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太田秀一 「ナレッジ・マネジメント実践リンク集」

学習ガイドと Alexa ガイドの併用を 当面、 「学習ガイド」 「Alexa バー」 * をお勧めします。

当リンク集へのご来訪、有り難うございます。

これを私が作ったのは1998年。この間、 Google *や、 Goo *や、 Lycos *に「ナレッジ・マネジメント」と入れると いずれも3位以内に出てくるほど、当分野では、国内きっての重要文献と なりました。

しかし私は昨今、これを「改造」したいと思っています。

    (1) カテゴリ体系を改造したい
    (2) 新しい文献も加えたい
    (3) リンク切れを直したい
ただし「抜本的な改造」となると時間もかかりますので、 当面、次をお勧めします。

「KM/CRM 学習ガイド」を使う

「同ガイド」は2002年11月に、怒涛の増訂。上記(1)(2)の問題は、 もはや完璧に解決済です。

「Alexa ツール・バー」を使う

これで「昔の文書も出てきます」ので上記(3)も解決です。 Alexa ガイド

これは IE 5.0以降にプラグインするツールであり ( その「外観」はこちら *)、2つの「長所」があります。

第1に、右端の「連れ戻し Wayback」ボタンを押すと、昔のページが出てくるので、 リンク切れ対策になる(成功率は4割くらい)。



第2に、 「類似ページ Related Links」を見せてくれるので*、 知識が広がる。

ただし「短所」もあるので「回避策」が必要です。Alexa は、類似ページを提示するため、 ページどうしの相関を計算せねばならず、 そのため全ユーザーのウェブ閲覧行動を逐一記録しています( 詳細はここ *)。それが嫌な方は、適宜、当ツールを Turn Off しましょう。



ということで以上、当ツールは、二長一短なんですが、 ちゃんと短所を回避すれば、二長ゼロ短です。 賢く使い慣らしたいものです。

当ツールバーの「装着」は簡単で、 このページに飛び *、下記の黄色ボタンを押し、出てくる質問に Yes, Yes, Yes...と 応えるだけ。所要時間は1分くらい。



あとは IE メニューで、表示(V)→ツールバー(T)と選び、 2個目の「Radio」をチェックすると、 Alexa ツールバーが「登場」「退出」します。



Created: 1998/05, Last Updated: 2001/03

日本最大!、各論版

このリンク集の「日本初! 入門版」はこちら

作成者・太田の経歴はこちら

ご感想、リンク追加のご希望などはこちらへ
(sohta@ca2.so-net.ne.jp)


Recommended to Bookmark!

このリンク集は、次の方々から、推奨いただきました。
どうも有り難うございました(下記、部分)

目次

[前文] 当リンク集作成の目的と指針(98年5月25日)

 ナレッジ・マネジメント=KMに関心がおありの皆さま、こんにちは。 経営コンサルタントの太田です。

さて私が98年5月に公開した、

は幸い、公開後5日間で1,900名の方にご来訪いただくなど、ささ やかながら、多方面よりご注目いただきました。

 しかし98年後半、突然、欧米の実務家の関心は、業績に直結する「各 論」へ移ったようです。私自身、日本IBM社提供の「e-business」サ イトへの寄稿レポートで論じましたが、

そもそも「KM一般」なんてものを語ったり、まして実行することなん て、できやしません。KMの姿は、分野毎に大きく異なるからです。

 したがって、いま必要なのは、総論ではなく各論です。業種別、ビジ ネスプロセス別の「各論レベル」のKMだけが、経営効果に直結します。

 そこで私は98年9月、この「KM定番リンク集」を大幅に拡張。旧版 に対して、次の拡張を行いました。

  • 「各論レベル」のリンクを、191点、追加
  • 「各論レベル」の事例を、  60件、追加

これらの追加は、ほぼすべて、次の場所に集約されています。

  [ 3] KM事例レポート(個別事例が約60件)

 さて本年は、我が国産業界も「KM元年」です。早いところ「総論」 段階から脱し、業績に直結する「各論」段階へと進化しなければなりま せん。著名学者の総論も結構ですが、今こそ「自分の」ライバルから、 ものを学ぶべきです。

 したがって当リンク集の想定読者は、3層に分かれます。

 第一に、産業界の皆さまです。ご自分と同一&類似業種の事例文献を、 ぜひご一読ください。この拙いリンク集が、少しでも皆さまの意思決定 にお役に立てば、と祈ります。

 第二に、世のコンサルタントの皆さまです。日々の実務でご多忙なク ライアントの方々に代わって、当リンク集で理論武装し、いい提案をし てください。もちろん多様なケースへの応用をきかせるには、事例文献 だけでなく、手法文献もご一読いただく必要があります。

 下記の通り、いま日本の論壇が低劣な以上、日本のKMは当面、皆さ まコンサルタントが支えなくてはなりません。ぜひ頑張ってください。

  ということで第三に、論壇の皆さまです。皆さまには、当ページでご 紹介した文書を「全数熟読」するよう、お願いしなくてはなりません。

 私は先日、とある高名な「文化人」の方が誇らしげに「KM研究なら 日本が一番だ」と言っておられるのを、目にしました。これは、当ペー ジから自明のように、小学生並みの間違いであり、「unprofessional」 と宣告せざるを得ません

 どうして日本の論壇は( その一部に私も属しているので迷惑でたまりませんが)、こんな低劣 なウソをつくんですか。論壇の発言は、産業界 に乗数的に作用するわけですから、せめて公の場で失笑を買う前に、当 ページに載せた文書くらいは熟読され、ご研究の指針としていただきた く思います。そして一日も早く、「世界と日本」の研究落差を埋めてく ださい。さもなくば、この分野からは、出ていくことです。

 最後になりますが、当ページは、当分野で「圧倒的に日本最大規模」 のリンク集ではありますが、私自身は、けっして満足していません。ま だまだ抜けが多いと思っています。今後も折に触れ拡張していきますが、 その都度、

でお知らせしますので、気になる方は、そちらをご覧ください。


[ 0] このリンク集の上手な使い方

[0.1] 電子英英辞典を使いましょう

    このリンク集では、英語文献が9割を占めますが、不明な単語を 調べたくなったら、英英辞典が便利です。「難しい英語」を「易 しい英語」に変換すれば、ヘンに難解な訳語を当てたりせずにす みますし、ついでに同義語・類義語も頭に入って効率数倍。

    今はウエッブ上に、いい英英辞典がありますから、これを使って ください。シソーラス付きですから、本当に便利です。

    少し補足しますと、この辞書ページは、次の2本立てになっています。

    • シソーラス(分かりやすいけど収録語数が少ない)

    • 辞書本体 (分かりにくいけど収録語数が多い)

    したがって手順としては、まず前者を調べ、自分の知りたい単語が そこに出てこないときだけ「Dictionary」ボタンを押して後者に飛ぶ、 という風にすると効率的です。

[0.2] 右クリックを使いましょう

    この手のリンク集ページは「起点として常駐」させるのが基本です。 このページからリンク先へ飛ぶときは、

      「右クリック → 新しいウィンドウで開く」

    と操作しましょう。逆に、通常どおり左クリックすると、このページへ 戻るのに、苦労します。

[0.3] 著作権を守り、謝礼金をゲットしましょう

本件については、まず事実から確認しましょう。

ひどいですね。10人に3人が「犯罪者」なんですから。

誰が見ても「後進国」です。

OECD に入れていただいて30年、G5に入れていただいて20年も経つのに、 いつになったら日本は「真の先進国」になれるんでしょうか。

八百屋の店頭にあるイチゴは、一粒残らず「八百屋のモノ」です。 「見る」のも「買う」のも構いませんが、それを「盗む」人は、 犯罪者であり、当然、警察に捕まりますし、捕まるべきです。

著作物も、同じこと。このサイトの各ページは、私が書きました から「隅から隅まで私のモノ」です。だから誰にも、渡しません。

  • その情報内容は、一文残らず「私のモノ」ですし、

  • その情報の構造・順序・編成も、すべて「私のモノ」です。

見たり買ったりは構いませんが、盗めば当然、警察行き、いや刑務所行きですよね。

著作権法は、 国際ルールのひとつでもあり、 我が国が今後、「真の先進国」となり、国際社会で名誉ある地位を占めるには、 こうした国際ルールを、率先して「守る」くらいは当然で、むしろ「作る」側、 「他に強制する」側へと、巧みに役割転換を図らなければなりません。

さらに今日、日本もナレッジ・エコノミー時代になりました。昔の工業 化社会では「物的所有権」が社会の存立根拠でしたが、今日では「知的所有権」が、社会の存立根拠です。 これが侵害されれば、社会そのものが崩壊してしまう。

ならばその神聖な著作権が一文たりとも侵害されたとなれば、 これは「八百屋のイチゴ」どころの話では、すみません。

警察や刑務所の皆さまにご出動いただくのは、上記の通り当然として、 私ども市民も自ら、大きな棍棒を手に持ち、それら侵害者を、草の根 かき分けても探しだし、かつ手加減せずに、撲滅すべきです。

したがって、当サイトのページの一部たりとも、勝手にコピーしたり、 盗用して自分の著作物と偽っている不心得者を、見たり聞いたりし たときは、皆さま、是非、110番にお電話いただくとともに、 私にも、ご一報ください。

ご提供いただいたエビデンスの証拠能力を専門家に評価いただいた上で、 その証拠能力に比例した謝礼金を、最高50万円まで、お支払いいたします。

当ページをご覧になられる皆さまには、ぜひ日本が「真の先進国」と なれるよう、周囲をガイドいただきたく思います。

本件につきましては、ぜひこちらもご覧ください。


[ 1] KM概説

テキサス大学、トマス・ダベンポート教授(Ph.D)のKM用語解説

    ご存知の方も多いと思われますが、同教授は、E&YでBPRの 専門家だった当時から、BPR一辺倒路線に疑問を持ち続け、 それが近年のKM研究につながりました。今では世界一のKM研究者です。

    その主著は何と言っても次の一冊でしょう。

    ただし「シソーラス=同義語辞書」と「タクソノミー=知識分類基準」を、 あくまで人手で作るべし、という当時の同教授の路線には、マイナス面も あります。効果は大きいでしょうが、それを維持する手間も大きいはず。

    なお同博士の97年秋の講演については、ぜひ次の報告もご覧になってください(邦文)。

    また同博士の98年夏の講演、ならびに、その所論への重要な批判については、 次の報告もご覧ください(邦文)。

私のKM用語解説(邦文)

    この前半部分「ナレッジ・マネジメントは何故必要か」「ナレッジ・ マネジメントの機軸は何か」は、7割くらい上記・ダベンポート教授に 従っています。

    ただし後半部分の「ナレッジ・マネジメントをどんな情報技術で実現するか」 では、やや異なり、私は、次のように考えています。

    • 近年の自然言語処理技術を応用することで、

    • シソーラスやタクソノミーの作成・維持工数を激減させるべし、

    当件は、後述 [3.3.4]のテルテック社事例も参照してください。


[ 2]KM事例レポート(複数事例にわたるもの)

米アーンスト&ヤング社、ビジネス・インテリジェンス社の調査

  • 定番レポートの一つ。情報技術のセクションは弱いが、 全体としては、参考になります。

  • 欧米を代表する大企業、約400社の上級管理職を対象にした20問アンケート。 このうち私は、問3、4、5、10、16、20が重要と思いました。

ナレッジ・インク社による事例概観

  • 石油、化学、ハイテク、オフィス家具業界から5ケース。 各ケースとも、短くまとまっています。

同社の Jerry Ash 氏による事例概観

  • ほぼ同じ顔ぶれ。各社のキーマンの横顔・行動に焦点。

コミュニティ・インテリジェンス・ラボ社による事例概観

  • 30社近い事例集。1事例当たりの記述は3行程度だが、概観には便利


[ 3] KM事例レポート(一社の事例を論じたもの)

この章は 『ECスクエア通信』No.19の[7]章で論じた「KMの6大急所」に沿って構成します。


[3.1] 索敵活動 (KM/CI)

注)CI = Competitive Intelligence

    [3.1.1] KM/CI入門

    • 米SCIPによるCIの定義

      • 定番的な内容です。普通のことが普通に書いてあるだけですから、 大して印象には残りませんが、権威ある文献なので、一度は目 を通しておきましょう。

      • なお、Society of Competitive Intelligence Professionals"は、 会員数が6千の専門家団体です。うち日本支部は、150人。 まだ日本のKM/CIは「これから」ですね。

    • 米ファルド&カンパニー社のファルド氏によるCIの定義

      • 「intelligence is "analyzed information."」という定義。 いいですね。ズバリ本質を突いています。言うなれば、

          ブドウ   +熟成技術     → ワイン

        同様に、

          Information + 分析&集約 → Intelligence

      • さらに、その下方。より完璧な説明が表の形で。要するに「Intelligence」 とは「analyzed information」の域を超えて「経営者向けに集約された結論= 勧告」の域に達したものなんですね。

      • こういう「Intelligence」を役員に提供するのは、通常、 役員補佐の仕事の一部なわけですが、補佐は担当範囲がやや広いので、 こと競合他社については、それ用の専門組織や専門家があった方がいいわけです。

      • ちなみに同氏は、KM/CI分野の第一人者。

        したがってKM/CI専門家なら、同氏のページは必読。それをやってな い自称「危機管理専門家」や自称「マーケッター」は、単なる詐欺師です。 追い返しましょう。

    • ではKM/CIにとって重要な情報と情報技術は何か。 米CIAでCIOを務めたジョン・ダームス氏によれば

      • 定性情報=非構造情報であり、
      • それを探索するための、高度な検索エンジンです。

      ちなみに「高度な」というのは、この文献の中段に あるように「concept-based」という意味ですが、 その名もジャストシステムの「ConceptBase」が この技術分野の典型となりました。

      つまり民間企業では、RDBがシステムの核だったのに対し、 CIAでは、昔からテキスト検索ソフトがシステムの核でした。 だからCIAは、ここに大金を注ぎ、外部の専門会社に研究 してもらっていた。いま私たちがインターネット上で使っている 検索エンジンも、ルーツをたどればCIAの委託研究です。

    [3.1.2] なぜKM/CIは企業の業績を左右するか

    • 英テレコム社の失敗事例

      • 同社は、MCIの買収競争で、米ワールドコム社に敗れました。 その結果、世界のインターネット・インフラの大半をワールド コムに握られてしまい、あわててBTは、AT&Tとの提携に 走りましたが、要するに、手遅れ。これは挽回不可能で、かつ 大きな失敗でした。

      • 悲惨ですね。ただNTTやKDDは、もっと悲惨です。こうした 買収合戦にハナから参加もしてないんですから。本当にこれから、 どう商売していくんでしょうか。

      • ではなぜ本件で、BTは敗れたんでしょうか。それまでワールド コム社が無数の買収に成功して急伸してきたにもかかわらず、 「過去に何度も成功した打ち手 move は、再現される確率が高い」 というCIの鉄則を、無視したからです。

      • ではなぜ、そのCIの鉄則を、BTの経営陣は無視したのか。 次の文献の前半から推察するに、最大の阻害要因は「経営者の プライド」でした。

        念のため補足しますと、欧米でも経営者という人種は、一流に なればなるほど腰が低く、大河ドラマのお殿様とは異なり、 人前で威張ったりしません。なぜかというと理由は単純で、

          「自分の給料は、自分のプライドではなく、株主の利益に比例する」

        ことを骨身にしみて知っているからです。だから彼らは、自分の プライドなんて、平気でホイホイ捨てられます。これが、 一流の経営者と凡人とを分かつ、彼らの「特技」のひとつ。

        ところが2流の経営者には、この特殊技能が足りませんから、 つい凡人並みの「プライド」に負け、敵を見くびってしまう。 このBT事例は、その典型として、歴史に残る教材です。

      • ということで、ことCIの場合は、「よいCI」と「よいトップ」は ワンセット。そういう前提抜きでCIを始めても、大きな成果は見込めません。 これは他のKM5分野にはない、CIだけが持つ特性のようです。

    [3.1.3] KM/CIの定番手法

    • ゼネカ社の事例

      • スミスクラインに対抗する新薬開発でKM/CIを行った 当事者による報告。KM/CIの定番手法を短時間で理解 できます。

    • 上記ファルド&カンパニー社の考えるKM/CI方法論

      • 産業界の皆さまは、KM/CI用のコンサルタントをお 雇いになる前に、ここをご一読の上、彼らを口頭試問に かけてみられては、いかがでしょうか。いわく
          「ファルド氏の方法論について、長短を論ぜよ」

        CIに限らず、一般にコンサル・サービスは、料金も高額 ですし、後工程への影響も乗数的ですから、厳しく選別い たしましょう。その際、この手の口頭試問は、必須です。

    [3.1.4] KM/CIの事例

    • まず上記のBT ゼネカの事例をご参照ください。

    • それ以外は、 上記ファルド&カンパニーのサイトで。 とても多くの事例が、業種別に検索でき、かつ condense された(つまり「インテリジェンス」化された)答が得られます。 すばらしいページです。呆然。


[3.2] 顧客マネジメント(KM/AM)

注)AM = Account Management

    [3.2.2] KM/AMが、なぜ重要か

    • 米『Selling Power』誌の記事(の本文)より

      • 昔風の単なる「顔出し&顔つなぎ」では、今や当然ダメだし、 今風?の単なる「顧客満足」だけでも、やはりダメだ、だから Customer Relationship が機軸です、という骨子。

    • 英ヘイ・マーケット社による報告(エグゼクティブ・サマリー)

      • 明快さには欠けますが、順序をバラして、ゆっくり読むと、かなり 優れた報告であることが分かります。いわく

        • いまの「会社組織」は、効率よく注文を処理するために設計 されており、多年にわたる顧客との関係から最大のバリューを 産むために設計されたのではない。要は

            「今までの企業モデルは、完全に間違っていた」

          ということです。恐いですね。(第5項)

        • では顧客との関係をマネージするには何が必要か。Customer Knowledge である(第2項)

        • では、Customer Knowledge を最大化するには、何が必要か。 それは「顧客全体との全的な体験」であり、その経験量を、 業績評価尺度に入れることである(第12項)。

    [3.2.3] 従来型SFAでは、なぜダメか

    • 答を先に言いますと「SFAでは、 Customer Knowledge を 最大化できないから」です。

      にもあるように、

      • 従来の「細分化・単純化・標準化」思想に毒されたまま

      • 従来のペーパー作業を電子化してみても、

      これでは「逆効果」。何故なら

      • いくら報告工数や管理コストが下がっても、それは「間接」作業 を「省力化」しているだけで、販売行為という「直接」作業を「 増力化」できないから

      • 多くのSFAは、セールス・プロセスを定型的な「ステップ」に 分けて進捗管理する機能がウリだが、セールス・プロセスは、 バリエーションが大きく、順番の変更・逆 転や、予想外の事件 発生や、例外行動が日常茶飯事で、上で「ステップ分け」など、 できるわけがないから

      • SFAで営業パーソンの「行動管理」を強化できれば、 会社は喜ぶ?けれど、肝心の営業パーソンが意欲を下げ、 Customer Knowledge を最大化しなくなるから

      だから下例でも明らかなように、KM/AMで成功している会社では、 まったくSFAなど使っていません。

      というわけで、そろそろ我々はSFA信仰から目覚めるべきです。 また日本には「KM、KM」と称して行動管理型SFAを売り込ん でいる自称コンサル会社がありますけれど、これは、単なるインチキ です。追い払いましょう。

    [3.2.5] 米国ハイテク業界の事例

    • 米シークエント社の事例

      • 同社では、次の用途に、情報技術を活用していますが、

        • ベストプラクティス(模範事例)の検索、

        • 問題解決できそうな社員(火消し専門家)の探索

        これも社員間のナレッジ共有が「例外」でなく「義務」 だからできることでしょう。

      • デビッド・コールマン氏による報告

        • 同氏もグループウエアの世界では昔から有名。この 報告も、とくに中段以降が面白いです。

    • バックマン・ラボ社事例

    • ナルコ・ケミカル社の事例

      • 米『セリングパワー』誌より

        • この記事の本文では、次の2点が良くまとまっています。

          • 顧客の動向(合併、多国籍化、調達先の削減)

          • それへの対応(人事施策、チームセールス制、トップ・マネジメント・ カバレージなど)

        • また、専門家による講評も、参考になります。とくに二人目 のシャーマン氏(S4コンサルティング社)

    [3.2.6] 金融業界の事例

      金融機関は経済の要ですから、早く立ち直ってもらいたいものです。 良い事例から学んでください。

    • 米チェース・マンハッタン銀行の事例

      • KM/AMがどのくらい同行のキーであるか、まず 同行のホームページで確かめましょう。

      • 米ロータス社による報告。昔から超有名な必読文献です。

        • ロータス社が米金融界のために、何年も前に出した 著名なレポート。日本の金融機関の皆さまも、今こ そ必読です。いまは不良債権と称して顧客毎の「安 全性」が重視されてますが、それが終わったら「収 益性」の話になる。そのとき、この事例が役立つ、 と思います。何度読んでも、ためになる報告です。

      • 米『CIO』誌による報告

      • 同社が直面していた問題(かなり普遍的です)

        • 情報の「散逸と不統一」(製品毎だった)

        • だから顧客毎の収益や売るべき商品が分からず、

        • 利益直結型の行動がとれなかった

        • また有能社員が辞めると、大事なコネやナレッジも会社から出ていった

      • 同社がとった対策(なかなかユニークですが模倣可能)

        • 上記の諸問題の解決(だけでも偉大なことですが)

        • それを上回る情報化ビジョン。いわく

          • 「人的コネを通じて答を探索している有能行員の能力」を今後の 情報技術に「エミュレート」させる

      • 同社がした工夫 (同上)

        • 設計はボトムアップ、支持はトップダウン

          • 最初はトップ・パフォーマーに焦点

          • その後、部門横断的なボードを形成

          • インプリ後はトップが自らそのシステムを駆使

        • 文化人類学型の要件定義手法(面白いです)

        • 情報共有の重要性についてトコトン議論

      • なお同社は、 人事では、社員を「お客さま」と捉える施策を展開するなど今後も、 多くの点で、日本の金融界に良いお手本となるでしょう。

[3.3] 顧客サポート (KM/CS)

注)CS = Customer Support

    [3.3.2] 成功鉄則(1): ピープル・マネジメント

    • 米『サービス・ニューズ』誌より

      • 当記事では、ヘルプデスク(は顧客サポートの一部ですが)の 成功要因を3つあげたうえで、

        • (1) 顧客をケアすること

        • (2) 自社の組織(チーム構成など)をケアすること

        • (3) 自社の社員をケアすること

        ほとんどの会社は(1)は合格だが、(2)(3)が不成功だ、と論定。 ひどいところだと「スマイル・トレーニング」で終わっている、 と述べています。

      • 日本でも、状況は似ていないでしょうか。顧客満足に詳しい 経営コンサルタントの小林裕氏も、こう述べておられます。

        × http://www.bekkoame.or.jp/‾koba6812/
        yu.shinbun5.html

    • 米『サポート・マネジメント』誌98年3月号

      • ということで重要なのは上記(2)(3)の「広義のピープル・ マネジメント」です。

      • では一体、どんなピープル・マネジメントが望ましいのでしょうか。 第一に、その「ピープル」が具備すべき「資質 Competencies」を 明確にすることです。この記事によれば、サポート・レップには、 次の4つの資質が必要なんだそうです。

        • チャーミングで冷静な人柄

        • 高い自己モチベーション能力

        • 推論能力

        • 言語能力(理解力、表現力)

    [3.3.3] 成功鉄則(2): 統合型ソフトとその事例

    • では彼らサポート・レップを支援するには、どんな情報システムが 要るんでしょうか。その要件を、ここでは2点、指摘します。

    • 第一のシステム要件は「複数分野にまたがり、情報が統合化され、 複数機能が自動連携すること」。

      • 米トヨタ社の事例(リンク切れ)

        × http://www.clarify.com/press/toyota.htm

        • 同社も昔は、システムを大型機で自作していましたが、 レクサス市場投入を機に、市販ソフトを使うことにしました。 その理由も、やはり「統合化が簡単だから」です。

        • なお、こうしたソフトの「Make or Buy」決定の基準に ついては、次の文献も参考になります。

          http://www.tmcnet.com/tmcnet/
          articles/ben1298.htm

      • 米クラリファイ社(当分野のソフト市場で世界2位)の動き

        • たとえばクラリファイ社の顧客サポート用ソフトは、 単に顧客サポート業務の枠にとどまらず、他社のSFA ソフトをも買収・統合して「フロント・オフィス・ スイート」になりました。

      • こうして「ソフトを異部門間で統合する」ことで、 多くのメリットが生まれます。

        • (1) お客さんから苦情の電話が来たり、お客さんに 納めた機械のトラブルが長引いたりしたときに、 自動で営業マンのポケベルが鳴ったりする。CSと SFAが連動しているからです。

        • (2) 電話してきたお客さんを「たらい回し」にせずに すむ。電話を受けた人が、すべて修理サービスの件にも 請求金額の件にも、みな応えられる。 たとえば

    [3.3.4] 成功鉄則(3): 言語密着型ソフトとその事例

    • 第二のシステム要件は「言語コンシャスであること」。

    • 米サービス・ウエア社のジェフ・ペパー社長の所見(×)

      • 不適切な用語で文章化された電子ナレッジでは、イザ!というとき、 役立ちません。サポート・レップが、お客さんや自分の慣れた用語で 検索しても、知りたい情報がさっと出てこないと、とっさの対応が できません。このことは、同社長が言われるように、これは「見逃 されやすい点」ですので、よく注意いたしましょう。

    • NEC顧客サポートセンターの事例(『日経 Bizteck』1998年5月27日)

      • その点、同社の顧客サポート支援システムは、たいへん「 言語コンシャス」になっています。

      • 検索条件は、自然言語で入力できて(お客さんの 言葉そのままに)、かつ

      • 類似検索ができますから、極端な話、

        「ハガキが出てこない」

        という検索条件を入れても、それは

        「紙詰まりが直らない」

        という意味なんだな、という同義変換を、自動で行 ってくれますから、検索を何度もやり直さないですみ、 お客さんを待たせないですむわけです。

      • しかも、この同義変換を、人工的なシソーラス辞書なし に行えるのが特徴で、そこが下記テルテックより優れて いるところです。

    • 米テルテック社の事例

    • ということで当例に限らず、KM事例を読むときには、次の2点を チェックした方がいいかな、と思います。

      • その執筆時期   (97年以前か以後か)

      • その執筆者の経歴 (ソフトウエア分野か否か)

      そうでないと「事例読みの事例知らず」になりかねず、危険です。

    • なお、こうしたソフトで探索すべき「ナレッジ」そのものを 電子化して世のコールセンターに売る会社も、出てきました。 たとえば米モロイ・グループ社も、そのひとつ。同社のピーター・ ドーフマン氏のKM論も、なかなか面白いです。

    [3.3.5] 成功鉄則(4): サポート・レップへの教育

    • ただし、以上のような情報システムが、どんなに「使いやすい」 ものであっても、レップへの教育は欠かせません。これには、 次の二つがありますが。。。

      • (1) 情報システムを使いこなす「操作教育」

      • (2) お客さんからの質問テーマを学ぶ「中身の教育」

      うち(2)については、上記[3.3.4]のようなソフトを 休み時間にでも動かしてみれば、類似情報がイモヅル式に出てきますから、 それで構わないとして、システム導入時にあたっては、上記(1)が欠かせません。

    • 理由はいくつかありますが、

      によれば、そのひとつは「不安の解消」です。

        「イザというとき、とっさに使えないのではないか」

      という「未知のもへの恐怖」が少しでもあると、肝心のレップは、 情報システムを使わず、旧来のやり方で業務を行おう、とします。 だから

        「では今日は練習ですから、実際にやってみましょう。 できるよね? 心配ないよね? ないよね?」

      という感じの体験型かつ不安解消型の教育が必要になります。

    • ちょっと補足しますと、人間、未知のものへの恐怖は誰でも ありますが、ことコールセンター業務は「とっさの対応=即 >応力 responsiveness」がキーですから、少しでも「不安」 があると、レスポンスに大きく響きます。

      しかし、同じナレッジ・ ワーカーでも、後出[3.6]のKM/FFEで登場する研究員は「 独創性 creativity」がキーですから、いいコンセプトを出 すためなら、ゆっくりタバコでも吸って、2日も3日も長考 したり、試行錯誤したりできますし、それこそ「未知のもの との接触」は、あればるほど大いに結構なわけですから、 こういう人たちには、不安解消型の教育などは要りません。 同じナレッジ・ワーカーでも、成功のカギが responsiveness なのか、creativity なのかで、ケアの仕方も異なります。

    [3.3.6] 成功鉄則(5): 集中と解放に向いた環境

    • ただし、以上のような情報システム、教育を展開しても、現場で 働いているサポート・レップの「モラル」が低ければ、効果は 出ません。そしてモラル向上には、手段が2つある、と思いますが、

      • 公平な給料 (次項[3.3.7]参照)

      • 良好な作業環境

      ここでは後者ををとりあげます。

      では、その環境への配慮が各所に伺えます。たとえば

      • レップたちが使うヘッドセットは何のためかといえば、 周囲の騒音を遮蔽し、複雑な問題を集中して考えること ができるように、という配慮によるものです。 (加モントリオール銀行のダン・デンムプシー氏)

      • そのヘッドセットを近いうちに「無線式」にしたい、 という要望は、レップたちが自由に歩き回れるように、 との配慮によるものです。束縛感がなくなりますね。 (米レイニアー社のジム・スミス氏)

      • 同時に、レップどうしが会話しやすいブース設計にして いるのも、彼らにナレッジ交換の機会を持ってもらうと 同時に(重要)、開放感を持ってもらうためでしょう。 (富士写真フィルム米法人のシェリー・パリス氏)

      • PCや資料を扱いやすいように、L字型の大型作業机が 推奨されてます。 (米キャンベル・スープのホリー・ マスクラン氏)

      • ミドル管理者の席も、レップたちと同じ空間に置くことが 推奨されてますが、これもレップたちを見張るためでなく、 オープン思想の現れでしょう。(米コロンビアハウス社のスーザン・サマーズ氏

    [3.3.7] 成功鉄則(6): モニタリング・システム

    • ではサポート・レップやマネージャーへの処遇とは、どうあるべき なのでしょうか。近年の研究では、各人の「給料と地位」の「高さ」 もさることながら、その給料や地位の「根拠」つまり accountability が重要である、とされています。

    • その「根拠」は、

      にもあるように、究極には「顧客満足度」が大項目なのですが、問題は、 その下につく中項目や小項目です。

      そして、これら中項目や小項目に関しては、次の事例からも明らかなように、

      長年、次の項目が定番でした。

      • 勤務中のレップ、そうでないレップ

      • 電話中のレップ、そうでないレップ

      • 受信件数(ふつうはアーラン分布)

      • レップ・ビジー率

      • 回線ビジー率

      • 待ち行列の長さ(行列内受信件数)の最大値・平均値

      • 顧客待ち時間の最大値・平均値

      • 待たせてる間に電話を切った率(Call Abandon rate)

      • スピード(電話に出るまで、切るまで)

      • FCR : First Call Resolution Rate(1回目の電話で問題解決できた率)

      • 相談内容

      ケミカル・バンクでは、これらが日次・週次などで定期集計 され、かつ値によっては、所定の限界値を超えると、リアル タイムに「警告チャイム」がセンター全体に流れます。すごいですね。

      またラバウンティ氏は、ACDの機種によっては、シミュレーション 機能がついていて、レップ数や回線数をへらすと、待ち時間が何割 ふえるかを予見できる、としています。

    • ところが98年、広範な実証研究をバックに、こうした「定番手法」を 激しく批判する専門家が現れ、かなり状況も変わってきています。

    • リソース・インタナショナル社のニールズ・クレジャラップ氏

      いわく

      「それは(古代ローマの)ガレー船経営モデルである。古い」 「70件のケースを分析したが、効果はあがってない。その典型は パック・ベル社だ」

      というわけで本件では目下、定番手法が再考を迫られています。 専門家の皆さまも、この新傾向には、ぜひご注目を。

      同氏が攻撃しているのは、上記のうち「待ち行列理論」に登場 する指標群ですが、その攻撃理由は、同氏ご自身の上記3 ペーパーのほか、次のベンチマーキング批判を読むと、かなり 分かります。

      要するに問題は、次の3点のようです。

      • (1) 細かい指標分析に凝るあまり、大局を見失うこと。つまり 定量的に比較可能な「パフォーマンス」値だけに目が行き、勝者と 敗者を分けている定性的な「行動要因」を見逃してしまうこと

      • (2) そもそも同一変数どうしの比較を行うには、他の諸変数を 等しくする必要があるのに、その条件を満たさぬまま「比較」が「 できた」と思いこむこと

      • (3) 大幅な革新ではなく、現状維持のためにそれが使われる 傾向にあること

      このうち(3)は、いわゆる「現状維持のためのカイゼン運動」 と同類ですので、大いに自戒したいものです。この点、クレイマ ー氏は、「外部の知見」をモトにした「飛躍」こそがベンチマー キングの真髄と説きます。

      また問題(2)は「半端な数値分析、ケガの素」の典型ですね。 クレイマー氏によれば、数値というものは、目指すゴールと いうより、問題の所在を探るための「道具」である、とのこと。 すばらしいご見識ですね! それが効いたせいかどうかは 分かりませんが、上記の主流派・ラバウンティ氏も、97年、 けっこう方向転換しました。偉いですね。

      というわけで「定説の流動化」が始まり、にわかに活気づいた 本件ですが、さしあたり日々の運営は、反主流派の精神で主流派の 定番手法を修正しながらやるとして、この手のモニタリング・ システムがなぜ「通用」するかといえば、それは「これこれ、 こういう項目をモニタリングしますよ。かつ各項目の目標値は こうですよ」という「合意」が事前にあるからです。それを「契 約書」形式で記述したのが、次項[3.3.8]の。。。

    [3.3.8] 成功鉄則(7): サービス・レベル合意書(SLA)

    • これがあると、サービスする側も、される側も、自分たちの サービスが良いのか悪いのか、よく分かります。(あるいは、 分かったような気になれます)。

    • またSLAがあると、そのサービスを売り込むときに便利で すね。とくに特定の法人顧客(自社ユーザー部門を含む)が サービスの相手なら、「製品パンフレット」にあたるSLA は必須と思います。

    • ということで問題は、そのSLAの作り方。いくつか方法は ありますけど、安直な順にいうと、次の通りです。

      • (1) CTIベンダーに「君のシステムでは、どんな 項目をモニタリングしてるの? それはなぜ?」と 聞いてみる。

        • これは、あくまで予備調査ですので。念のため。

      • (2) 米SSIのテンプレートを自分でカスマイズしてみる × http://www.supportservicesinst.com/
        ssi/Membership/krs-SLA.htm

        • ちなみに、このSSIとは「Support Service Insti-tute」のこと

      • (3) 米ベンデータ社のSLA自動生成ソフト(無料)を試してみる × http://www.bendata.com/contests/freesla.html

        • これは米国のヘルプデスク専門家が集うメーリング リストで、98年10月12日、トム・ワーリック氏が推奨 していたソフト。専門家の皆さまは、ぜひ参考になさって ください。

      • (4) しかる後に、しかるべきコンサルタントに相談する。

        • そのコンサルタントの真贋を見分ける便法ですが、 さいわい当分野では、[3.3.7]で前出のラバウンテ ィ氏もゆかりの、

        • という主流派の定番団体があり、たいへん実践的な ガイド本も出してますから、これを判定基準にして しまうのも一法です。たとえば

            「どこの方法論を使ってる?」 「HDIです」

            「じゃ、君のガイド本を、ざっと見せて」

            (どのくらい汚れているかチェック)

            「ところでHDI方法論に弱点はないの?」

            (上記「3.3.7]のクレジャラップ氏の 批判について自分の意見が言えれば合格)

    • ところで、生々しい話?になりますが、このSLA(契約書) に書くべき「金額」を「いくら」にするかは、重要ですね。 これは「相場通り」でもいいと思いますが、少し自分で考え てみたい方は、次のページを。

    [3.3.9] 成功鉄則(8): ミッション声明文

    • とはいえ、上記の[3.3.7]の「数表」や [3.3.8]の「正式文書」だけでは、人は動きません。 だから上記「HDI」のガイド本でも、 この「ミッション声明文」のため、一節が割かれています。ただ 残念ながら、このガイド本は、ウエッブ上では見れません。せめて 次のページの項目「3」をご覧ください。

      これは良くできたレポートで、ここでは項目「3」に注目しましたが、 全体として優れています。

    [3.3.10] 成功鉄則(9): サポート中心型の企業文化

    • とはいえ、上記[3.3.9]の「声明文」が、人々の、 日々の行動に血肉化されてないと、とたんに逆効果。「嘘っぱちのCS運動」の 二の舞です。恐いですね。 ぜひ、良い例から学んでください。

      あの米『インフォワールド』誌で「最優秀技術サポート賞」 の受賞会社の話だけに、なかなか心にしみますね。

    [3.3.12] 成功鉄則(11): 動的ウエッブによる「自己解決」事例

    • さて以上、顧客サポート業務の成功鉄則を、いくつか述べ ましたが、それらはいずれも、「顧客サポートは、わが社の 顧客サポート部門が行うものである」ということを暗黙の前提 にしていました。

    • しかし、この前提は、正しいとは限りません。お客さんによっては、 窓口でいちいち対応してもらうより「自分の問題は、 さっさと自分で片づけたい」と思うものです。販売技法の 分野で有名なウィルソン・ラーニング社の性格類型を、 この顧客サポート分野に転用しますと、次のようになります。

      • 「エイミアブル型」の顧客は、自己解決を好まない

        • 彼らは「人的交流」を重んじますから、旧来の電話 窓口や、下記[3.3.14]のよう な顧客間インタラクションを好みます(ハイタッチ型)。

      • 「ドライバー型」の顧客は、自己解決を好む

        • 彼らが欲しているのは、「他の人」との接触ではなく、 「自分の」問題を解決することです。だから サポート・レップにうやうやしく接してもらっても、 「自分の」時間がもったいないだけ。むしろ、さっさ と自分で問題解決できる方がいいようです。

        • 彼らは「コントロールすること」が好きなので、自分 の問題解決に必要な情報を、常に手元に置きたがります。

        • よく「サポート・レップが現場で問題解決できるよう、 彼らに権限を委譲しましょう」とご高説を垂れる経営書が ありますが、ドライバー型の顧客にとっては、そんなことは どうでも良くて、何よりも「顧客たる自分への権限委譲」 こそが唯一の正解だと(内心では)思っているようです。

      • 「アナリスト型」の顧客も、自己解決を好む。

        • 彼らは、当面の問題解決もさることながら「自分の スキル向上」や「探求」を重んじます。だから

            「私の知りたいのはコレなんだけど」

          と言いながら、その後ですぐ、

            「いや失礼、アレも教えて」「コレも」「アレも」

          という試行錯誤を、気兼ねなく、かつ延々とやりた いと(内心では常に)思っています。

        • この手のお客さんから質問電話がくると、回線&人員 ビジー率もハネ上がりますから、費用ももかかります。 むしろサポート業務をセルフ・サービス化し、心ゆくまで 分析してもらった方が、お互いの関係は、かえって良く なります。

    • そこで多用されはじめたのが「ホームページ上のFAQ」。 ただし、この「FAQページ」方式には、次のような弱点も あります。

      • 更新が面倒で、時間がかかる

      • Q&A数が少ないと、知りたいことが載ってない。反面、

      • Q&A数が多いと、探しにくい

    • そこで出てきたのが「動的FAQページ」方式。つまり、 ナレッジ・ベースをホームページのバックエンドにおき、それを 検索ソフトで、お客さんに探してもらう方式です。

    • それを推奨しているのが、たとえば当分野でベテランの、 ネットワーク・アソシエイツ社のビル・ルートビッツ技術支援 担当取締役です。下記の座談会の第二発言をご覧ください。

    • ということで背景説明が長くて恐縮でしたが、お待ちかねの 事例です。さっそく検索などしてみてください。

    • さらに次の文献を見ますと。。。

      動的FAQページの成功のキーが分かります。たとえば

      • プロモーション    (電話に慣れきった顧客の習慣を絶つ)

      • サイト・パフォーマンス(動かなければ逆効果)

      • ページ設計      (使いにくければ逆効果)

      • コンテント更新    (新製品投入時にはとくに注意)

      • コンテント編集体制  (分かりやすい文書作り)

      • フォーラムとの連携  (下記[3.3.14]を参照)

      • 満足度などの計測   (上記[3.3.7]と同様)

    • 上記11社の事例は、たまたま主に消費者向けの事例でしたが、 本来、この手の「自己解決型」サービスは、法人向けのサービスで こそ伸びると思います。たとえば

      同社は、ディーラー向けエクストラネットで、次のサービスを提供して います。

      • 発注パーツの納期照会

      • 技術文書の取り寄せ

      • ニューズレターの購読 などなど

      エクストラネットなら、機密情報を流しても安全ですから、 ディーラーとの一体感を増すにも好都合。だから上記の記事 にもあるように、

      • この手のシステムの企画を発案するのは、CIOでは なく、マーケティング部門であり、

      • 全体としては「3年で30倍」くらいに伸びると 言われています(米ヤンキグループの調査数字)

    [3.3.13] 成功鉄則(12): 効率的なメール処理

    • しかし、その「FAQページ」に知りたいことが載ってなければ、 お客さんは電話やメールで質問してきます。そして、

      によれば、いま米国では、メールが激増中とのこと。

    • メールによる質問は、後述[3.4]の「定性的市場調査」の素に もなるわけですから、大助かりなんですが、しかし問題は、 その件数が激増し、当方の処理能力を超えてしまったとき。 そういうときに限って、つい応対にしくじったりして、お 客さんから嫌われてしまいます。したがって、

      は、こんな指針を出しました。

        (1) 受信窓口を細分化し(例えば部門毎・製品毎に)、それ をFAQページ上で、お客さんに選んでもらう。

        (2) 最悪の事態に備えた「緊急時の手順」を作っておく

      これは、まぁ基本中の基本ですが、進んだソフトを使えば、 もっと進んだこともできます。

        (3) 自動配信・返信ソフトを使い、受けたメールを適切な 担当者に配信した瞬間、お客さんには、「しかるべき人間 に配信しました」と自動で返信する

        (4) 受信メールの内容を、キーワード分解&類義語展開して、 回答に必要な電子文書を、レップの手元に自動配信してくれる ソフト。これも

        で活用されているのと同種の、言語密着型ソフトです。 面白いですね。なるほど「KMのキーは言語である」と ダベンポート氏らが言われるのも、頷けます。

      また、「ソフトの話」もさることながら「コンテント維持管理」の観点からは、 地味ながら、次が最も効果があるでしょう。

        (5) メールで交換した新規Q&Aを、 上記[3.3.12]の「動的FAQページ」に反映させる

      なおステルネ氏は、「マーケティング&サービスへのインターネット活用」の キーマンのお一人。96年出版の

      は、98年秋になっても、当分野専門のコンファレンスで平積みで売られて いたほどの名著ですし(ぜひご一読を)、

      • インターネット・ワールドなどでのご講演

      • 米『CIO』誌へのご寄稿など

      で広くご活躍です。注目しましょう。

    [3.3.15] 成功鉄則(14): 上手なアウトソーシング

    • ということで以上、[3.3.12]から[3.3.14]まで、自社サポート 部門「以外の」人たちに顧客サポートをしてもらう手法を 述べてきました。その路線の極北は、ご存知、アウトソーシング です。ではこの世界には、どんな事例や経験則があるのでしょうか。

    • リソース・インタナショナル社のニールズ・クレジャラップ氏の所見

      • コストダウンだけが理由の安直なアウトソーシングを 戒めています。市場からのフィードバックがなくなれば、 自社の製品・体制を改良するのが難しくなり、競争力が 低くなるからです。

      • またアウトソーシングする前に、顧客接点プロセス全体 を描き、そのうち単なる自動化で得するところ(の候補が 3つあげられています)、損するところを見極めよ、と説き ます。

    [3.3.16] 成功鉄則(15): プロジェクト体制(の枢軸とは)

    • では以上のような「14個の成功鉄則」を実行・実装するのは、 いったい「誰」なんでしょうか。当然ながら、コールセンター部長 が「一人」でやれるわけはありません。

      まず初歩的な話からしますと、まずは次のような「リーダー構成図」 が必要です。

        (1) コールセンター部長

        • 下記(2)(3)に、出動をお願いし、
        • 自らはプロジェクト・リーダーとして責任を負いつつ、
        • 部下のトップ・パフォーマーをフルタイムで巻き込む

        (2) マーケ担当重役

        • このプロジェクトのスポンサーを務める
        • このプロジェクトが会社にとって大きなプラスとなる ことを、顧客、社長&CFO、ほか社内に伝える

        (3) CIO(情報戦略担当重役)

        • このプロジェクトのサブリーダーを務める。
        • 部下のトップ・パフォーマーを、2人は巻き込み、
        • 一人には、フルタイムで事務局にアサインし、(1) に直属レポートさせ、
        • もう一人には、フルタイムで技術検討をしてもらう

        (4) コンサルタント

        • 上記(1)(2)(3)が果たすべき「役割モデル」を念頭に、
        • プロジェクト全体が良い方向に向かっているかどうか を常に気にして、場合によって助言する

      この手の構成図を誰かが作って、かつ全員で共有すること。 ここまでは、衆知の基本だと思います。

      以上の基本図式を念頭に、話をステップアップいたしますと、 この平凡な「リーダー構成」から非凡な成果を引き出す秘訣 は何でしょうか

      によれば、その秘訣とは(2)(3)の「同盟関係」のようです。 これは

      • 各人が各人の役割を粛々と演じる「役割分担」関係

      というより、もっとディープで、

      • 両者が、お互い

        • マーケの分かるCIOになりたい

        • ITの分かるマーケ担当重役になりたい

        という自他の野心を認め合い、「そのためには何でもやるよ」と 協力を誓いあう「同盟」関係に達したもの。

      日本流に「握り」と言ってしまうと、ナマ臭いですが、それだけに かえって?、上記ヒンマン博士のご洞察には、ある種の真実が含まれて いる、と思います。

[3.4] 定性的市場調査 (KM/QMR)

注)QMR = Qualitative Market(ing) Research

    [3.4.1] なぜKM/QMRが重要か

    一般に市場調査というと、定量的に行うのが「常識」なのであり、 確かにそれは最終的にはその通りだと思います。当分野で 定番の、

    を瞥見しても、そのことは分かります。

    では何故、KM/QMR(定性的市場調査 Qualitative Market(ing) Research)が 必要なのでしょうか? 答えを先に言うと、定量調査を行う前に、 定性調査を行った方が、良い分析ができるからなのです。

    • 米ピッツバーグ大学のヨーゲス・マルホトラ博士の答

      • 博士の答は「仮説を作るのに必要だから」というもの

        • 重要なご指摘ですね。なぜなら通常(というか本来は)、 市場調査のステップは、次のようになり、定量調査で下工程(3)を やる「前」に、定性調査で(1)をやる必要があるからです。

            (1) 定性調査で「仮説構成体 construct」を「構築」

            • 例)竹下氏が幸せなら、小渕氏も幸せだ

                (概念と概念の関係)

            (2) それを操作化(概念を変数に置き換えること) して「仮説」を「構築」する

            • 例)竹下氏の富が増せば、小渕氏の富も増す

                (変数と変数の関係)

            (3) その「仮説」を定量調査で「検証」する

        • ところで、いま必要なのは、昔の大学生の統計演習よろしく「 人の作った仮説、分かりきった仮説を右から左へ検証すること」 ではなく「検証に値する、斬新な仮説を自分で創造すること」だ と思います。

        • すると今後は、上記(1)(2)のステップ、とくに(1)の比重が高まり、 つまり「概念と概念の関係」を発見する必要が高まり、かくして今日、 定性調査への関心が高まった、というわけです。

        • ただし「斬新な仮説」を本当に創造するには「過去の 定番仮説」について勉強していないと話になりません。 その勉強を怠って定性調査に逃げる人間は、当然、 インチキ・マーケッターの類ですね(笑)。

    • 米オピニオン・ダイナミクス社の答(×リンク切れです)

      • 上記(1)の「仮説を作る工程」に役立つから

      • アンケートの設計に役立つから

      • 全体観を得られるから

    • 米グローバル・コンセプト社の答

      • 定性調査を先に行わないと、定量情報のどこが大事なのか 分からないから、とのこと。

    • 豪クオリテイティブ・ソルーション&リサーチ社の答

      • 調査の世界では、選択式の設問より、フリーコメント式の 設問の方が、ずっと興味深い答えが得られるから、とのこと。

        したがって同社は、リサーチャーたちが新しい現象、新しいプロセスを 理解するには、観察・インタビュー・文書解析などの定性調査手法が向く、 としています。

    [3.4.2] 定性的市場調査(KM/QMR)の向く分野

    • 米 QRCA の「定性調査FAQ」ページより

      • このページは次の2点は優れていますが。。。

        • 2章「定性調査の向く分野」

        • 3章「定性調査の限界」

        それ以外は、良くないです。というのも、このFAQ自体、 定性調査「全般」ではなく、本来、その一部にすぎないグルインに 偏っているからです。

    [3.4.3] 定性的市場調査(KM/QMR)の典型事例

    • 定性調査に限らず、市場調査は、かなりの部分が社外の プロに任されますから、ここでも、そういう調査会社の サービス提供事例をとりあげます。

    • 我が国では、社会調査研究所(新社名「インテージ」)の 次の手法が「定性的データを定量的に処理した手法」として 知られています。

      なお上記の「定性的データ」というのは一般に当分野で「質的データ」と 呼ばれ、れわれ素人が言う「テキスト型の定性情報」と「ゴリゴリ 計算対象となる定量情報」の中間にあたります。次のページを参照してください。

    • 米新興調査会社、ロードストーン社の事例(リンク切れです)

      • 同社の手法は、おおむね定番的ですが、2点、 特記します。

      • グループ・インタビュー(グルイン)の成果物を、 動画+テキストの形で、全面デジタル化している

        • だから画面から、特定テキストを検索できるし、 かつ該当部分の動画から、参加者の表情・口調 も確認できる。これはかなり有効です。グルイ ンでは、口達者な人が一人いると、他の人は、 不満な顔をするだけで、黙ってしまいがち。こ れを機械的にテープ起こししたレポートだけを 読むと、解釈が歪んでしまうので、この歪みを 補正するため、口数の少ない参加者の表情を しっかり見る必要があります。

      • 外部諮問委員会という手法があること

        • これは日本の役所が得意?な「審議会」と同様、

          • グルインを長期シリーズ化したもの。

          • 少数の識者を「委員」に任じて、何度か 審議を行い、その議事録を調査会社が作り、 その議事録を元に、各委員が報告書を分担 執筆し、それに調査会社がサマリーを付け、 製本し、クライアントに納品します。

        • 私も民間分野で、この手の「委員」になった経験が ありますが、人選が正しければ、「調査とファン作り」の 一石二鳥を狙える、優れた(というか巧妙な)手法だな、 と思いました。

    • 米大手調査会社、NPDグループ社の事例(リンク切れです)

      • 彼らの調査手法「クリアビュー」の紹介。これも典型的。

        • 定量調査と定性調査の良いところ取りをしている
        • 定性調査の成果物は、検索ソフトで自由に検索できる
        • 定量調査は、CATI 技術(Computer Assisted Telephone Interviewing) により、速く、安く実行

      • ちなみに同社は、創業約50年。これまでもPOS情報 の監査手法など、各時代で、新手法を開発してきた由緒 正しい会社でありながら、なかなか先進的で、最近も、 ウエッブ来訪者の追跡手法として著名な「PC METER」を 共同開発した会社でもあります。国際展開にも前向きで、 日本では社会調査研究所と提携してます。

    [3.4.4] グルイン&アンケートの電子化とその事例

    • NPDグループ社の事例(リンク切れです)

      • インターネットを、コンセプト・テストや、ユーザー 行動の分析に活用

      • この手法の長所は、次の通りです。

        • 上記マルホトラ教授の強調 する「斬新な仮説の創造」に向く。なぜなら

          • いままでと違い、短期間で多人数から意見 聞けるので、いわば正規分布の両端に位置 するような「非凡な少数意見」を得やすい

          • 先進消費者層をパネル化しやすい

        • パネルの意見が電子テキストで入ってくるから、 出来上がりも「安くて速い」。

    • 松下電器系列のハイホー・マーケティング・サービス社の事例(邦文)

    • 日本リサーチセンターの事例(邦文)

      • オンライン調査の作業フロー図が分かりやすいです。

      • なお同社は、「数あるマーケットリサーチ会社の中で もたいへん評価が高い」のだそうです。(98年8月の リクルートリサーチの萩原雅之氏によるご投稿[survey:01288])

    • 日産自動車の事例(邦文)

      • 若い男性消費者向けのオンライン調査の典型事例と思います。 同社、デジタルコミュニケーション事業室、池澤健治氏の講演録より。

      • 上から8段落目の「プリメーラ購買要因調査」がグッド。 ウエッブのマルチメディア機能を駆使し、工場の現場、 工場の人たちの紹介も行いながら、製品の利点を効果的 に訴求した直後、「では、この訴求ポイントは、あなた の重要購買要因ですか?」と聞いています。

      • それ以外にも、同社のウエッブ活用術には参考になる点が たくさんあります。たいへん優れた講演(録)です。

    • 資生堂の事例(邦文)

      • 若い女性向けの典型事例がこれ。同社、社長室の山崎直実氏の 講演録より。

      • 同社は、インターネット以前から、先進的なオンライン調査を していましたが、インターネット以後、ますます先へ進んだ ようです。

      • とくにインターネットの出現で、その進化は質的「飛躍」 をとげた、とのこと(上から7段落目)。これも、たいへん優れた講演(録)です。

    • 米グループプラス社の所見(邦文)

      • これは上記数件の文献と異なり、オンライン調査の「欠点」を 述べています。その「欠点」は7つあげられていますが、その 大半は「なるほど」と思える良い指摘です。

      • なお当文献の著者は、後出の Sage 社から著書も出している、 身元の確かな人です。

    • 米大手調査会社、ロックブリッジ社のペーパー

      • とても簡単ですが、オンライン・サーベイの「コツ」が書いてあります。

    • 伊ミラン大学・博士課程のルチアーノ・パッカグネラ氏の論文(リンク切れです)

      • この文献は、かなり難解です。

        • 学者候補が学者のために書いた学術報告である

        • 米国流の論理実証主義へアンチテーゼを出す、 という難題に取り組んでいる(こと自体は偉大 なのですが、その分、読む方も本腰いれないと・・・)

        したがって一般の方々には、お勧めしません。しかし、次の点で、 プロの調査パーソンの皆さまには、役に立つものと愚考いたします。

        • オンライン・コミュニティでグルインをやるときの 注意点が書いてある

      • なお当文献は、イスラエル・ヘブライ大学刊『Journal of Computer-Mediated Communication』誌1997年6月号に所収。 『同誌』の最新号の目次を見ると、なんだかKM研究者には 必読っぽい文献が並んでますね。気になる方は、どうぞ。

    [3.4.5] KJ法上流の電子化とその事例

    • これは、KJ法のステップのうち、(2)を電子化しましょう、 というもの。ここが成果物の質を左右することに、皆が 気づきはじめました。[3.6.5]で後出の Xマッピング法も、狭義には(3)以降で使う手法ですが、 これにしても(2)が正しく行われていないと、精度が下がって しまいます。

        (1) できるだけ多くの情報をまず出して

          (これはブレストなどで各社できてるはず)

        (2) 似たもの同士を近くに寄せ、若干個のクラスタを作り、

          (これが「集約」。ここが下工程を左右します)

        (3) 各クラスタに短い「見出し」を付けて、

          (これが世に言う「概念化」あるいは「要約」)

        (4) クラスタどうしを「線」でリンクして

          (ハイパーテキストの発想ですね)

        (5) 全体像を見渡した上で、

        (6) 研究者は論文を書き、経営者は意思決定する

    • 独ブレーメン大学・上級研究員のウドウ・ケーレ氏の論文

      • 当文献では、「2.1」章の「異なる文書間の類似・相違・ 関係」という件が重要です。ここが、上記のステップ(2) に相当し、また、この「類似・相違」を数字で示して くれるソフトが、日本では、次のものになります。

      • なお同氏は、英 Sage 社から

        を出しておられますが、この出版社はKM/QMRに関する本を 200冊以上も出していることで有名です。

      • また『同書』のタイトルにちなみ、 CAQDAS という全英的な研究 プロジェクトも始まりました。英国経済社会評議会からの予算も つき、けっこう活動も盛んのようです。

      • この団体の文献リストとリンク集も、興味深いので、 やや研究者向けですが、掲げておきます。

        これを見ると、欧米では、もう80年代前半に、定性調査へのコンピュータ 活用について、研究発表がなされていることが分かります。日本の学会の 皆さまも、負けないよう、頑張りましょう

    [3.4.6] エセ「KM&定性調査の専門家」に聞くべき質問

    • 米国ではKMがブームになるにつれ、一知半解の輩が「KM 専門家」を自称して、ヘンなものを売り込みに来はじめたそ うです。日本の調査業界には誠実な方が多いのですが、しか しレイヤーを一段あげて、調査業界を含むマーケティング業 界「全体」を見ますと、

      • 口八丁・手八丁のマーケッター(キャッチフレーズ 作りは大好きだが、よくクライアントに大損させる)

      もたくさんいますから、用心しましょう。イ・アイ・イに騙 された長銀を、われわれは笑えません。インチキ極まる著名 マーケッターに騙された大企業は、私の知るハイテク業界だ けでも、たくさんあります。

      恐いですね。彼らにとりつかれたら、会社はおしまいです。 長銀みたいにならぬよう、しっかり用心してください。

      いや、むしろ「用心」など通り越して「能動的に疑う」べき です。もちろん「疑うこと」は恥ではありません、ベーコン さんやデカルトさんが昔から言っているように、科学的発見の 基礎であり、ということは、人類の存立基盤ですらあります。

    • ということで彼らの真贋を見分けるには、次の「質問リスト」 が便利です。いずれも博士号試験の問題。

[3.5] 定量情報からの法則発見(KM/KDD)

注)KDD = Knowledge Discovery and Datamining

    [3.5.1] KDD入門

    • 米『DBMS』誌所載のエステル・ブランド氏らの論文l

      • データマイニングの使命とは何か。それは仮説の「構築」 である、ということがよく分かります。従来の統計ソフトや DBソフトの使命が仮説の「検証」にあるのと対称的です。 上記[3.4.1]のマルホトラ教授とも 通じる所見です。

      • 「統計の素養はあるけれど、データマイニングは初心者 な人」向けの論文としては、たいへん分かりやすいです。

    • 米サンタフェ研究所のカート・セアリング博士のスライド。

    • (×)米レンセラー工科大学のデータマイニングFAQ

    • さて、これらの文献を読むには、理数系の素養があると、たいへん有利です。 理数系の人は、他の人の分まで頑張ってください。たとえば

      • 統計手法の使用経験

        • カイ自乗検定をはじめ適合性検定を使った経験
        • クラスタ分析を使った経験
        • 主成分分析を使った経験

      • シミュレーションの実行経験

        • 自分でモデルを Formulate ===> Build ===> Calibrate ===> Execute し、出た結果を自分で解釈し、誰かを 説得した経験

      • 探索型のアルゴリズムの知識・経験

        • たとえば「バイナリー・サーチ」を使った経験
        • できれば「Genetic Algorithm」を使った経験

      この程度の素養があれば、KDDの分野で未知の事項が出てきても、 応用力と度胸で何とかなります。たとえばニューラルネットで言う「 中間項」とは「主成分のことである!」と大胆に解釈して先へ進んでも、 実用上は大して困りません。むしろ、大正解なくらいです。

    • 一方、、こうした素養のない法文系マネージャーの皆さまも、 近所に「課題と教師」が発見できれば、何とかなります。つまり、

      • 面白そうな具体的課題を論じた応用文献を見つけて、

      • 近くの達人(の定義は後で述べますが)に、「コレを 僕にも分かるよう、要領よく教えてよ」と頼み、

      • その説明が分からないときは、いかにも「分からん」 という顔をしてみる。

      • すると、その達人は、あなたにも分かるような説明を、 その場で編み出してくれます。

      つまり真の達人とは「相手の程度に応じて説明の難易度を 自由に調節できる人」なのであり、彼らには、こんな能力が あります。

      • 抜群の記憶力と言語表現力、比喩活用能力

      • 説明の厳密性と理解容易性との間のトレードオフを、 瞬時に決められる意思決定能力(と度胸)

      というわけで法文系のマネージャーの皆さまも、次の3つの 能力があれば、この分野でも、何とかやっていけます。

      • 自分が心から「面白い」と思える応用課題を探す能力

      • 真の達人を見分け、心服させる能力

      • 自分の理解度を正直に表情に出す能力

    [3.5.2] KM/KDDの典型事例

    • この分野は幸い、いい事例レポートが多いのですが、KM/KDD 初心者の皆さまは、それらを渉猟される前に、まずは若干個の典型 事例を精読し、基本パターンを掴みましょう。

    • ということで、まず2例、基本パターンを示します。いずれも「 ターゲット顧客の選別」をデータマイニングでやった事例です。 伝統的なクラスタ分析の経験がある方は、それを思い出しながら お読みになってください。