[ 4] 【事前注意】必要なのは、適度な「懐疑の精神」です
おそらく今後は日本でも、People Management は、多くの人々の関心を集め、
また KM/CRM を成功に導く一助にもなるでしょう。
しかし用心しなければなりません。[2][3]からお分かりのように、
当分野は「トンデモな人たち」が集まりやすい危険地帯です。
たとえば
自分の言説に責任をとることなく今なお論壇に居座っている人本主義者や、
善意に満ちつつ Conformism の害毒を流す人的交流万歳論者たち。
したがって当分野では他の分野より、ベーコン&デカルト流の「懐疑の精神」の
必要性が高いはず。
ご存知のように、日本人はここが弱いから心配ですね。google によれば
日本は、義務教育だけで9年もかけて理科や数学を全国民に教育しているのに、
結果は良くありません。
国語教師が情緒的な小説をたくさん読ませたり、
テレビ局が情緒的なドラマをたくさん流したり、
それらのトレンディドラマの情緒的脚本家が天才プログラマーより広告マンを主人公にしたり、
しているから、でしょうか?
用心したいものです。すでに我々の周囲は、非合理と幻想で満ちあふれていますが、
日本には、それを禁圧する法律はおろか宗教戒律すらありません。そんな日本に
People Management がドーンと入ってきた日には、一体どうなってしまうのか。
ちょっと心配です。何せ次のような証拠があるからです。
- 「懐疑の精神」が足りないから、バブル期に
興銀の頭取は、インチキ臭い料亭の女将に騙され、
何百億もの損害を会社にかけました。
- 「懐疑の精神」が足りないから、バブル期に
長銀の頭取は、インチキ臭い不動産屋に騙され、
何百億もの損害を会社にかけました。
- 「懐疑の精神」が足りないから、バブル期に
多くの一般人たちは、インチキ臭い保険会社や証券会社に騙され、
多大な損害を会社や自分にかけました。
- 「懐疑の精神」が足りないから、バブル期に
多くの本社スタッフたちは、インチキ臭い人本主義に騙され、
昨年や今年、多大な損害を会社にかけました。
これらは「過去の話」でしょうか? もし「原因が同じ」ならば、「結果も同じ」はずですから、
これらの詐欺劇は、100% の確率で、何度も何度も
再現されるはずです。
逆に「結果を変えたい」ならば、「原因を変える」べきなんですから、
今度こそベーコン&デカルト流の「懐疑の精神」を、全ての日本人の頭の中に、
じっくりと注入しなければなりません。
一方、懐疑主義という良薬にも副作用はあります。第1に、
極端な懐疑主義は「この世に正しいものは何もない」という不可知論的ニヒリズムに化しやすい。
これで無数の「小さな善」の芽が摘み取られると、
意図せざる結果としてポカッと「大きな悪」の独走を許してしまいかねません。
偉大なニーチェがファシストの道を掃き清めたように、です。
第2に極端な懐疑主義は、あまり実用的じゃありません。なぜなら
「全ての人を、常時かつ最大限に疑う」と、けっこう時間がとられて、
仕事や生活がはかどらなくなってしまいます(笑)。
したがって「懐疑主義のエンジン」は常に「実用主義のブレーキ」と併用し、
前者の強弱は後者で調整するというバランスが大切ですね。もちろん「ここぞ」
というときにはエンジン全開で苛烈に疑うべきであって、要は、こうした「自在な強弱調節機能」付き
の「適度な懐疑主義」こそ、People Management を学ぶには必須の「先行」要件だと
私は思います。
[ 5] ASTD の主要論点 = = eLearning, eChange, eMeasurement
ということで今回は、People Management 連載特集の冒頭なもんですから、
ちょっと私も居住まいを正しまして、大事な【事前注意】を、上記[2][3][4]で
書かせていただきました。
そのキーワードは「懐疑の精神」です。今後も皆さん、どっかの誰かが
愛想良く「People Management が大事です」と言ってスリ寄ってきたら、
こっそりご自分の「懐疑の精神」に弾を詰めてください。
では以上で「注意事項」が終わりましたので、晴れて以下、本題に入ります。
まず ASTD は、People Management をどう論点分割しているのか。
。
今大会のセッション一覧から察するに、ほぼ次の通りですが、
とくに KM/CRM に直結しそうなのは、★印の 1)だと思います。
- 1) 組織問題★:
- 1A) eLearning (下からの People 改革)→ 2)
- 1B) eChange Leadership (上からの People 改革)
- 1C) eMeasurement (その改革への定量評価)
- 2) 個人問題: Critical Thinking や EQ など 新 Competency 開発
- 3) 専門家問題: 人事部や人事コンサルの新たな役割 →1)
[ 6] KM/CRM に必須の eLearning。事例は語る。
ということで、KM/CRM に直結しそうな、1A)〜1C)。
いずれも重要ですが、本号以下3号では 1A)の eLearning をとりあげます。
現に、これは、KM/CRM の分野で、成功すれば成果も大きいことが
よく知られています。たとえば: