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皆さん、こんにちは。初めての方、はじめまして。

 発行人の太田です。連休直後(中?)の一週間、いかがお過ごしで しょうか。

 さて弊紙ではいま、「ウエッブEDI」を連載で論じておりますが、 日経新聞 4/15/98に関連記事が載ってましたので、本号ではまず、その 話から始めましょう。


[1] ダイエーが850社相手にウエッブEDIを開始

 同記事によれば

    ダイエー インターネットで発注・決済

    企業間で標準化

    • N1) 98年度中に、ライオン他「850社」相手に導入
    • N2) ダイエーは仕入先の商品情報を画像つきで画面に呼び出し、
    • N3) 仕入先もダイエーのPOS情報を常時把握し、欠品防ぐ

 この日経の記事には、「ウエッブEDI」という語は出てません。し かしダイエーに問い合わせ、オリジナルのプレス・リリースを見たら、 これは見事に(表題からして)ウエッブEDIの話でした。

    ウエッブEDIによる本格的電子商談をスタート

    メーカー営業マン、小売りバイヤーの生産性の飛躍的向上

    • D1) ウエッブEDIのメリットは「早い・安い・ビジュアル」
    • D2) ダイエーはこれで年間数十億規模の経費圧縮
    • D3) 仕入先も同一内容の商談を数百名の営業マンがしなくてすむ

 驚きますね。この「記事 NX)と現実 DX)のギャップ」。 EDIの 前提知識がないと、こんな記事が、日経の一面に出てしまうのです。も ともと日経には、EDIにも造詣が深い、坪田さんや関口さんのような、 立派な方々がいるのに、いったい今回は、どうしたことでしょうか。

 すでに『流通設計』や当レターで、昨年から私が何度も論じているように、

また私は経営情報学会のEDI部会で、5年間、この分野を先輩諸賢と 研究しておりますが、そこでも昨年9月に報告しているように、米国で も日本でも、ウエッブEDIは「受発注プロセスBPRの本命技術」な んです。これが分かっていれば、上記のような「記事」は、ぜったいに 書けないはずなんです。

 いったい「どこ」を見てモノを書いているんでしょうか。この世界の 中心は、DISAであり、 そこで、 どこの誰がどんな基調講演をしたのか、分かってないから、上記のような、 無知丸出しの記事になるわけですね。

 いずれにせよ日本のEDIは、生産財では電機業界、消費財ではスー パー&コンビニ業界がリードすることになるでしょう。引き続き注目し ていきたいものです。

 というわけで前号に引き続き、本号では「大手取引先からウエッブE DIやりましょう、と言われた中小企業」は「どうすべきか」を論じま す。前号では、下記のうち(a)を論じましたが、本号では(b)を論じます。

    (a) ウエッブEDI以外のウエッブ・アプリの使用経験があること

    (b) ウエッブEDIの長所・考慮点を頭で分かっていること


[2] 中小企業は、ウエッブEDIから逃げられません(再論)

 ウエッブEDIは「非対称的な取引構造」に向いており、逆もまた真。 つまり

  • 「先進大企業 vs 中小零細」にはウエッブEDIが向き、

  • 「大企業   vs 大企業」 にはインターネットEDIが向く

 逆に言えば、中小企業は、ウエッブEDIから逃げられません。ただ し取引相手が大企業なら、ウエッブEDI用のホームページを

  • 「作る」のは、相手=大企業の仕事

  • 「使う」のは、自分=中小企業の仕事

になりますから、たいして心配は要りません。

 なぜならウエッブEDIの場合、「作る」のにくらべて「使う」のは、 100万倍くらい簡単だからです。


[3] ウエッブEDIが来たら「準備万端です」と言おう(再論)

 ですから、取引先の大手からウエッブEDIを「使ってね」と言われ たら、これは「分かりました」と応じないとバチあたり。苦労してるの は相手の方なんですから。

 せっかくなら単に「分かりました」というより「待ってました。準備 万端です」くらいのことは、言いたいものです。

 では、その「準備」とは何か。答は大きく、上記の二つですが。。。

    (a) ウエッブEDI以外のウエッブ・アプリの使用経験があること

    (b) ウエッブEDIの長所・考慮点を頭で分かっていること

うち(a)は前号で述べましたので、本号では(b)をとりあげます。

 平素、中小企業へのEDI導入を、精力的に支援しているEDIコン サルタント会社、米データマティクス社のジュディス・パイン副社長を、 私なりに補足しながらお届けいたします。


[4] CSF(40):ウエッブEDIの「3つの付加価値」を念頭に

 まずウエッブEDIは従来型EDIに比べて「すごくカンタン」です。

では、ウエッブEDIは、単に「カンタンなだけ」なのか。

 答えは「ノー」です。ウエッブEDIは従来型のEDIから機能を減 らして物事をカンタンにしているのではなく、むしろ機能を「増やして」 いるんですね。この「付加」価値が、すごく大切。たとえば

  • 従来型のEDI書式には盛り込めなかった周辺情報を提供できます。 つまりインフォメーション・リッチ。
    • 詳しい商品情報(商品画像、200字サマリー)
    • 注文時の注意点
    • ハンドリング上の注意点
    • 特売期間や制限事項

    上記[1]のダイエーも、今回のウエッブEDIで、 この付加価値を狙ったのであり、日経もこれこそがウエッブEDIの 付加価値である!と論じれば大ヒットだったのですが。。。

  • インタラクティブだから発注を入れる前に在庫・納期・割引率など   も分かる。

  • JAVAを使えば、フィールド間の矛盾チェックも手元で実行できるから、 クリーンなデータが流れる(重要)

 要するにウエッブEDIは「リッチ、インタラクティブ、クリーン」。 この3点が重要です。


[5] CSF(41):ウエッブEDI導入前の「5つの注意点」を理解せよ

 では「とってもカンタン」で「付加価値もある」、このウエッブED I。導入時に何も注意しなくていいかというと、そうでもありません。

 パイン氏は、ウエッブEDIを含め、ウエッブ・アプリの「総体」について、次の点に注意を促しました。

 第一に、自社の戦略に基づいて「計画」を立てよ。自社の業界特性・ 顧客特性、また自社の優先順位から出発してものを考えよ。

 第二に、投資効果を絶えず測定せよ。最新の情報技術それ自体を目的 とするな。

 第三に、電脳空間の住人としての礼儀を守れ。見知らぬ顧客へ、いき なり売り込み電子メールを送らない。電子メールは毎日読む。

 第四に、ウエッブEDIは前記の通り偉大な技術だが、これを頭から 信じるな。その導入を検討している中小企業は、次のような質問をする こと。

  • 入力を途中でやめて、後で続けることができるか

  • 自分が出した電子伝票の写しを電子的に持てるか(重要)

  • どんなトランザクションがサポートされているか(なお、この質 問をするときは「X12で言う800番代のトランザクション・ セット」の知識はあったほうが良いでしょう

  • トランザクションとトランザクションとの間の「流れ」を自分は どのように管理できるのか、あるいは管理すべきなのか

 第五に、良きアドバイザーを得ること。たとえば

  • 業界団体や業界誌

  • それらのウエッブ・サイト

  • 公的支援組織、

  • 腕利きのコンサルタント

 というわけで、ウエッブEDIも「カンタン」とはいえ、新型である だけに、多くの会社にとって「初物」です。ぜひ上記の注意をお忘れな く。

。。。ということで本論は以上で終わり、以下、恒例の近況報告です。


[後記1] (3/14/98) Internet World で伊藤穣一さんと

 デジタル・ガレージの伊藤さんは、インターネットの開拓者ですね。 ビル・ゲイツさんや孫さんと並び「デジタル・エリート」として『タイ ム』誌に登場した方ですから、多くの皆さがご存知でしょう。

 その伊藤さんが3月の米インターネット・ワールドで講演。そのテー マは「アジアへのEコマース事業展開」。その要旨は次の通りでした。

  • 昨年のリセッション以来、アジア事業は難しくなったが、

  • 多くの成功例がある(紀伊国屋、ソフマップ、JAL などの)

  • 次の点に気をつけてがんばってほしい。
    • 良いマネージャーを雇うこと
    • 良い現地スタッフを採用し、育成すること
    • 特殊な商習慣に対応すること(固定価格、リベート、規制)
    • 総じて「パートナー方式でインサイダーになる」のが重要

 いずれも頷ける話ばかりでした。伊藤さんは、終了後も、多くの人に 囲まれていました。伊藤さん、どうも有り難うございました


[後記2] (3/14/98) Internet World で元PWのラウベさんと

 約10年前、ロータス・ノーツが世に出たとき、その威力をいちはや く見抜き、「コンサルティング業界における提案書の共有」事例を作っ たのは、世界六代会計事務所の一角、プライス・ウォーターハウス(P W)でした。

 そのPWで当時、CIOを務めておられたのが、シェルダン・ラウベ さん。まだノーツがベータ版だったのに、一気に一万本も導入して、次 の用途で使えば、コンサルタントたちの頭脳労働を抜本的に変えられる、 と考えました。

  • キーマン探索

  • 提案書、コンサル・ノウハウの発掘・共有

  • 最新ニュース、アナリスト報告書の掲示・閲覧

 たいへん先駆的でしたね。ルーチンワークを粛々とこなすために、で はなく、ナレッジワークを抜本的に進めることが、その目的でした。い まで言う ナレッジ・マネジメントですね。

 ちなみに、たいへん模範的な事例であったため、拙著『企業を変える グループウエア』でもラウベさん&PWの事例を、かなり力を込めて論 じました(p.60以下)。

 また「ナレッジ・マネジメント」については、次のページも、ぜひご覧 ください。


[後記3] (4/21/98) ついに「ノーツ + ConceptBase」が実現

  先般、グループウエア分野トップのロータス社は、ジャストシステム と合同で記者発表をしました。「ノーツ+ConceptBase」の話です。

 このうち「ノーツ」については、もう皆さん、ご存知ですね。これで ロータスは、すっかり「表計算の会社」から「グループウエアの会社」 に転換できました。

 上記のラウベさん、また後述の戸高さんなど、多くの先駆者が担ぎ、 いまでは日本でも、ソフトバンク社から『ノーツ・マガジン』なんて専 門誌が出ているくらいです。

 この間のグループウエアの歴史を振り返りますと、そこには大きな転 機が3つありました。結論から先に言いますと、今回の発表は、そのグ ループウエア史上、「第三の転機」に相当します。

  • 89年 グループウエア史上初の市販製品としてノーツが出荷

      ===> 「情報共有」の習慣が産業界で始まる

  • 96年 「ドミノ」の登場でインターネット技術をとりこむ

      ===> 「情報共有」するユーザーの数が格段と増える

  • 98年 「ConceptBase」との連携で自然言語処理技術を取り込む

      ===> 「共有情報」の活用度が格段と向上

      ===> 真の「ナレッジ・マネジメント・メディア」へ


[後記4] (4/21/98) 「ノーツ+ConceptBase」は大ユーザーに朗報

  すでに「ConceptBase」については弊紙でもご報告していますが、 今回は、それでノーツ文書も検索できるようになりました。

もちろん、ConceptBaseは「類似検索」機能を使ってますから

  • 「ビッグバン」を指定キーワードにするだけで、

      ===>たとえば「情報開示」「預金者保護」「大蔵行政」など関連語句を 含む文書まで拾ってきてくれますし、

さらにオイシイのは、

  • サーバー横断的、DB横断的に検索できたり、

  • 添付のワード・ファイルも検索できたり、

  • それが見つかったら、シームレスにノーツを起動し、その添付 ファイルが画面に出てきます。

 したがって「ノーツ文書をたくさん抱えた先駆的大企業ユーザー」で あればあるほど、その共有情報の活用件数が、ひときわ向上します。

 こうして、ConceptBase を外付けすることで、ノーツはさらに面目 を一新し、再び市場の先頭を切って、第3世代に突入しました。


[後記5] (4/21/98) 「ノーツ + ConceptBase」で「KM」実現

 と同時に、今回の発表は、やっと日本でも「KM」つまり「ナレッジ・ マネジメント」が始まったメルクマールでした。なぜなら、もともと

からです。

 だから従来のグループウエアだけでは、KMには不十分であり、最新 の自然言語処理技術を実装した「ConceptBase」が必要でした。つまり 今回の発表の要旨を「一行で書け」と言われたら、こうなるわけです。

    ナレッジ・マネジメント ← グループウエア + ConceptBase

 正確に理解すべきは、長く「一太郎」で親しまれ、ワープロ会社とし て伸びてきたジャストシステム社のコア競争力は何であったかというと、

  • それは、ワープロ技術ではなく、

  • その基底で動いていた、自然言語処理の技術であった、

ということですね。

 ですから「MSワード・対・一太郎」なんて80年代的な図式でモノ を考えているうちは、今回の発表の意味など、何も分かりません。

 残念なことに、4/22の朝日新聞の記事は、その典型でした。何せ記事 の冒頭文からして、こうなんですから。

    「ワープロソフト大手のジャストシステムと、表計算ソフト大手の ロータスは云々」

 ロータスが「表計算の会社」から「グループウエアの会社」に変わっ たことは、もう9年前から、Business Week や Fortune が大きく論じ たはずです。米国の同業者と比べ、どうして朝日は、こんなに遅れてい るんでしょうか。

 日本でも、書店にノーツの関連書が100冊くらい並び、日本だけで ノーツ・ユーザーが400万を超えてるのを「知らない」とでも言うの でしょうか。だったら「知らざる者は、食うべからず」です。情報化時 代なんですから。

 朝日は日経と並んで私が子供時代から信頼している新聞なのに、今回 は、どうしたことか。私は呆然としてしまいました。

 残念ながら、今回の朝日の記事には、100点満点で零点しかあげら れません。せいぜい子供時代からのよしみで「3点」くらいです。

 また、ついでに言えば、当日、会場で質問した東洋経済の記者

    「今後は、一太郎と1-2-3ののセット販売もあり得るのでしょうか」

と質問。

 これも「頭の中身がグループウエア以前」。少なくとも5年は米国から 立ち遅れている。ということはウエッブ・イヤー換算で「35年」は遅れ ている、ということです。

 かつて日本の論壇をリードした高橋亀吉氏を擁した雑誌の発言とは、 思えません。残念なことです。(いままで黙ってましたが)、私は高橋 おじさんの親戚なので、これはマイナス1億点くらいにしておきましょう。


[後記6] (4/21/98) 今回の記者発表のインパクト

 ということで今回の発表は、「一太郎の世界、デスクトップの世界」 に閉ざされた80年代的な世界観を、大きく超えたものです。だから今 回の発表には、いろんな人が駆けつけました。

 出荷は今月末。つまりモノは完成していて、あとはCDに焼くだけで す。そして今月から、

  • ノーツ1000ユーザー・クラブ

  • ノーツ・コンソーシアム

で紹介セミナーも開き、ドーン! とプロモーショいたします、と発 表しました。もちろんロータス社と共同で、です。


[後記7] (4/21/98) 日本の戸高か、米国のラウベか

 なお上記のシーアイエス社・戸高さんは、日本における「ノーツの先 駆者」でした。

 戸高さんは、まだロータス日本法人がノーツを日本語化する前から、 その英語版をせっせと米国ロータスから仕入れて、来る日も来る日も、 日本のお客さんにデモをしていました。

 したがって当然、ノーツVARとして、名声・実績ともに日本一。

 いまでも米国ロータスの重要ディーラー会議における日本唯一のメン バーですし、昨年は、 米 Lotusphere で「Best Business Application 部門」で「最優秀賞」をもらいました。これは日本初です。

 要するに、上記の「元PWのラウベさん」と同じこと。だから私は、 戸高さんのことを「日本のラウベさん」と呼んで、尊敬しています。そ の先駆者・戸高さんが目を付けたんですから、 ConceptBase も、先行き 明るいんじゃないでしょうか。

『ECスクエア通信』フッター

[最後に] ご一読ありがとうございました。本号はいかがでしたでしょうか?

当ニューズレターは、 国内きっての専門家が KM/CRM を、次の「カテゴリ体系」で 論ずるもの。関心に合いそうなトピックを、 適当にクリックしてみてください。

トピックス一覧(テーマ別目次):MyPRG_Called_EC2_Topics.html
(0) 入門
全体図, 定義 ( ナレッジ", KM, CRM), サマリー( KM, CRM )
効果実測例 ( KM, CRM), なぜ有効か( KM, CRM
(1) 戦略
今後にご期待ください。それまでは こちらを(11/07 改訂!)
(2) 知識プロセス & テクノロジー (3) ピープル & テクノロジー (4) 業務プロセス & テクノロジー
Marketing ( 3 事例で学ぶ 33 の法則, CFAR/CPFR),
Sales & Logistics ( PRM, JIT 設計販売, WebEDI)
Service
(5) プロジェクト (N) 番外編: 重要イベント

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