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 皆さま、こんにちは。初めての方、はじめまして。発行人の太田です。

 いま当ニューズレターでは「CRMを加速するコーポレート・ポータル」 について連載しているわけですが、本号は、思うところあり、それを一時 停止して、次のテーマを論じてみたいと思います。

 「CRMは、一時的ブームで終わるか?」


[ 1] 「CRMブームもそろそろ下火」???

 といいますのも昨今、次のような文章を見たからです。


    >  最近、○○新聞の記者が、「CRMブームもそろ
    > そろ終わり・・・」といったコメントを付けはじめた。
    > 私としては、4,5年前に流行ったBPR(ビジネス・
    > プロセス・リエンジニアリング」と同じように、
    > 本質が理解される前に風化してしまうのではないか、
    > という不安を持たざるを得ない。

       (Weekly Matsuoty45 2000/10/22)

 私はここ数年、CRMに関しては、日本語の新聞や雑誌を、ほとんど 読んでませんので、この記事を見て「ほほー、国内の情勢はそうなって おるのか。勉強になるのう。わはははは」と思ってしまいました。(^^)


[ 2] 米国では事情が「逆」のようですね

 米国では事情が逆のようです。

にCRMが「重要研究テーマ」として登場したのは、本年の3月。 まだまだ「新テーマ」なんだと思って、間違いないでしょう。

 さらに次のページを見ると、『同誌』 がCRMについての記事を、 本年8月以降、急増させていることが分かります。それほど「下火」とは言えませんね。

 さらに、CRM関連のイベントは、どうか?

一目瞭然です。10月も11月も12月も、来年も、たいへん多くの関連イベントが予定されており、 やはり「下火」とは言えませんね。


    >  最近、○○新聞の記者が、「CRMブームもそろ
    > そろ終わり・・・」といったコメントを付けはじめた。

とのことですが、それは、この記者さんの勉強量が足りないだけで、 本件は、CRMの問題ではなく、その記者さん個人の問題だったんです。

 この記者さんは日々の業務でお忙しくて、勉強する時間があまり なかったんでしょうね。これはこれで気の毒なことです。

 しかし、だからと言 って、そんな素人さんの発言をいちいち 聞いていたら、こっちの頭まで おかしくなってしまいますね。 用心しましょう。


[ 3] CRMを「必要とする理由」「可能にする理由」は消えるか?

 ということで以上、日米の「現象」面を一瞥し、その「相違」を確認 してみましたが、 もう少し「本質」に遡ってみましょう。こういう場合は、CRMを「必要とする理由」 「可能にする理由」の2面で考えれば、すぐ答えが出ます。

  • 世の企業から、マーケティング業務、セールス業務、 サービス業務が「消える」ことは、ありません。

  • したがって、当ニューズレター「No.23」で指摘した、 それら3部門を「統合」する必要が「消える」こともありません。

  • したがって「CRMを必要とする理由」が「消える」ことも、ありません。

  • 一方、「CRMを可能にする理由」のうち、

    • 技術的な理由は、今後、どんどん増えてゆくでしょうから「消える」ことは、 ないでしょう。

    • 政治的な理由が増えるかどうかは、よく分かりません。それは当事者 双方の次の2要因に依存するでしょうね。
      • 政治力
      • 主張の正しさ(論理的整合性、経験的妥当性、有効性etc)

 このようにCRMを「必要とする理由」「可能にする理由」の2面で 考えれば、どこから見ても、結論は次のようになりますね:

「CRMは、一時的ブームで終わらない」

では何故、世の新聞は、次のようなことを、言うんでしょうか?


    >  最近、○○新聞の記者が、「CRMブームもそろ
    > そろ終わり・・・」といったコメントを付けはじめた。


[ 4] 日本名物!? 「ニワカ専門家さん」と「反骨屋さん」

 それは世の中に「反骨屋さん」という職業があるからです。

 たとえばSCM(サプライチェーン・マネジメント)が流行ってたと きも、 そうでした。

 当時、SCM分野では、線形計画法や遺伝アルゴリズムの素養すらない 「ニワカ専門家さん」たちが、用語の定義もおろそかに、自己流のことを 言いまくってましたし、中には「本」まで書いている人がいたのです から驚きです。( 今岡善次郎さんは数少ない例外でしたが)

 だから勢い「反骨屋さん」も現れます。いわく「こんなのは一時の流行だ。 コンピュータ屋やカタカナ・コンサル会社に騙されるな!」。

 こう言われると、何だかホッとしますよね。そうかー、悪いのは僕じゃなくて、 コンピュータ業界の連中なんだー、こんな勉強しなくてすむ のかー、 と安心できてしまう。

 だから「反骨屋」というのは、常に人気があります。それも勉強嫌いな 人たちに、すごく人気があります。

 しかし皆さん、よく目を開いて、その反骨論者を分析してみましょう。 彼らもまた、ブームに乗って吹きまくるニワカ専門家と同じくらい、 やっぱり無知なのです。彼らは「知識水準」で勝負してません。「オレは 世に流されないんだぞ」という「ポーズ」が唯一の武器なんです。

 彼らは知力で勝負する真の知識階級ではなく、ポーズで勝負するモデル さんの仲間なんですね(と言っては本職のモデルさんに失礼かな?)


[ 5] 過去の「一時的流行」の結果を想起してみましょう

 およそ45年前、企業が給与計算を人手でやっていた頃、まさにメインフレーム は「一時的流行」のはずでした。それを動かすコンピュータ 言語の「コボル」も、 人的組織の「EDP室」も、一時的流行のはずでした。

 また25年前に生まれたパソコンも、当時は「一時的流行」のはずでした。

 それらは、いつ消滅したんでしょうか。消滅したら、人類は大混乱ですね。 請求書は出なくなり、入金確認は行われず、航空券は予約できず、 貨物は運べず、船の手配はできず、工場のラインは止まります。

この壮大なインフラの、一体、どこが「一時的流行」なんでしょうか。

 システム開発技法も、同じことですね。構造化プログラミングに構造化分析、 データフロー図にエンティティ・リレーション図、SQLに4GL、 ビジュアル言語にオブジェクト指向。

 これらはみな「一時的流行」として、世の反骨屋から冷水を浴びたもの ばかりです。それでも結果はご覧の通り。

 反骨屋がいくら吠えても、歴史は無慈悲に「進む」のです。

 もちろん情報システムの世界には「一時的流行」で終わったものも、 たくさんあります。たとえば「ペン入力コンピュータ」がそうです。 また 米マイクロソフト社の製品では「ボブ」や「アット・ワーク」も、 そうでした。

 だから反骨屋だって、ときには(偶然に)正解を当てられて、 商売に なる。だからこそ「勉強を怠けても人気者になれる」と 勘違いした人たち は、どんどん反骨屋になるわけです。


[ 6] 反骨屋に騙されずに未来を読む「3つの方法」

 では皆さん、一時的流行に終わるものと、終わらずに社会インフラに なるものとを見分ける方法とは何でしょうか。大きく3つあります。

  • (1) 上記[2]のように海外の信頼できる情報源を見る

  • (2) 上記[3]のように「CRMを必要する理由」 「CRMを可能にする理由」が増えてるか減ってるかを見る

  • (3) そのテーマに関する「教育の制度化」が進むかどうかを見る

 このうち(3)についてはニュートン力学が良い例です。なぜニュートン力学 は「パラダイム」になれたのか。ニュートンさんが偉かったからでしょうか? また その理論が正しかったからでしょうか? たしかにそれは、その通りでした。

 あるいは戦争に勝つため、大きな構造物を建てるため、ニュートン力 学を 皆が「必要としていたから」でしょうか?(理由(2))、たしかに それも、 その通りでした。


[ 7] 大事なのは「教育制度」の「総体」である

 しかし長期的な成功要因は、(3)の「教育制度」でした。

 トマス・クーンさんの『科学革命の構造』によれば、その教育制度は、 多くの要素からなります。ニュートン力学を教えてメシを食う人、 それを教えてもらう生徒の集団、彼らを導くための教科書やカリキュラム、 彼らを集める学校、その学校を卒業することで得られる免状、 その免状を信じて卒業生を雇う企業や軍隊、 そこで活躍する卒業生、彼らと在校 生の交流。

 これら総体こそが、ニュートン力学を、史上最強のパラダイムへと育 てたのでした。

 そしてこの間、ニュートン力学は、パラダイムとして、立派に「4つ の役割」を果たしました。

  • 無数の教員のメシの種となり、

  • 免状を介した能力評価基準となり、

  • 人類の知的向上にも貢献し、

  • その結果、当然ながら「不勉強な反骨屋」の息の根は止まりました

 一方、ルーズソックスや、タマゴッチは、どうでしょうか。マイクロソフト社の ボブや、アットワークは、どうだったんでしょうか。それら はまったく、 上記のような「教育産業」の勃興を伴いませんでした。

 逆にいいますと、こうした「教育産業」を勃興させ、上記の「4つの役割」を 果たすのであれば、愚かな反骨屋が何を言おうと、それは「一 時的な流行」で 終わらず「パラダイム」と化します。

 それは歴史が証明しています。歴史から学んでいる者だけが、未来を読めるのです。

 たとえばコンピュータ業界ですとSAPです。彼らは長年、ドイツの 諸大学に、 自らの「R/3」を教科の1つとするよう、働きかけてきま した。その慧眼には 恐れ入りますね。ノベル、マイクロソフト、ロー タスらの「○○技術者認定制度」も、 そのミニチュア版です。


[ 8] 結論: CRMでも大事なのは「教育制度」の「総体」である

 CRMも同じこと。

    結論: CRMが一時的な流行で終わるか否かは、本件に関する 持続的な 教育制度ができるか否かで決まる」

と私は思いますが、皆さま、いかがお感じでしょうか???

 (ということで本論は以上で終わり、以下、恒例の「後記」です)


[後記1] クラス増設! 日経主催「KM&CRM1日集中コース」

 上記の「教育制度」とまではいきませんが、 私も昨年から 「KM&CRM1日集中コース」というのを持続的にやってます。

  前回の「号外」で述べましたように、 当コースは今秋、日経新聞社の全面的なバックアップの下、行われるわけですが、 幸いにして好評を博し、11/16日のクラスは、先週金曜日に「満席」となり、 今週月曜、次の「追加クラス」が増設されました:

  • A)2000年12月16日(土) 9:30〜18:00

  • B)2000年12月17日(日) 9:30〜18:00

今回は「週末」に行いますので、日々の業務がご多忙で「平日は休めないんだよな」 という皆さまでも、ご出席いただけます。(^^)

 なお当コースの

 CRMを「必要とする理由」をお持ちの方は、ぜひ上記関連ページを、ご一読ください。

 ただ現在、クラス(A)は「残席3」となりました。ご出席をご検討の 皆さまは、 できるだけクラス(B)をお選びくださいませ。日曜日に勉強するのも、またオツな ものでしょう?


[後記2] ソフトバンク、ビーコンITのクラスも、ご受講大歓迎

 以上の「1日コース」は「上級者限定」の少人数コースですが、もちろん、 それ以外の方々へのコースも、ございます。


[後記3] ビジネスモデル学会「KM研究会」座長になりました

 すでに東大の松島克守先生(元PWC常務)からご案内ずみかもしれま せんが、 先月、同先生の肝いりで、ビジネスモデル学会 が設立されました。

  当学会は、

  • オンライン中心に運営しますので、メーリング・リスト形式で、 お気軽にご参加いただけます。

    (すでに他の学会とか、日々の業務でご多忙な方々には、本当に大助かりですね!)

  • しかし、その延長線上には、学会誌への投稿などの道も開かれており、 そこが世の「単なるML」とは違います。

  • 強力な創立ビジョンを持ち

      「産業界、学界、政策立案分野、メディア等の分野で専門家 としてご活躍の方々の、知のコミュニティー」を目指す

  • かつ強力な役員陣がそれを支えます。
    • 研究理事はKBSの國領先生、企画理事はコンサル業界から重鎮2人、 一橋Bスクールから1人

  そして当学会で私は、光栄にも「ナレッジ・マネジメント研究会」で「座長」という大任を拝命することになりました。

 その正式発足は、11月15日。それまでは「告知期間」ですから、ナレッ ジ・マネジメントに 関係ある皆さんは、

  • どんどんお入りになってください

  • あるいは周囲へご加入をお勧めください。

  私も、やる気満々で、本研究会の座長に就任いたしました。

  年会費も、たったの4千円で、かつ年内は「無料」。良心的でしょう?


[後記4] 日経サイト「ネット時評−Digital Byline」に寄稿開始!

 皆さんは、日経のサイトに「IT ニューズ」 というコーナーがあるのは、ご存知と思いますが、先月末、 そこに「ネット時評−Digital Byline」という新コーナーができました。

  今週、寄稿したのは次の4人で、私も本日、登場しました。

 私は別としまして、執筆陣は、 スゴイ人たちばっかり。

 さっそく私は、下手くそな原稿で、編集の皆さまにご迷惑をおかけしておりますが、 なんとかコツを掴んで、頑張りたいと思います。


[後記5] 弊サイトの「常駐メニュー」「経歴ページ」を全面改定

 ということで私の活動領域も急速に広がってきましたので、それに合わせ、 弊サイト各ページ左端にある「常駐メニュー」も、昨夜、全面改定いたしました。 弊サイトにお立ち寄りの際は、ぜひ「リロード」ボタンを押してください。(あるいは「更新」ボタン)。

 また今回、私の「経歴ページ」 も3年ぶりに改訂しました。よくもまぁ3年も放っておいたもんだと自分でも思いますが、 今回、その3年間の活動経過や、最近の活動も反映させましたので、私のことをご存知の方も、 そうでないかたも、ぜひお越 しくださいませ。

『ECスクエア通信』フッター

[最後に] ご一読ありがとうございました。本号はいかがでしたでしょうか?

当ニューズレターは、 国内きっての専門家が KM/CRM を、次の「カテゴリ体系」で 論ずるもの。関心に合いそうなトピックを、 適当にクリックしてみてください。

トピックス一覧(テーマ別目次):MyPRG_Called_EC2_Topics.html
(0) 入門
全体図, 定義 ( ナレッジ", KM, CRM), サマリー( KM, CRM )
効果実測例 ( KM, CRM), なぜ有効か( KM, CRM
(1) 戦略
今後にご期待ください。それまでは こちらを(11/07 改訂!)
(2) 知識プロセス & テクノロジー (3) ピープル & テクノロジー (4) 業務プロセス & テクノロジー
Marketing ( 3 事例で学ぶ 33 の法則, CFAR/CPFR),
Sales & Logistics ( PRM, JIT 設計販売, WebEDI)
Service
(5) プロジェクト (N) 番外編: 重要イベント

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