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Nov.10, NEC サイトで論説発表         
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皆さん、こんにちは、太田です。

初めての皆さま、はじめまして。太田です。寒
くなりましたが、お元気ですか? 私は激務と風邪の板挟みで、ややし
んどい毎日を過ごしています。お互い体調には気を付けたいものですね。

 さて、過去数号で申しおりますが、米国で大ブレイク中の

 ・CRM(Customer Relationship Management)

 これが徐々に、日本に上陸し始めました。たとえば、前号でご紹介し
た下記セミナーは、昨日現在、約300名の方がご来場予定です。

 ・11/30、日経CRMコンファレンス「CRM99」
  http://www.cio-cyber.com/pj/ec2/BACK/n028.html

 また先週は次のセミナーがありましたが、やや高額(13万円)な受
講料にもかからわらず、約50名の方々が、熱心に受講くださいました。

 ・11/16-17、米CRM協会の2日セミナー(於、大手町)
  http://www.it-world.co.jp/
  http://www.it-world.co.jp/speaker-u.html

 当セミナーでは私も、同協会のディーン・ハリングトンと2人で出講。

 ・セッション毎に、ハリングトンが氏90分、講義をした後、私が30分、
  要約・補足ならびに受講者との「Q & A Facilitation」を行い、

 ・全セッション終了後、150分、私が補講を行いました。

 同氏を招いて「ジャパン・セミナー」を行うことは私の夢でしたが、
今回、それが実現し、たいへん喜ばしく感じています。ご来場の皆さま、
主催者の皆さま、どうも有り難うございました。

 そこで本号では、米CRM協会の著作権を侵害しない範囲で、その2
日間の概要を、お伝えすることにしましょう。


[1] 米CRM協会の沿革と長短: SAA から CRMcommunity.com へ

 まず米CRM協会とは何か。ざっとご紹介します。この団体は昔、
Sales Automation Association という名前だったのですが、昨年後半、
CRM Association と改称しました。ですからSFA出身の団体です。

 衆知のようにCRMは、

  (1)Marketing、(2)Sales、(3)Serviceの3プロセスをカバーする
  http://www.cio-cyber.com/pj/ec2/BACK/n026.html#2

わけですが、米CRM協会は、プロセス(2)で確立した方法論を、(1)(3)
にも拡張しようとしたわけです。

 その「拡張」作業はいまも「進行中」であり、公平に見ますと、目下、
(2)では「最強」ですが、(1)(3)では「まぁ妥当かな」というレベルと
思います。現に、

 ・(1)では、経営大学院やマーケ業界から出た、次の4方法論が強力
  ですし、

   ・ノースウェスタンの「Integrated Marketing Communication」
    http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/BACK/n011.html#8
   ・ハーバードの「Concurrent Marketing」
    http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/BACK/n023.html#4
   ・ご存知、ワン・トゥ・ワン
   ・その拡張版たる「パーミッション・マーケティング」(後述)

 ・(3)では、Helpdesk Institute (HDI)の方法論が極めて優秀です。
   http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/link/km2.html#3.3

 しかし私は、米CRM協会を手助けすることに決めました。なぜか。

 ・彼らなりに(1)(3)の領域での研究を着実に進めつつある。今回も
  彼らの資料を半年ぶりにレビューしましたが、(1)(3)の分野では、
  長足の進歩がありました。今後も進歩しますように。

 ・彼ら以外に、(1)(2)(3)全域を「カバーします」と宣言している団
  体が、他にない。たとえば上記 HDI は、(3)分野では極めて優秀で
  すが、「私たちはヘルプデスク分野しかやりません」と言ってるわ
  けですから、(3)から外には広がりません。

 ということで米CRM協会は現在、
 
 ・会員は公称1万人超。当分野で世界最大のCRM専門家団体であり、

 ・その方法論を、世に広めています。

   ・ボールドリッジ審査基準に則ったCRM方法論を作り(後述)、
    それを彼らなりに(2)から(1)(3)の分野にも拡大中で(上記)、
   ・その方法論を各所のセミナーで展開し(演習が少ないのは残念)
   ・試験に合格した人には「Certified CRM Specialist」の認証を
    授与
     (私も本年2月、試験にパスして、この認証を得ましたが、
      試験問題は素直な良問揃いで、合格は簡単だと思いました)

 なお同協会は今夏、「CRMCommunity.com」と改称し、次のサイトを運
営しています。まだ所載情報は少ないですが、CRM専門家の皆さまは、
いちおう一読しておいていただきたいと思います。

  http://www.crmcommunity.com/

 では以下、彼らの方法論を、下記の「4つのダイアグラム」で概観す
ると共に、その良否を、ご一緒に判定してみましょう。

 ・CRM対象範囲ダイアグラム
 ・CRM道具ダイアグラム
 ・CRM作業手順ダイアグラム
 ・CRM業務プロセス・ダイアグラム

 彼らの方法論は、今回の「初級コース」だけで、約150画面から成る
浩瀚なものですが、本号ではその良否を、やや暴力的にも、上記4画面
だけ、で判定してみます。


[2] CRM対象範囲ダイヤグラム: ナレッジ・マネジメントとECが

 まず彼らの方法論がカバーする範囲は、どんなブロックで構成される
のか。下図の通りです。

              +・→ Sales Automation
              |
  Marketing Automation →+・→ Electronic Commerce
              |
              +・→ Serviece Automation

  <============== Knowledge Management =============>

 2点、補足します。

 第1に「ナレッジ・マネジメント」を全域で行うこと。いいですね。
昨年から私は、こう言ってきましたが、本当にその通りになりました。

  「KM一般論はダメですよ、今後はKM具体論です。たとえば
   CRM。これは有力ですね」
   http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/BACK/n019.html#7
   http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/BACK/n022.html#1
   http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/BACK/n023.html#2

 第2に「Eコマース」が正しい一翼を担っていること。たとえば、

 ・MA で喚起された「製品への引合」は、次のように流れます。

   ・その製品について相談したい場合 → Sales Automation
   ・相談抜きで製品を購入したい場合 → EC
 
 ・MA で案内された「講習会への引合」は、同様に、こう流れます。

   ・その講習会について相談したい場合 → Service Automation
   ・相談抜きで講習会に出たい場合   → EC

つまり「相談の必要」の有無でキレイに「場合分け」されるわけです。

 ・世の評論家たちが言うように「ECで営業マンは死滅する」場合も、
  本当にあるでしょう。しかし。。。

 ・上記のように、逆の場合も、当然ありますよね。例えば、

   ・製品が複雑なとき、また
   ・購入者サイドが多忙、または意思決定の経験が少ないとき

  は「要件=要求仕様」が決めにくいですから、当然、誰かと「相談」
  した方が効率的です。この場合は、営業マンを「廃絶」するより、
  むしろ「強化」する必要があります。

 こういう「場合分けの精神」が内蔵されているなら安心ですね。


[3] CRM道具ダイヤグラム: ダベンポート「PPTC」図式に準拠

 では上記の「対象」に対して、どんな「道具」で切り込むのか。下記
の通りです。

 ・Corporate Strategy
 ・Skills & Competencies
 ・Sales Compensation
 ・Culture
 ・Sales Process
 ・Technology
 ・Information

 ではこれを

 ・ダベンポート氏のナレッジ・マネジメント定番方法論「PPTC」
  http://www.cio-cyber.com/pj/ec2/BACK/n022.html#5

と比較してみましょう。

              People  Process  Technology  Content
              ======  =======  ==========  =======
 ・Corporate Strategy    ×
 ・Skills & Competencies   ×
 ・Sales Compensation    ×
 ・Culture          ×
 ・Sales Process           ×
 ・Technology                  ×
 ・Information                      ×

 見事に一致していますね。これも安心要因です。

 ただ少し違うのは、ダベンポート氏が「コンテント中心」派なのに対
し、米CRM協会が「Process」を図の中心に置いていた点です。セミ
ナー資料では、本件がパワーポイントのグラフィカルな図で書いてあっ
たので、その違いは明らかでした。

 そこで平素、「懐疑の精神」に満ちた私は、一瞬、不安になりました。
一般に「いきなりプロセスから考える」と、どうしても発想の自由度が
制限され、現行の不合理なプロセスを、追認かつ固定化させてしまいが
ちであるからです。

 むしろ、まずはコンテントやテクノロジーの将来像を念頭に、我々の
思考から、情報的・技術的な制約条件を、人為的に取り払い、もっと自
由な気持ちになってから、その「後」で、プロセスに切り込む方が良い
ですよね。

 一般には、それが望ましい「考える順序」だと思います。


[4] CRM作業手順ダイヤグラム: ボールドリッジ基準にやや準拠

 では、その「考える順序」は、どうなっているのか。道具[3]で対象[
2]に切り込む作業手順を、見てみましょう。次の通りです。

 ・第1ステップ: Project Planning & Business Goals Assesment
 ・第2ステップ: Sales Process Modeling
 ・第3ステップ: CRM Requirements Definition
 ・第4ステップ: Software Evaluation
 ・第5ステップ: Training and Support Planning
 ・第6ステップ: ROI and Metrics Design

 いちおうプロセス・モデリングの「前」に戦略やゴールを見直すこと
になってますから、「まぁ大丈夫かな」と私は思いました。皆さまは、
どう思われますか?

 なお、この手順は、けっこう

 ・ボールドリッジ審査基準
  http://www.quality.nist.gov/docs/99_crit/98criter.htm

にも似ていますね。これはこれで良いことだと思います。衆知を集めて
作った審査基準ですからね。どんどん活用したほうが良いと思います。
 


[5] CRM業務プロセス・ダイヤグラム: チェスペデス CM にモロ準拠

 では彼らの Process Model は、どうなっているのか。ほぼ、次の通
りで、顧客サイドの調達サイクルと、販売サイドの提供サイクが、だい
たい「同期」していました。

  調達側=顧客側   提供側=自社側
  ==============   ==============

   Plannning   ⇔  Planning
   Recognizing  ⇔  Prospecting
   Searching   ⇔  Qualifying
   Evaluating  ⇔  Proposing
   Selecting   ⇔  Resolving
   Commiting   ⇔  Commiting
   Implementing ⇔  Installing
   Tracking   ⇔  Building

 これは弊レター「No.26」でご紹介した、CRMの始祖である、

 ・Frank Cespedes 氏の「コンカレント・マーケティング」
  http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/BACK/n023.html#4

に出てくる、有名な図と、まさにウリ二つです。顧客とコンカレントに
走る。At the Speed of Customer。これがCRMでも重要でした。


[6] 結論: 米CRM協会の方法論は、かなり妥当。今後にも期待

 ということで結論ですが、私は今回、じっくりハリングトン氏の話を
聞きながら「かなり妥当な方法論だな」と思いました。

 もちろん冒頭で書きましたように、マーケ分野とサービス分野では、
改善も必要ですが、幸い、その改善も急ピッチで進行中です。今後、我
々が手助けすることで、大いに有望な存在になってくるのではないでし
ょうか。

 最後に余談ですが、私が本年2月に受けた彼らの資格認定セミナーで
は、周囲に、ビッグ4のコンサルや、著名ビジネススクールの教授も、
受講していました。彼らも同協会の将来に、それなりに期待をしていた
のだ、と思います。(あるいは偵察目的だったのかもしれませんが)。

 私も一介のコンサルとして(幸いにして自営ですからノルマもなく、
今月は別として、ふだんはヒマですので)、今後も、同協会に何らかの
貢献ができれば嬉しいな、と思いました。

。。。ということで本論は以上で終わり、以下、恒例の「後記」です。


[後記1] 【緊急】日経CRMコンファレンス申込期限は【11/26、夕方】
      http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/BACK/n028.html

 11/30の日経CRMコンファレンスには、情報産業の皆さまを中心に、
約300名の方々にお申し込みを戴きました。予定を5割オーバー。有
り難いことです。

 ただセッションによっては、徹底的にイスを詰め込めば、あと100
名様は受入可能だそうです。どんどん次のページで、申し込みましょう。

  http://www.nikkei.co.jp/events/crm/

 ただし申込期限は、11/26夕方です。できるだけ急いでご決断くださ
いませ。

 お申し込みいただきたい方々は、次の通りです。

 (1) CRM「実行部隊」の皆さま
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ・マーケティング、広告&制作会社、調査会社、媒体営業
 ・セールス
 ・サービス
 ・製品企画

 (2) CRM「支援部隊」の皆さま
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ・情報システム部、CIO、情報システムベンダー
 ・KM推進部門、KMコンサルタント
 ・TQM推進部門
 ・経営企画部門、経営者、経営コンサルタント

 当レターの読者の多くは、(2)の皆さまだと思いますが、ぜひ(1)の皆
さまを、当コンファレンスへお誘い下さいね。いよいよ日本のCRMも、
ハズミが付いてきました。

  http://www.nikkei.co.jp/events/crm/


[後記2] 日経が米国CRM視察ツアーを来年2月末にプラン中

 関連事項ですが、先日、日経の事業局より次のような打診を戴き、

  「来年2/28-3/3、次の行事に合わせ、ツアーを企画したいが、
   
      ・ZD社のCRMコンファレンス(於、ワシントンDC)
     
   太田さん、団長となり、現地で補講などしてくれるか」

これも私は本年、行ってきましたので、その経験など活かせれば幸い
と考え、即、お受けしました。

 当ツアーについては、11/30の私のセッションでも、やや詳しくご紹
介しますが、3/3 -3/8、ニューヨーク地区の先進CRM企業訪問も、オ
プショナルに企画中です。

 ご興味のあります方、ぜひ続報をご期待下さいませ。
 


[後記3] リクルート社のCRM事例ページ

 またまたCRM関連事項ですが、リクルート社の次のページ

  http://www.recruit.co.jp/fnx/ureru/index.html

いいですね。完璧に全てがCRM事例かどうかは別として、たいへん実
践的な内容です。営業企画、販促企画の現場の皆さまに参考になりそう
な「売れるしくみ事例」だと思いました。
 


[後記4] 國領先生『オープン・アーキテクチャ戦略』ダイヤモンド社

 さらにCRM関連事項ですが、11/30のコンファレンスで口火を切ら
れる國領先生が、新著をお出しになりました。

 良いですね。私はたいへん啓発されてしまいました。

 ・「若干個(3つ)の基本作用素」から「多数のビジネスモデル」を
  説き起こす、という全体の論理構成が、美しいですね。

 ・ビジネスモデルの正確な定義が分かります。これは重要。

 ・ミスミやオートバイテルが「多数の弱小サプライヤー」を束ねて
  いる、とのご指摘。重要です。触発されて補足しますと、

   ・この話は、あのバーチャル・ビンヤードと似ています。彼らも
    大手ワイン・メーカーは、既存の大手スーパーなどに任せ、中
    小ワイン・メーカーに調達の重心を於いています。
   ・プラネットは少し違いますね。花王やライオンは「ダントツ
    の強者」でもないですが「弱小」はないですものね。

 ・クローズド経営とオープン経営の、フェアな長短比較。

   ・前者は「統合による全社最適化」に優れ、
   ・後者は「各モジュールの自由な挙動→創造」に優れる。

  これで「80年代の日本優位」と「90年代の米国優位」の2現象が、
  同一の論理で、両方とも説明できます。これは快感ですね。

 ・顧客間インタラクションにおける、ヘビー投稿者とメーカー代表者
  との違い。CRMの観点から、とても参考になりました。

 ・構造化されざる暗黙知に頼った日本的経営ではダメだ、との
  ご指摘にも、まったく同感です。

それに、内容が真面目で、かつ最新なわりに、たいへん読みやすい、と
感じました。謹んで、推奨させていただきます。

 あと文教大の根来先生、早大の前川さんの新著も拝読しました。読後
感は、次号で報告させていただきます。
 

『ECスクエア通信』フッター

[最後に] ご一読ありがとうございました。本号はいかがでしたでしょうか?

当ニューズレターは、 国内きっての専門家が KM/CRM を、次の「カテゴリ体系」で 論ずるもの。関心に合いそうなトピックを、 適当にクリックしてみてください。

トピックス一覧(テーマ別目次):MyPRG_Called_EC2_Topics.html
(0) 入門
全体図, 定義 ( ナレッジ", KM, CRM), サマリー( KM, CRM )
効果実測例 ( KM, CRM), なぜ有効か( KM, CRM
(1) 戦略
今後にご期待ください。それまでは こちらを(11/07 改訂!)
(2) 知識プロセス & テクノロジー (3) ピープル & テクノロジー (4) 業務プロセス & テクノロジー
Marketing ( 3 事例で学ぶ 33 の法則, CFAR/CPFR),
Sales & Logistics ( PRM, JIT 設計販売, WebEDI)
Service
(5) プロジェクト (N) 番外編: 重要イベント

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    Shuichi Ohta, 太田秀一 ************************************* /

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