前提となる在庫管理も、 発注側企業のコンピュータで行うからです。しかもそこでは 【EDI+ERP】の「システム間連携」という、 かなり高度な技術も必要になる。

だったら、この面倒な「システム間連携」は、他の会社にやってもらいたい。 またこの際、在庫管理、受発注、配送計画などなど、モロモロの面倒くさい作業も、 ぜんぶ他の会社にやってもらいたい。では、どこの会社に任せるか。。。 といろいろ考えたあげく。。。

これら「モロモロの作業」の委託先を「仕入先にしてしまおう」ということに なりました。これがVMIです。たとえば米ウォルマート。彼らは、紙おむつの VMIを、P&Gにやらせ、大きな成果をあげました。

VMIでは、仕入先に電送するのは、「電子伝票」ではなく、「ナマ」のPOS 情報です。仕入先はそれを見て、日々の売上変動から、何を・いつ・いくつ補給 すべきか、自分で判断して、そのとおりに補給します。(ということは「数字を 解釈する能力」が必要になり、そこがVMIのひとつのネックにもなるわけです)

このVMI技法を、もう一歩進めたのがCFARです。(詳しくは私が出している ニューズレター『ECスクエア通信』 の「No.3を参照ください)。


CRP(連続的補充発注)
Continuous Replenishment Process

EDIの応用技法のひとつ。あるいは「EDIを前提にした 、受発注プロセスのBPR技法」のひとつ。

実は、ただ単にEDIで「伝票を電子化」し、相手に送るだけでは、不充分です。

もちろん、これだけでも受注側は助かります。彼らは、お客さんから電子的に受けとった 伝票情報を、そのまま「再利用」し、自社の受注管理システムに流し込めば、 受注伝票を起こさなくてすみますからね。

しかし、発注側はたいして助かりません。彼らには、発注伝票を「作成する」 という作業が残ってしまうからです。今まで「紙」に書いていたのを、「画面」 に打ち込む、という変化はありますが、いずれも「手作業である」ことに変わり ありません。

一般に、電子化のメリットは「再利用」側で大きく、「作成」側では小さい のですが、それと同じことがEDIの世界にも言えるわけです。

したがって発注側としては、在庫が一定量を下回ったら、自動的にEDI発注が 相手に飛ぶようにする。これが「連続的な自動補充発注」。これで発注作業 そのものが、気持ちよく根絶できます。

では、その在庫管理をやっているのは誰か。ERPです。 ERPの在庫管理システムが、在庫変動を常時ウォッチし、それが一定量を下回ったら、 自動的に「電子発注伝票」を生成し、それをEDIソフトに渡す、という「システム間 連携」が必要になります。

つまり一般化していうと「受発注プロセスのBPRを進めるには、 【EDI+ERP】のセットが必要だ」ということです。

このCRP技法を、もう一歩進めたのが、VMIです。


CII
Center for the Informatization of Industry

日本でEDIの標準化・普及を進めている公的団体。正式には「産業情報化推進センター」といいます。

米国では、DISAがそれに相当します。

では、なぜまた「標準化」が必要になったか。それは、企業によってコンピュータの機種が 違ったり、伝票の様式が違ったり、検収などの業務手順が違っていたりすると、「方言どうしで 会話する」のと同じことで、話が通じないからです。

たがいの方言を「標準語」に「翻訳」する作業が必要であり、したがって、その「標準語」の 「仕様」を決める必要があったし、いまもある…。こうして「標準化」を進めるための公的団体が 生まれました。


EDI
Electronic Data Interchange

ごく乱暴にいうと「電子伝票」のことです。

EDI以前

  • 発注伝票を「手」で書いて、「郵便」で相手に送っていました。その内容は 「品番、品名、数量、単価、合計金額」などなどでした。
  • その伝票をもらった方は、それら「品番、品名、数量、単価、合計金額」などの 情報を、自社の受注伝票に「転記」していました。
  • かくして両者は、同じ情報を「二重」に処理していたわけで、いま思えば、 お気の毒でした。

EDI以後

  • 発注伝票を「コンピュータ画面」に打ち込んで「ネットワーク」で相手に伝えます。
  • すると相手の会社は、とても助かります。受け取った「電子発注伝票」の情報を、 そのまま自社のコンピュータに入れて「再利用」できる。同じ情報を「転記」する 必要がなくなります。
  • こうして「二重手間」はなくなりました。

したがってEDIのメリットは、次のとおりです。

  • 「転記ミス」が減る
  • 「転記にかかっていた時間」も減る
  • 「転記にかかっていた人手」も減らせる。

ただし以上は、単なる「入門編」ですから、3点ほど補足しましょう。

  • EDIには【応用技法】があります。その典型がCRPや、 VMIですが、後者に至ると、EDIは「電子伝票」という 初歩的形態から、大きく脱します。
  • EDIは、導入効果も大きいのですが、半面、いろいろな【弊害】もあります。 ですから、その弊害を相殺するには、EDIの導入効果を「ケタ違いに上げる」 必要があり、したがってEDIを入れると同時にBPRも 行ったり、ERPと結合したりする必要があります。
  • EDIには、本質的な【限界】もあります。EDIは「定型情報」の「交換」 しかできず、計画値などの「非定型情報」をベースにした「討論」はできません。 本件の解決へ向け、ウォルマートなどは「CFAR」プロジェクトをはじめましたが、 詳しくは、私が出しているニューズレター 『ECスクエア通信』の No.3、 あるいは『netPC』97年11月号の拙稿をごらんください。

いずれにせよ私も経営情報学会のEDI部会などで数年ほど勉強はしておりますが、なかなか 奥深い分野だと痛感します。


コンファレンス

日本で言う「ビジネス・ショー」の類を、もっと「真面目」にしたもの。

まず、どっさり「レクチャー」が付いてきます。これがすばらしい。
そのかわり、日本名物の「コンパニオン・ガール」は、見あたりません。

要するに・・・「コンファレンス=展示会+レクチャー−お色気」なのです。

私の出しているニューズレター 『ECスクエア通信』では、ナレッジ・マネジメントやEコマースに的を絞り、 海外コンファレンスの模様を、整理したうえで、報告しています。


ビジネスモデル

最近、この言葉が各所で頻繁に使われるようになりました。重要な概念ですから、 しっかり理解したいものですね。ここでは次の順番に、ご説明します。


まず「酒屋の譬え」で、本質をカンタンに理解しましょう

日本の酒屋さんは「単価の安いビールで集客し、日本酒で利益をとり、 ウィスキーで売上を稼ぐ」んだそうですね。

このように「何が集客力・利益・売上の源泉なのか」を示すのがビジネス モデルなんだ、とまずは考えましょう。もっと簡単に言えば「強み」です。 ハイテク業界ですと、

  • インテルは「製品開発スピード」が強み、

  • IBMは「顧客の経営課題に直結する提案力」が強み、

  • デル・コンピュータは「夜中でも親切対応のサポート力」が強みです。

このように「何が自社の強みなのか」を示すのがビジネスモデルです。それを、 業界のCSFと比べれば、自社の将来が分かります。

カンタンですね。これからも「ビジネスモデルって何だったっけ???」な 状態になったら、皆さん、ぜひこの「酒屋の譬え」を思い出して下さい。


では「國領図式」で、もう少し厳密かつ具体的に考えてみましょう

ただ、この「酒屋の譬え」だけですと、やや素朴すぎます。もっと拡張してみましょう。

当分野の第一人者である 慶応ビジネススクールの國領二郎先生 『オープン・アーキテクチャ戦略 』ダイヤモンド社によれば、

    「ビジネスモデルとは、
    • (1)誰にどんな価値を提供するか、

    • (2)そのために経営資源をどのように組み合わせ、その経営資源をどのように調達し、

    • (3)パートナーや顧客とのコミュニケーションをどのように行い、

    • (4)いかなる流通経路と価格体系の下で届けるか、
    というビジネスのデザインについての設計思想である」
いいですね。この図式を使えば、もっと厳密にものを考えられます。

  • 上記の「酒屋の譬え」で使った「強み」という 概念を、「価値」「資源」という下位概念に、分解できます。たとえば上例の デル・コンピューターの「夜中でも親切対応のサポート能力」という「強み」は、 次の2つに分解できます。

    • 「あー、資料提出が明朝なのに、パソコンが壊れてしまい、さぁ私は大ピンチ。 この窮状から脱出できたら、面目も立つのになぁ」という「価値」
    • 「顧客心理とパソコンの双方に精通した、有能なサポート要員」(People)という「資源」。

  • 上記の「酒屋の譬え」ではカバーしてなかった「流通経路」や「対パートナー コミュニケーション」という要素が盛り込まれ、「業界バリューチェーン」への視点が 入りました。

    これは、非常に重要です。というのも一般に、ビジネスモデルは「自社1社だけ」で 考えることもできますが、それを大きく変えるべきときには、「自社プラス他プレイヤー を含め、複数企業にまたがって」考えた方が良いからです。

  • それに「流通経路と価格体系」というのは「マーケの4P」の一環ですね。 こうしてマーケティングという個別分野のキー概念を援用することで、 やや一般性は失うものの、具体性は増します。

ちなみに、同先生は、今後は多くの企業のビジネスモデルが「オープン・ アーキテクチャー」に移行するだろう、と言っておられ、その動きの底には、 次の3つの基本作用素がある、と説かれます。

  1. 機械系システムの能力向上と人間の認知限界

  2. 情報の非対称性の逆転と顧客の発信する情報をビジネス化するモデル

  3. 情報の非物財的な特性の表面化

この「3つの基本作用素」から導かれる「3つの新しいビジネスモデル」とは 何でしょうか?気になる方は、先生の 新著を、ぜひご一読下さい。


蛇足ながら「太田図式」で、さらに詳しく考えてみましょう

ということで大事な話は、以上で終わりなんですが、せっかくですので、ここで、一種の 思考実験として、上記の「酒屋の譬え」「國領図式」を結合し、かつそれに ナレッジ・マネジメントの4本柱や、「マーケ4P&4C」も組み込んでみましょう。

私が思いますに、ビジネスモデルは、次の4つの要素から成ると思います。

  • (1)集客力・売上・利益の源泉である「強み」

    • (1A)顧客に提供できる(すべき)「価値」

    • (1B)その価値を実現するための「資源」。これは更に細かく、 ナレッジ・マネジメントの観点から、 次の4要素に下位分解できます。
      • People
      • Process
      • Technology
      • Content

  • (2)その資源の「調達・結合・提供プロセス」。そのプロセスを企業横断的に 表現した「業界バリューチェーン」

  • (3)この環境(2)において、強み(1)を最大限発揮するような

    • (3A)「役割」。したがって自社のビジネスモデルを決めることは、 この役割を決めることであり、業界バリューチェーンの組み替えを行う ことは、自社プラス関連プレイヤーの「役割分担」を変えることです。

    • (3B)「戦略と行動」。これは更に、「マーケの4P&4C」に 下位分解できます。

      • 製品&顧客ミックス
      • 価格&ライフサイクルコスト最小化戦略
      • チャネル&利便性最大化戦略
      • 販促&コミュニケーション戦略

  • (4)以上3項から導かれる、自社&業界&顧客の「利益構造」を示す、 一群の数式

そして、ふと世の中を見回せば、ビジネスモデルという用語を、(1)だけの意味で論じたり、 (4)だけの意味で論じたりすることで、様々な悲喜劇が起きているようにも思えます。ここは ひとつ、[ (1)+(2) → (3) ] → (4)、という因果フローを念頭に置いてみたい ものですね。

なお、本件については、すでに多くの先学諸氏が様々な考察をしています。いろんな経営書 からの引用サービスをやっている、米 MeamsBusiness 社のサイトで、"Value Chain Analysis" という項目を見ると、参考になると思います。


メーリング・リスト

普通の電子メールに、ちょっとした機能を加え、パソコン通信やグループウエアのような 「電子会議」ができるようにしたもの。

普通の電子メールは、山田さんなり鈴木さんなり「特定少数」の人に出します。これに対し、 メーリングリストという特殊な電子メールでは、宛先が「特定全員」あるいは「不特定全員」に なります。

たとえば新製品開発プロジェクト・チーム。ここにマーケティングのAさん、設計のBさん、 製造のCさん、保守のDさんの4人がいる、としましょう。そして彼らは、週一回くらい会議を している、と仮定しましょう。

こんなとき、会議と会議の間は、どうするのでしょうか。。。雑多な連絡・相談があるはずです。 ここでいちいち「電話」なんかしているようでは、いけませんね。「電話による仕事の中断」は、 知識労働者の大敵です。かといって「次週の会議で話し合おう」なんて言っていたら、新製品の 開発スケジュールは、どんどん遅れてしまいます。

ここで役立つのが、このメーリング・リスト。AさんがBさんに出した相談メールを、Cさんや Dさんも読める。ここでCさんがふと何かを気がつけば、そのメールに返信するだけで、Aさん、 Bさん、Dさんに、そのメールが届きます。

こうした「全員vs全員」の交信を電子メール上で実現したのがメーリング・リストです。これは チームが大きくなればなるほど重宝します。どんどん使うべきです。


BPR
Business Process Reengineering

2つの意味があります。(1)が狭義のBPR、(2)(3)が広義のBPRです。

  • (1)「業務フローを改造すること」
  • (2)「改造後の業務フローに合わせ、組織・制度・文化を改造すること」
  • (3)「それら改造後の組織・制度・文化に合わせ、人間モデルを改造すること」

BPRは「人切り」のことではありませんが、改造(1)(2)(3)を行えば、少人数でいい 仕事ができるようになりますから、真の意味での「少数精鋭」が実現します。

逆に、坪内さんみたいに「少数にすれば精鋭になる」とばかり「人切り」を先行させると、 社員も疲れますし、仕事が手薄になってお客さんから嫌われます。 こわいですね。

これに対しBPRは、まず「業務フロー」から不合理を除きます。これが上記の(1)です。

これは、花王の常磐文克会長の言われる「配線図の見直し」です。配線図を変えずに、 電流だけたくさん流しても、回路が壊れるだけだから、むしろ配線図を見直せば(業務フロー を改造すれば)、少ない電流で多くの仕事ができるじゃないか、というわけです。。。 すばらしい比喩ですね。坪内さんとは、大違いです(『日経情報ストラテジー』92年12月号)。

では何故、この「業務フローの改造」が成功するのか。多くの企業において、いまの 業務フローが、間違っているからです。

何故か。それは、コンピュータが現れる「前」の技術的前提に合わせて、その業務フローが 設計されているからです。

さらに残念なことに、その時代遅れの業務フローに合わせて、いまの情報システムの多くが 設計されているからです。

この間違いに深く切り込んだのがERPなのですが、しぶとくも 今なお生き残っている「ERP以前」の情報システムは、いまだに「紙と電話」の 時代精神に立っています。現に、業務フローの各所にいる中間管理職たちは、いまだに 情報を「とりまとめ」たり「中継」したりに、多くの時間を費やしており、 本来やりたい仕事ができていません。このインターネット時代に、いったい何を やっているんでしょうか。

要するに、コンピュータが「ない時代」に設計された業務フローを、コンピュータが 「ある時代」の常識に合わせて、改造する。これがBPRです。

ですからコンピュータの使い方が激変すれば、BPRのやり方も激変します。私が出して いるニューズレター『ECスクエア通信』で 少しずつお伝えしていきますが、米国では、この「激変」が起きました。

その「激変」とは「BPRの復活」です。それも単なる復活ではない。インターネットや、 エクストラネットや、PDMや、 ERPなど、ここ2年で一気に普及した「新しい情報技術」の おかげで、BPRは、「前よりいっそう強烈」になりました。どのコンファレンスに いっても、みな「BPR、BPR」の大合唱です。

日本の一部学者は「BPRは米国でも終わった」なんて言ってますが、彼らはいったい、 どこを見てモノを言っているんでしょうか。実に愚かなことです。


CALS
Commerce at Light Speed

大まかには「電子商取引」や「Eコマース」 BPRと同じ意味です。細かい違いは、気にしないでください。時間のムダです。


CIMdata社

世界屈指のPDM分野のコンサルティング会社

彼らのニューズレターは必読ですし、彼らのサイトにも、 いいペーパーがたくさん載っています。

また彼らが主催するPDMコンファレンスも、たいへん勉強になります。 これに行かずして、CALSなど語れません。その概要は、 私が出しているニューズレター 『ECスクエア通信』、あるいは『自動化技術』97年8月〜10月号をごらんください。

ちなみに同社は、これだけ影響力があるのに、サイズはすごく小さい。コンサルタント 20人ほどで構成されています。米国では、この手の「ブティック型コンサル会社」が 各所で活躍しています。


CSF
Critical Success Factors

平たく言うと「経営者が気にすべき重点管理項目」、少し正式に言うと「企業の成否を分かつ 少数個の要因」です。

たとえば鉄鋼業のCSFは「製造のスケール・メリット」であり、ビール業界のCSFは「流通の スケール・メリット」であり、ハイテク業のCSFは「製品開発のスピード」です。

一般に「業界のCSF」と「自社の強み」を対照させることで、自社の将来や戦略は見えてきます。


DISA
Data Interchange Standards Association

米国でEDIの標準化・普及をすすめている公的団体です。 日本ですとCIIに相当しますが、現地で観察すると、 かなりカラーが違います。

DISAは、公的団体の割に、なかなかビジネス・センスがあります。団体自体の 規模も大きいですし、コンファレンスともなれば、有力なEDIベンダーやコンサル 会社の力を最大限活用し、夜の大パーティも含め、おそろしく演出上手です。

そのコンファレンス。これは毎春行われるもですが、今年の ものは、とくに重要でした。インターネットが商用化され実質2年を経た時点で 開かれた今回、基調講演に立ったGEISのボブ・シーガー社長は、世界最大の VAN業者でありながら、なんとインターネットEDIやウエッブEDIの未来を、 熱く説いていました。日本のVAN業者は、どうでしょうか。

このように彼らは「新しものに好意的」であり、インターネットを毛嫌いしたりせず、 むしろ、それらの新しい技術がEDIの普及を推進するはずだ、という感覚が強い。

このコンファレンスへ行かずに、Eコマース(電子商取引)の 「将来や戦略」を語るのは、たいへん危険なことと言わねばなりません。

当コンファレンスについては、すでに『流通設計』誌に97年10月号から9回連載で お伝えしつつありますが、 私が出しているニューズレター『ECスクエア通信』でも、そのエッセンスを お伝えしていきます。


Eコマース
エレクトロニック・コマース(電子商取引)

「主な経済行為のベースを、紙から電子に変え、社内・社外のビジネス・プロセスを改造すること」。

何故、電子化するのか。。。「情報共有」のためです。

  • 一般に「紙」メディアは、情報の共有に向きません。「電子」メディアなら、 情報の複写・送付・検索がしやすいですから、情報の共有も簡単になります。

では何故、情報共有をするのか。。。「業績を良くするため」です。

  • たとえば営業日報。。。これを配送係が読めるなら、彼は「このお客さんは 大事だから、早めに荷物を届けなきゃ」という意思決定を、自ら行えます。いちいち 営業課長が配送係に電話で「お願い」なんかしないですむ。それだけ人件費が減らせますし、 お客さんにも喜ばれます。

では、その情報共有を実現する条件は何か。答えは次の2つのようです。

  • (1)情報を皆が「公開」すること。標語的に申しますと「情報公開は 情報共有に先立つ」。上の話でも、すべての営業マンが日頃から自分の日報を 全社に「公開」していれば、それを随時、読むべき人が読んで、正しい対応ができます。
  • (2)情報公開に適した「新メディア」を極限利用すること。その点、 「紙メディア」は失格です。電子メディアの方が、何倍も情報公開に向いています。

では以上の「営業日報」の話を、「社外」に拡張してみましょう。これでEコマース の真価が出てきます。そこでは「新メディア」として、インターネットエクストラネットを、併用するようになるでしょう。

  • マーケティング・プロセスでは
    • 系列下の販売店には、エクストラネットで 「セールス・ガイド」を掲示
    • 最終消費者には、インターネットで広く、Q&A集を掲示

  • ロジスティクス・プロセスでは

  • エンジニアリング・プロセスでは
    • 自分が設計した新製品の図面を、正式なレビュー前に、 エクストラネットで、部品メーカーにも見てもらう
    • 逆に自分が設計しているとき、エクストラネットで 部品メーカーのホームページを読みに行き、そこで自分が使いたい部品の仕様を 参考にする

  • マネジメント・プロセスでは
    • 新規事業立ち上げのため人材募集をしたいが、その事業には重大な機密が 介在するときは、エクストラネットで、グループ各社の 人だけに募集要項を見てもらう
    • 同じ人材募集でも、たいした機密が介在しないときは、通常どおり、 インターネットで広く、「不特定社外」の人に訴求する。
    • 投資銀行と組んでM&Aを計画しているときは、彼らの調査レポートを、 エクストラネットで、彼らのホームページまで随時見に行く
    • 財務情報は広く開示すべきなので、インターネットで広く、世に公開する

ごらんのように、インターネットは「広告」用、 エクストラネットは「狭告」用と言えるでしょう。

また乱暴に言うと「EコマースCALSBPR」です。この三つの言葉は、互いに同じ意味なんだ、 と思ってください。細かな「違い」はありますが、無視して結構と思います。


Eコミュニティ
エレクトロニック・コミュニティ(電子コミュニティ、電子共同体)

「主な社会行為のベースを、紙から電子に変え、コミュニティ・プロセスを改造すること」。

同窓会の案内も、地域会合の案内も、みな電子メールでやってきます。そのうち住所変更届も、 たぶん電子メールで出せるようになる。また、いちいち投票場へ行かずとも、在宅投票ができる ようになったり、ホームページで公開された「議員日報」を見れば、だれが怠けているか、 一目瞭然になるかもしれません。

では何故、そうするのか。。。

第一に、「デモクラシー」のため、つまり民衆がマネージャーとなるためです。ものごとを マネージするには情報が必要ですから(誰だって知らないものはマネージできませんよね)、 情報を「速く正しく大量に」民衆に届けるため、コンピュータを極限利用するわけです。

第二に、「民衆満足度向上」のためです。コンピュータを極限利用すれば、行政府の方々も 、各種サービスを「速く正しく大量に」行えるはずです。人数だって減らせるかもしれません。


ERP
Enterprise Resource Planning

平たく言いますと「定型的な基幹業務」を支援する「統合型のソフト」のことです。

まず「定型的な基幹業務」が用途ですから、受発注や在庫管理、売掛管理や買掛管理、 原価計算や生産管理、給与計算や会計処理などに使われます。もっとも近年は、 利益管理を中心に「非定型的な判断業務」を支援する機能が、かなり強化されました。

一方、「統合型」というのは、たとえば「仕入先が部品を届けてくれた」という「一個の 事象」がおきたとき、「関連する複数の情報」が「同時かつ即時」に更新される、という ことです。在庫管理システムが見ている在庫数量も、原価計算システムが見ている仕入勘定も 、債務管理システムが見ている支払い予定金額も、みな「同時かつ即時」に変わります。

これで「異なるシステムから出てくる数字が合わない」という現象も防げるし、したがって 「異なる部門間の情報統合」が進みます。これはBPRにとり、 大いに助けになります。

ERP製品としては、SAP社のR/3が典型ですが、近年は、バーン、オラクル、 ピープルソフトの3社も急伸してきました。大まかには、SAPが顧客との共同研究 でかなり先行しているのに対し、他の3社は、使いやすさや技術の先進性を打ち出して います。

そして近年は、4社とも「Eコマース対応」が進みました。「よし!  うちでもホームページで通販をはじめよう!」というとき、「でも、受注処理や在庫管理は どうするんですか? ぜんぶ『手』でやるんですか」という話になって、 Eコマースが盛んになるにつれ、ますますERPが重要になってきました。

というわけで、いまのERPの4大特徴は「基幹業務」「統合」「BPR支援」 「Eコマース対応」です。

ただしERPには、これ以外にも「EDI対応」「グローバル化対応」 「2000年対応」など、たくさんの特徴があります。その断片は、ときどき私が出している ニューズレター『ECスクエア通信』でも お伝えしますが、一度はじっくり 拙著『企業を変えるグループウエア』(日経BP刊、95年)の第三部(ページ数120) などで、系統的に学んでください。

  • ついでながら同書はビジネス・リーダー向けの本として、 グロービスでも副読本に採用されています。


PDM
Product Data Management

乱暴に言いますと「追加機能がいっぱい付いてる図面管理ソフト」のことで、 その中核は「図面管理ソフト」である。。。と、こう考えてください。

話を2段階に分けて考えましょう。

第一に、図面管理ソフトが出てくるまでの話。

  • 某先進A社では、1980年にCADを入れ、設計効率も良くなりました。

  • しかし月日は流れ、だんだんCADの弊害が大きくなりました。 似て非なる図面がたくさん生まれ、正しい図面を探す手間が、とても 大きくなってしまったのです。

  • そこで同社は、1985年、「図面管理ソフト」を作ってみました。 これで図面の「作成日、作成者、製品名、顧客名」を入れると、 むかし作った図面が、ポーンと画面に出てくるようになりました。 すごいですね。

  • しかし月日は流れ、だんだん追加の要望が出てきました。

そこで第二に、図面管理ソフトがPDMへ発展するまでの話。

  • 同社の人いわく「たしかに図面は手軽に探せるようになった。 しかし、その図面には、いろいろな技術情報が、密に関連しているものだ。 たとえばCAMデータ、検査データ、デザイン・レビューのときの会議資料 などは、図面に付随する情報である。それらの関連技術情報も、図面と一緒に、 イモヅル式に画面に出せないのか」。

  • こうして「図面管理ソフト」は、「図面ならびに付随技術情報を管理するシステム」 へと発展していきました。

  • さらに月日は流れ、このソフトは、いろいろな機能がつきました。 たとえば「設計変更のワークフロー」。 これで設計変更の起案→同意→承認→リリースの流れが 電子的に行えるようになりました。

  • さらに「製品構成管理」。これで製品−部品間の親子関係が管理できる ようになり、どの製品ではどんな部品が使われているか、どの部品がどんな 製品に使われているかが、すぐ分かるようになりました。

  • さらに「プロジェクト管理」。これで新製品開発の作業進捗がすぐ分かる ようになりました。

物語風にいいますと、以上のような経緯で発展してできたのがPDMだ、ということで す。

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Shuichi Ohta, 太田秀一 ************************************* /

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