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 皆さま、こんにちは。初めての方、はじめまして。そろそろ春本番を 迎え、場合によっては、職場や住所が新しくなったりで、ワクワクする ことも多い気節ですね。

 発行人の太田です。私は今週、大阪(3/10)、京都(3/15)でCRM 講演をやりましたが、いずれも定員オーバーの申込みをいただき、我が 国におけるCRMへの関心の高まりを、あらためて実感できました。

 主催者の皆さま、ご来場の皆さま、どうも有り難うございました。  ということで本号でも、CRMをとりあげますが、今回は、当レター でのCRM連載も、「11」回目。そろそろCRMの「初歩テーマ」は、 多くの方々がお分かりと考え、次のページに任せることにします。


[0] 初めに: CRMの「初歩テーマ」と「応用テーマ」

 さらに先月、私は米国で、CRMの最新動向を、細かく細かく(笑)、 学んできました。

そこで本号以下では、もっと実践に直結した「応用テーマ」をとりあげ ることにします。すなわち、


    【表1】 本号でとりあげる「応用テーマ」

  • 応用1: PRMもナレッジ志向に。では「e/r 比」はどうする?

  • 応用2: 3つのCRMポータル、そのの中身と構築手法は?

  • 応用3: CRMにおける「Email Bottleneck」の解決は?

  • 応用4: 業種特化CRMの検討余地は?(包装型消費財のケース)

  • 応用5: CRMにおける "Permission"と"1to1"活用の要諦は?

  • 応用6: CRMと共存するブランド活用の要諦は?

  • 応用7: CRMにおけるユーザー・コミュニティ活用の要諦は?

 なぜ「応用テーマ」か。それは、いま米国では、CRMを「やること 自体」は「自明な前提」となり、人々の関心が「では僕は、どんなCR Mをやったらいいの?」ということに移っているからです。‾‾‾‾‾‾

    (ちなみに「データベース・マーケ」「SFA」「コールセンター」 などは、過去数年、CRM「以前」から「定番解」でしたから、 皆さまの周囲にも、たくさん専門家がおられると思いますので、 当レターでは、とりあげません。我々は、 Fast Mover として、 周囲をガイドできるよう、もっと先を見ることにしましょう)

 また私の講演でも「CRMの主要論点」と称して、下記「初歩テーマ」 を詳しく解説していますので、初歩からやった方が安心な方は、ぜひ、 私の講演をお聴きになってください。


    【表2】 いつも私がCRM講演で解説している「初歩テーマ」

  • 初歩1: なぜ 情報&ナレッジの共有 か?

  • 初歩2:共有すべきコンテントとは?

  • 初歩3: 顧客成果とは? 顧客満足との違いは?

  • 初歩4: 顧客の選定・獲得、維持・育成。各々の焦点は?

  • 初歩5: CRM 用ソフト選びの焦点は?

  • 初歩6: 顧客とコンカレントに動作 とは? プロセス別には?

  • 初歩7: 主流の方法論は? それらを包括的に学ぶ場は?

 なお私も6月ごろ、できるだけヒマを作り、


    【表1】と【表2】を完全網羅した「CRM1日コース」

を、東京と大阪で、ぜひ行いたいと思います。そのスケジュールなどは、 後日、この『ECスクエア通信』で公表しますので、是非、ご注目くだ さい。料金も、昨年のコレ↓と同額の、

お一人7万円に据え置きます。(ただし定員は増やすかも)


[1] 応用1: PRMもナレッジ志向に

 ということで、PRM(Partner Relationship Management)。これ が昨年と比べ、かなりナレッジ志向になりました。この変化は、注目し ましょう。

 PRMとは、ほぼ「チャネルとの情報&ナレッジの共有や対話を通じ、 彼らとの関係を開拓・深化させ、その深い関係をテコに、互いの成果を 増やす経営」のことであり、目下、次の2面が併存しているわけですが、

  • (1) 代理店へのコマンド&コントロール   (指示・報告の省力化)

  • (2) 代理店とのコラボレーション&ラーニング(販売のナレッジ化)

 昨年は(1)偏重だったPRMも、今年はかなり(2)を強めいています。 詳しくは次の場所で。


[2] (補足) なぜPRMが必要か。今後はどうか

 では皆さん、なぜPRMが必要なんでしょうか。理由は大きく2つあ る、と思います。  第一に、チャネルの現状が非効率だからです。パートナー企業プロフ ィール、販売戦略、販促プログラム、引合、製品情報などを、電話やF AX、個別メールや個別訪問でやりとりしてるムダは、図り知れません。

 第二に、では、その非効率な現状を「捨てるか、変えるか」と考えた とき、「捨てる」ことができない業界があり、そこでは消極的ながら「 変えること」が唯一の解となるからです。詳しくは次の場所で。


[3] (結論) 今年の e-business の焦点は「e/r 混合戦略」だ

 では、こうしたPRMの進化と必要性から、何が言えるか。


    私の答は「e/r 混合戦略」です。すなわち、

    • アマゾン流の「無店舗・無人型 full e-business 」

    • PRMで支えられた「有店舗・有人型 semi e-business 」

    この「electronic と real」の「e/r 混合比」を最適化すること


 この「e/r 混合戦略」こそ「今年の e-business の焦点だ」と、宣言 しておきましょう。そう私が宣言できる理由は、2つあります。

 第一に、米国では、この戦略を「Click and Mortar」(伝統企業を意 味する「Brick and Mortar」のもじり)と呼んでいますが、つい一昨日 も、これが米 "CIO Magazine"で、巻頭記事になりました。

 第二に、この戦略の事例はすでに多く、かつ成功しているからです。

  • まず、ご存知アスクル

  • 昨日発表のコクヨの新サービス

  • 昨年秋、リーバイスは消費者向け直販サイトの「閉鎖」を発表し、 PRMで支えられた「有店舗・有人型 e-business 」へ重心を移す ことを発表しました。これは後述「e/r 混合比」の変更です。

  • 3/5に私が日経CRMツアーの一環として PricewaterhouseCoopers 社 で聞いてきた「Case B: Electronco」(仮名。法人向け電子機器 メーカー)でも、立てた方針群には、次の2本が入っていました。 典型的な「両面作戦」です。

    • e :
      • 最終需要法人顧客の「プロフィール」などを直接管理。 その情報を適宜、見積もり提出時などに活かした。
      • 最終需要法人顧客向けのサポート専用ページを開設

    • r : PRM。
      • とくに提案段階で企業横断的なチーム販売を やるときの工数やダブル・エフォートを削減するため、 自社の直販営業にも、チャネルの営業員にも、同じ 提案用情報を、バージョン管理機能付きで提供した。

 ということで「e/r 混合戦略」。これはケインズが発明した「混合経 済」に匹敵する「確固不動のパラダイム」となる、と宣言しておきます。


[4] (結論) 今後のマーケの要諦も「4Pにおける e/r 混合比」だ

 では、そのパラダイムは、どんな要素群から成り立つのか。おそらく いちばん大事なのは「フレームワークと管理指標群」でしょう。

    (ケインズ以後のマクロ経済において、所得や雇用、投資や消費などが 7大管理指標となり、それら諸変数間の関係式が、状況認識や政策 立案のフレームワークとなったように)

 そして、そのパラダイムを簡便法で求めるとすれば、古典的な「マー ケティングの4P」図式は、なかなか便利な素材です。私が考えたレシ ピを、以下で記しておきましょう。

    (1) Product

    • 製品そのものの重量・体積
      (→これが高ければ、real チャネルが向く。金融やソフトは逆)

      • 詳しくは、上記[2]の第二論点を参照

    • 製品そのものの「静的情報」集約性
      (→これが高ければ、4Pの多くを e 化すべき)

      • 自動車などは部品点数が多いので、これが高い。

      • ただし、その部品がたたき出す性能値が、仕様表に集約 表現されていれば、その限りではない

      • ワインは、産地・品種・メーカー・年などで、味が大きく ちがうから、やっぱりこれが高い

      • 中古車も同様。はるかに新車より情報集約性が高い。

      • ただし、ワインや中古車に限らず、どんな商品も、 Commodity でない限り、アマゾン・スタイルで、 ユーザー評価を e 化することで、製品の情報量を 増やせるかも

    • 製品そのものの「動的相談」集約性
      (→これが高ければ、real チャネルが向く)

      • 経営相談、医療相談、法律相談、恋愛相談サービスなどが典型。

      • これらは、顧客の現状・願望を顕在化させるため、対話型 の診断が必要だが、ここで言う「診断」とは、1問目の答 が違うと2問目の質問を変えなければならない、という 意味で「動的」である。

    • 製品情報はどのくらい e 化できるか?

      • たとえばワインも「香り」情報は e 化しにくいかも

      • 製品情報が視聴覚のみで伝達可能なら、話は逆。

    (2) Price

    • ・商品価格の地理的・時間的な変動
      (→これが高ければ、 e 化すべき)

    (3) Promotion

    • この商品のユーザーは、すでに e 化ずみか?

    • この商品のユーザーが読む新聞・雑誌は、e 化ずみか?

    • その雑誌に寄稿するインフルエンサーは、e 化ずみか?

    (4) Place = Channel

    • 以上の「Product 特性、Price 特性、Promotion特性」から、 ここの「e/r 混合比」 は、一義的かつ自動的に定まる

        (。。。と美しいんですが、皆さま、どうでしょうね?)

    • e 度の高い順に並べると。。。

      • ウエッブ   (ほとんどマウスだけ。キーボード不要)

      • 自動化 eMail (マウスだけ)

      • 半自動化 eMail

      • 手動 eMail (ほとんどキーボードだけ)

      • DM    (媒体は紙だが、宛先リストと送付履歴は e)

      • コールセンター(媒体は電子でなく電話+人だが、宛先リ ストやコール&購買履歴は e 化可能)

      • セールス   (媒体は人間だが、顧客リストや、訪問& 購買履歴は、e 化可能)

というこことで、やや簡便法ですが「マーケの4P」に沿って「最適な e/r 混合比」を決める。これで貴社の e-business 戦略も、大筋、正 しく決まると思うんです。

 言いかえれば、この「e/r 混合比」を操作することで、4P全てを操 作する。おそらくコトラーさんの分厚い教科書も、われわれの手で、全 面改定できると思います。

[20001年2月10日補遺]

なお「マーケティング4Pの改訂」については、米CRM業界の代表 論客の1人である、IMT Strategies 社の Rick Bruner 氏も、別の 角度から考えておられるようです。

皆さんも、ぜひお知り合いのマーケッターの方に、教えてあげましょう。 なお同社は、2000年2月の段階から「調達資金にモノを言わせた大量広告は、 結局、間違っていた」ことを数字で実証するレポートを出したりしています。 先駆的でしたね。
[5] (提案) CRMベンチマーク・センターを作りませんか?

 その「教科書改訂」を側面から助けるうえでも、ここでひとつ、私か ら提案があります。

 誰か(通産省かな?)が音頭をとり、國領先生か根来先生を象徴天皇 にお迎えして、かつ民間シンクタンクにも人員提供いただいて、


     業種別の「e/r 混合比」の(本年実績、来年目標)

を調べて公表したら、どうでしょうね。

 きっと良いCRMベンチマークになると思います。それに、いろんな CRM&PRMベストプラクティスを加えれば、もっと素晴らしい。こ れで「管理指標、その基準値、それを満たす方法」の三点セットが揃う からです。

 そうなれば我が国産業界における「e/r 混合戦略」も各所で進み、こ れで、e-business だって進むはず。

 すでに、これと似たようなことは、

  • SCMの分野で、米サプライ・チェーン・カウンシルが、

  • コールセンターの分野で、米ヘルプデスク協会が

各々やってますね。CRMでも、日本で、誰かがやるべきなんだよなー、 と思うんですが、皆さん、どう思われますか?


。。。ということで本号では以上、下記の「CRM応用テーマ」を論じ ようと試みましたが、テーマ「1」だけで息切れ(笑)。続きは、 次号以降でがんばりますので、どうぞお楽しみに!


    【表1】 本号でとりあげる「応用テーマ」

  • 応用1: PRMもナレッジ志向に。では「e/r 比」はどうする?

  • 応用2: 3つのCRMポータル、そのの中身と構築手法は?

  • 応用3: CRMにおける「Email Bottleneck」の解決は?

  • 応用4: 業種特化CRMの検討余地は?(包装型消費財のケース)

  • 応用5: CRMにおける "Permission"と"1to1"活用の要諦は?

  • 応用6: CRMと共存するブランド活用の要諦は?

  • 応用7: CRMにおけるユーザー・コミュニティ活用の要諦は?

。。。ということで本論は以上で終わり、以下、恒例の[後記]です。
[後記1] (03/05) 日経CRMツアー、好評。補講・発表会が効果大

 今回の日経CRMツアーには、14名の皆さまからご参加をいただき ました。同行講師として、厚く御礼申しあげます。

 そして今回のツアーでは、次の3点が「目玉」でしたが。。。

とくに(3)は、好評で、次のようなご感想もいただけました。


    > 皆さんのご発表内容の充実ぶりに、驚きかつ、非常に参考に
    > なりました。
    >
    >  参加者にとっては、受講した直後に考えをまとめるという
    > ことで、記憶にも残りますし、また、日頃では聞けない話も
    > 聞け、非常に有効な手法だと思います。
    >
    > 今回のツアーの中で最も印象的でした。
    > この方式は、今後も是非続けて頂きたいと思います。



[後記2] (03/10) 日立CRM講演は満席。キーナビ効果大

 3月は関西で2件、CRM講演をやりましたが、その1件目がこれ。

 私の話の9割は、上記[0]の【表2】の「初歩」事項だったのですが、 それでも定員300名のところに、370人の方が応募してくださいました。

 ご来場の皆さま、主催者の皆さま、まことに有り難うございました。

 今回、集客が好調だった理由はいろいろあると思いますが、e 媒体と して使った、次のサービスは、実に効果的だったようです。

 このサービスは「言語密着型のパーソナライゼーション・サービス」 の一種であり、こんなアルゴリズムになっています。

  • (1) 個人利用者に、入会(無料)時、自分の関心事をキーワード登録 してもらい(選択式)

  • (2) 企業からプレスリリースや、セミナー案内や、新製品発表の「お 知らメール」がクルートに来たら、そのメールを同システムが、 先進的な自然言語技術により、自動で「語彙分解かつ類義語展開」 した上で、

  • (3) 自動で(1)と(2)の「類似度」を定量的に判定し、

  • (4) 類似度が高ければ、(1)の個人へ、(2)の企業情報を、自動で配信する

 この「言語密着型のパーソナライゼーション・サービス」。今回のセ ミナーの集客には、実に効果的だったようで、主催者の皆さんも、感嘆 の念を、何度も示されました。

 おそらく同サービスは、日本でCRMを進めるうえで、かなり重要な ものになるでしょう。私も重視しています。


[後記3] (05/24-26) ビジネス・ショーでKMトラック・チェアを

 私は過去6年、いろんな方々が企画・運営するセミナーの類に「外部 講師」として「招待」され、いろんな講演をしてきました。今は、年に 80回くらいででしょうか。

 ただし実は昨年から、「講師」だけでなく「コンファレンス・チェア」 なる大役を、内々に拝命することが多くなりました。この仕事は、大き く2つあり、

  • (1) 準備段階で、主催者のキーマンと討議しながら、どの講師を どこに起用し、どんなテーマでお話しいただくかを決める

      (出演交渉には私は立たず、主催者がやってくれます)

  • (2) 当日、司会をやる。臨機応変な論点整理や質問技法が必要です。

 昨年は、某重要コンファレンスで2回、(1)を拝命しました。ただし、 このときは(2)をやらなかったため、「表」向き、私は単なる「招待講 師の一人」みたいなフリを(笑)していました。

 しかし今年は、ビジネス・ショーの「ナレッジ・マネジメント・トラ ック」で、チェアマンをさせていただきます。今回は(1)だけでなく(2) もやりますので(なんと3日間連続出演です)、私がチェアマンである ことが「表」に出ます。

 これはかなり名誉なことで、独立以来6年、一秒も世の大企業に属す るとなく、無位無冠の個人として、自己の能力とブランド価値を高めて きた成果ではないかと、私は一人で、ホクホクと自画自賛しています。

 ただしチェアマンという商売は、招待講師と異なり「集客責任」があ るようで、もしかして集客が悪いと、クビになってしまうかも(^^)。

   ということで皆さま、宜しければ、ぜひ今年は、ビジネスショーに来 てやってくださいね。よろしくお願いします。ペコリ。m(__)m

『ECスクエア通信』フッター

[最後に] ご一読ありがとうございました。本号はいかがでしたでしょうか?

当ニューズレターは、 国内きっての専門家が KM/CRM を、次の「カテゴリ体系」で 論ずるもの。関心に合いそうなトピックを、 適当にクリックしてみてください。

トピックス一覧(テーマ別目次):MyPRG_Called_EC2_Topics.html
(0) 入門
全体図, 定義 ( ナレッジ", KM, CRM), サマリー( KM, CRM )
効果実測例 ( KM, CRM), なぜ有効か( KM, CRM
(1) 戦略
今後にご期待ください。それまでは こちらを(11/07 改訂!)
(2) 知識プロセス & テクノロジー (3) ピープル & テクノロジー (4) 業務プロセス & テクノロジー
Marketing ( 3 事例で学ぶ 33 の法則, CFAR/CPFR),
Sales & Logistics ( PRM, JIT 設計販売, WebEDI)
Service
(5) プロジェクト (N) 番外編: 重要イベント

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    Shuichi Ohta, 太田秀一 ************************************* /

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