.
Nov.10, NEC サイトで論説発表         
WWW 全域を 当サイト内を         
. Home プロファイル ニューズレター
. KM/CRM Servive KM/CRM Tools Legal
皆さん、こんにちは。初めての方、はじめまして。

 発行人の太田です。

 さて、ここ数号で論じてきた「ウエッブEDI」の話も、本便で最後。 ということで本号では、これまでとは見方を変えてみましょう。


[1] アウトソーシングで「使って天国、使って天国」

 というのも前号までは一貫して、次のような前提をおいて、物事を考えてきました。

    ウエッブEDIの成立には「使う側と作る側」の二つが必要だ

この前提があったからこそ、ウエッブEDIの世界は通常、

    「使って天国、作って地獄」

となり、勢い前号では、これじゃ作る側が気の毒だから、ここはひとつ ERPでも動員して

    「使って天国、作っても天国」

にいたしましょう、なんて話になりました。

 しかし昨今、ウエッブEDIの世界にも「アウトソーシング」路線が 広がり、これを使えば全員が「使う側」になれることが分かってきまし た。言うなれば。。。

    「使って天国、使って天国」

 ということで本号では「ウエッブEDIのアウトソーシング形態」の 話をいたします。現在、その選択肢は、大きく二つあり。。。

    (1) R/3運用のアウトソーシング・サービス(パンデシック社)

    (2) 商談プロセス全体(取引先開拓→商談→EDIでの電子受発注)    の電子アウトソーシング・サービス(GEISや日立)

以下、順番に取り上げます。


[2] R/3運用のアウトソーシング・サービス(米パンデシック)

 『日経マルチメディア』が出している電子ニューズレター『NMM News Update』九八年六月八日号によれば、本年七月、米パンデシック社が、 Eコマースのアウトソーシング業務を、日本でも始めるとのこと。

 このサービスを使えば、ウエッブEDI用システムの構築・運用は、 自分でしなくてよくなります。そのかわり「取引1件当たり何円」とい う形で、手数料を同社に払うことになります。

 このサービスを構成する情報システムは、SAPの ERPソフト の部品で組まれているそうですから、これでまず、ERPシステムの「 導入・開発」がラクになるはずです。つまり

    ウエッブEDIサイトを「作る」作業が、「カンタンになる」 段階(=前号の状態)を通り越して「要らなくなる」

 そして自分でサーバーを持たなくてよくなりますから、これでシステ ムの「運用」がラクになるはずです。

  • 可用性管理も人任せ。

    • 退屈な定期バックアップ、神経を使う障害時リストアなどは、 自分でしなくて済みます。

  • パフォーマンス管理も人任せ。

    • サーバーのレスポンスが遅くなっても、パンデシック社の 人に「何とかしてよ」と文句を言うだけ。サーバーの増強、 クラスタリングや負荷バランシング、回線の増強、ソフトのチューニング、デ ータの再配置などは、しなくて済みます。

  • さらに重要なのは、セキュリティ管理。

    • 防御用のハードやソフトを揃えても、超優秀なハッカーには、 かないません。だから一部の大手企業では、ハッカー出身者 を用心棒に雇いはじめましたが、しかし日本にある400万 もの法人すべてに行き渡るほど、日本のハッカーの供給量は、 多くありません。

  • 物流も人任せ。

    • パンデシック社は、日本ではヤマト運輸と提携しました。

 というわけで、手数料は必要ですが、システムの「開発」も「運用」 もラクになるのが、このサービスのメリットです。

 では、このサービスは、どんな会社に向くのでしょうか。私は、答は 二つある、と思います。

 第一に、Eコマースの損益分岐点を下げたい会社です。パンデシック 社のサービスを使えば、優秀な技術者を自社で雇うお金(固定費)が節 約できますので、それが、同社に払うサービス料金(変動費)より大き ければ、このサービスは、おそらく検討に値します。


[3] ERPの自社導入に不安な企業にもピッタリかも

 第二に、何らかの事情で、ERPが入れられない会社です。もともと ERPを入れるには、二つの障害がありますが。。。

  • 技術的な障害。

    • もともと二〇年も三〇年もかけて営々と構築してきた社内 の基幹情報システムを一年かそこらで入れ替え、かつ統合 し、場合によってはEDI対応させ、ウエッブ対応させ、 二〇〇〇年対応させ、ユーロ通貨対応させ、国際会計基準 対応までさせよう、というわけですから、これが易しいわ けありません。

  • 社内政治的な障害。

    • 今まで先輩たちが営々と築いてきた業務ルールを、 強制的に変更し、いままで営業・物流・製造と職能別に 分かれていた権力構造を解体し、会社運営の軸を、職能部門から 業務プロセスに九〇度回転するわけですから、これもトップが 本気で行い、かつその下の人々もトップ並みに本気にならないと、 実現できないことは、よく知られています。

 この「二つの困難」を乗り越える自信のない会社も、パンデシック社と いう受け皿ができたことで、ウエッブEDIの部分なりと、外部に委託 できるようになりました。

 この「二つの困難」については、たとえば、次の文書に明らかです。

  • http://www.ibm.com/services/consulting/thought/
    thought.886608346.html(×)

 この文書はもともと「ERP導入に成功するには、これこれの条件が 要りますよ、頑張ってくださいね」という意図で書かれているのですが、 逆に「うわー、こりゃタイヘンだわ! やめとこか」とも読める文書です。 そう思う会社にも、Eコマース分野に限れば、自社導入路線だけで なく、アウトソーシング路線という新しい道ができました。

 というわけでパンデシックのサービス。まだ日本では来月スタートで すから、実体は不明ですが、とりあえず注目していきたいと思います。


[4] EDIはEDIを超えて(GEIS、日立)

 そのパンデシック流ウエッブEDIアウトソーシング・サービスを、 もっと発展させたのが、GEISのTPNであり、日立のTWXです。

 このうち先行したのはGEISのTPN。サービス開始は二年前です が、いまGE本体の他、ヒューレッド・パッカードや、コンソリ・エジ ソン、コカ・コーラなどが日々の調達活動に使っています。

 このサービスの特徴は、大きく三つあります。

  • 開拓支援。

    • このサービスに入ると、既にそこに入っている会員各社と、 取引仲間になれる。たとえば、GEやコンエドはもちろん、 その彼らの有力仕入先(のリストの大部分は会員になると見れる) らをも、自社の顧客や仕入先として開拓できる

  • 上工程対応。

    • 受発注という「下工程」だけでなく、その前提となる 取引先の発見・審査・開拓→見積依頼→交渉などの「上工程」 をもサポートする

  • 下工程対応

    • 上記パンデシック社のサービスに相当する部分。ウエッブ EDI用のサーバーを構築・運営してくれる

 こうなるともう、ウエッブEDIの枠、といいいますか、EDIの枠 そのもを超えてますね。いうなれば「スーバーEDI」。

   かつてアラン・ケイは「どんな技術も、世に出て30年たって、はじ めて本来の用途が見つかる」と申しましたが、EDIも、生まれて25 年。ウエッブの助けを借りて、ようやく「真の離陸、第2の飛躍」が始 まりました。

 だから「単なるEDI」に比べ、かなりメリットも大きいようです。 本年2月のGEISのレポート によれば、これまでの平均的なメリットは、次の通り。

    (1) リードタイム  50%減 → (2)在庫減少

    (4) 資材購入費   20%減 ← (3)より良い業者の選定

    (5) 購買コスト   30%減 ← (2)+(4)

 なかなかすごいですね。私は、これで企業の調達行動も、大いに変 わるのではないか、と思っています。今朝の『日経産業新聞』98年 6月30日では、第1面で

  • 日産の系列内の仕入先削減(一分野一社)

  • 我が国産業界における系列取引からオープン取引への移行

という二つの動きが報じられましたが、この二つは、一見背反するよ うでありながら「製造版・護送船団の崩壊」という点では互いに共通 してますし、やっと始まった「金融版・護送船団の崩壊」と、まさに 相即するものとなるでしょう。

 ご興味のおありの方々は、ぜひ次のページも、ご覧ください。


。。。というわけで過去6号連続で論じてきました「ウエッブEDI」特集は、 本号で終わり、次号からは、再びテーマをナレッジ・マネジメントに 移します。ロジスティクス関係者の皆さま、本号までお付き合いいただきまして、 どうも有り難うございました。

。。。ということで本論は以上で終わり、以下、恒例の近況報告です。


[後記1] (6/22/98) 日経BPのアウトソーシング・セミナー開催迫る

 さて7月9日、10日の首記セミナーの開催が迫ってまいりました。

このセミナーの特徴は、3つります。

  • アウトソーシングの主要5分野を8事例で網羅

    • 定番の情報処理から、ファシリティ・マネジメント、物流、 コールセンター運営、役員人事まで

  • 複眼的な視点

    • 各ケースとも、委託側と受託側のキーマンが各々、本音で 話すから、誇張や偏りがない

  • 低料金

    • 1講座2万円、丸2日間・4講座で6万円は、かなり格安 ですね。米国では、この2倍〜3倍しますから。

 ご興味のあおりの方は、ぜひどうぞ。とくに、次の二つは面白そうです。

  • セイコーエプソンの「基幹情報システム全体の一括アウト ソーシング事例」(B-2)。

    • 上記[2]のパンデシック社の場合は、基幹システムのうち、 Eコマース部分だけのアウトソーシングでしたが、当事例 では、それを基幹システムの「全体」に適用。

  • オリックス生命の「コールセンターのアウトソーシング事例」(A-2)。

    • このコマで私は司会をしますので、先日、当事者のお話を 聞いてきましたが、極めて面白い話になりそうです。典型 的なビジネス・プロセス・アウトソーシングの事例ですが、 ナレッジ・マネジメントとも、関係あります。

 申し込みは「7月2日」まで。次のサイトでできるそうです。


[後記2] (6/22/98) IBMの「e-business」サイトに香取さん登場

 さて、毎度おなじみの、IBMの「e-business」広報サイトですが、 今回、ここに私のメール仲間でもある、NTT・香取さんが

    http://www.infoseek.co.jp/EBZ?pg=ebz_report.html


「インタ−ネット時代のビジネス・インテリジェンス活動」

を寄稿されました。たいへん良くまとまった好論文ですので、ご一読を お勧めします。

 私の見るところ、もともとIBMのe-businessというのは、次のよう な構成であり、そのうち今回は、★印の2D-1) がテーマになった、とい うことだと思います。

    (1) E-Commerce

    (2) Knowledge Management

    • 2A) コール・センター業務
    • 2B) 販売支援
    • 2C) 製品コンセプト開発業務
    • 2D) ビジネス・インテリジェンス業務
      • 2D-1) Competitive Intelligence★
      • 2D-2) Customer Intelligence

 この 2D-1) は元来、こんな意味なんですが、

  • 米 CIA などが行ってきた索敵活動のノウハウ(のうち合法的な 部分)を、民間企業も導入し、ライバル会社の動向分析に活かし、

  • そこで得た Inforation を、戦略行動に直結する「提言」の類、 つまり Intelligence にまで凝縮する活動

 いま世界には、この分野の専門家が

に6千人ほどいて、その会員数の伸び率も「3年で3倍」と、たいへん 活動的。上記の香取さんも、日本におけるこの分野の(数少ない)第一 人者のお一人です。すごいですね。

 ちなみに、この団体の出している資料は、たいへん実践的で勉強にな りますし、幸いにして最近は、同団体のニューヨーク支部長が書いた次 の市販本も、邦訳が出ました。これもたいへん実践的。ご一読をお勧め します。

    ラリー・カハナー『競争優位の情報戦略』トッパン、1998年

 いずれにせよ、Competitive Intelligence は「社外の定性情報をど う読むか」で成否が決まりますから、これには

  • 確かな方法論+教育+現場経験

  • 確かなコンテント、不確かなコンテントを両方活かせる知性

  • 優れた検索ソフト(CIA の職員も一日中、これを駆使)
がモノをいいますね。ナレッジ・マネジメントの中でも、やや特殊な訓 練の要る分野です。海外の大学では、これ専用のコースもありますし、 日本でも近いうちに、そうなるでしょう。


[後記3] (6/24/98) IBMがジャスト、オリンパスと音声分野で連携

 当レターの読者の皆さまには、予測の範囲内だったことと思われますが、 そのIBMが、さきほど話題の音声認識ソフト「ビア・ボイス」を軸に、 広範な提携を発表しました。

 結論から先に言うと、今回の発表は「1+1+1」が「5にも、10 にもなる」ものだ、と思います。

  • 音声認識の精度が大きく上がり、

  • 「音声による音声&文字検索」を ConceptBase に行うことができ、

  • 今後、それが多くの「人的接触集約型の業務」に広まる

    • コールセンター業務
    • 販売業務
    • インタビュー調査
    • 製品企画会議
    • 社内調整      などなど

 やや詳しくは、次の通りです。

  • オリンパス社。同社の「デジタル・ボイス・レコーダー」に蓄積 録音されたデジタル音声を、カード経由でパソコンに転送し、 ビア・ボイスで一括変換。

    • これまでの「ビア・ボイス」は、音声→文字の変換をリアル タイムで行っていたため、
      • 解析スパンが短く(たとえば現時点の前後5秒)
      • かつプロセスが不可逆だった

      ため、認識率を上げるのが難しかったのですが、

    • それが今回、リアルタイム変換方式から、「蓄積録音→ 一括変換」方式になったことで、認識率がかなり向上。

  • ジャストシステム社。

    • まず上記の変換プロセス(音声→文字)に、ATOK 辞書情報を提供。これで前後の文脈に応じて、同音異義語を 正しく選べるので、またまた認識率・変換率が大きく向上。
    • さらに、その変換結果を、同社の「ConceptBase」へ
      • テキストファイルとして一括投入し、
      • その要約文を自動作成し(これを編集して議事録に)
    • 変換「前」の音声ファイルも、ConceptBaseへ投入可能に。

 その結果、たとえば、こんなことが、かなり可能になりました。

  • お客さんとの会議を上記ボイスレコーダーに蓄積録音して持ち 帰り、それをビア・ボイス経由、ConceptBase に放り込む

  • あとは ConceptBase に向かって「○○銀行さんとやった××の 会議、あったよね。その議事録、もってきて」と話すだけで、

    • その議事録(や上記の要約文)も出てくるし、
    • その要約前のナマの文章も出てくるし、
    • その文字変換前のナマの音声ファイルも出てくる

  • そこで ConceptBase の「類似検索」ボタンを押すと、それと 関連深い情報が、関連深い順番に、サーバーの各所から、 どーっと、集まってくる

    • ノーツ文書も
    • ワードのファイルも
    • 外部から新聞記事データベース情報も

 すごいですね。まさに「スタートレック」の世界です。その一端は、 7月1日からのウィンドウズ・ワールドで体験できますので、ぜひご覧 になってください。

 その他、関連情報は、次の通りです。


[後記4] (6/22/98) Knowledge Management コンファレンスで渡米

 一方で私は、この発表当日、米ボストンで、ナレッジ・マネジメント の大コンファレンスに出ており、昨土曜日に帰国しました。

 このコンファレンスでは、

  • テキサス大学のダベンポート、IBMのプルサーク、フォー チュンのスチュウアート、MITのロスなど、この分野の 代表論客が集まり、

  • ピープルソフト、ワーナー・ランバートなどの先進事例も 発表されました

 本年、欧米では、KM専門のコンファレンスが20回くらい開かれま すが。。。

なかでも当コンファレンスは、ぜひ日本の皆さまにも、お伝えしたい内 容です。したがいまして弊紙でも次号より鋭意、その概況をお伝えしま す。ぜひ、ご期待くださいませ。


[後記5] (6/17/98) 日経ビジネスの別冊ムックにKMでコメント

 さてKM関連のトピックを、もうひとつ。先日、私は、

を作りましたが、それ以来、KMについての取材や講演・執筆依頼が、 相次いでおります。

 この中で最も私にとり助かるのは、電話取材です。イスに座ったまま、 言いたいことをわーっと言うだけでいいんですから、たいへんラクです。 時間もだいたい15分くらいで終わりますから、業務の邪魔にもなりま せん。

 その電話取材の一端が、最近発刊の、日経ビジネスの別冊ムック

    『売れない時代のヒット商品ベスト100』p.16

でも載っていますので、よろしければ店頭でご覧になってください。

『ECスクエア通信』フッター

[最後に] ご一読ありがとうございました。本号はいかがでしたでしょうか?

当ニューズレターは、 国内きっての専門家が KM/CRM を、次の「カテゴリ体系」で 論ずるもの。関心に合いそうなトピックを、 適当にクリックしてみてください。

トピックス一覧(テーマ別目次):MyPRG_Called_EC2_Topics.html
(0) 入門
全体図, 定義 ( ナレッジ", KM, CRM), サマリー( KM, CRM )
効果実測例 ( KM, CRM), なぜ有効か( KM, CRM
(1) 戦略
今後にご期待ください。それまでは こちらを(11/07 改訂!)
(2) 知識プロセス & テクノロジー (3) ピープル & テクノロジー (4) 業務プロセス & テクノロジー
Marketing ( 3 事例で学ぶ 33 の法則, CFAR/CPFR),
Sales & Logistics ( PRM, JIT 設計販売, WebEDI)
Service
(5) プロジェクト (N) 番外編: 重要イベント

次回から自動受信されたい方は: 下記にアドレスを半角で(無料。月0〜3回)

MyPRG_Called_EC2_Subscribe.html
  • 「まぐまぐ」ユーザーの皆さま
  • 「PubZine」ユーザーの皆さま
  • 上記以外の皆さま、ご不明な皆さま、または 「めろんぱん」ユーザーの皆さま
  • サイト・フッター

    Shuichi Ohta, 太田秀一 ************************************* /

    EC/KM Consultant
    http://www.cio-cyber.com/pj/pf/index.html#R
    http://www.nikkei.co.jp/digitalcore/prof.html#s.ohta

    連絡先と連絡方法は、こちら
    **********************************************************/


    メニュー記述部