.
Nov.10, NEC サイトで論説発表         
WWW 全域を 当サイト内を         
. Home プロファイル ニューズレター
. KM/CRM Servive KM/CRM Tools Legal
皆さん、こんにちは。初めての方、はじめまして。

 発行人の太田です。

 さて本号では、前号に続き「BPRの成功鉄則」(注1)を論じますが、 今回は、「文化の問題」に焦点を当てたいと思いますが、そのポイ ントは、表記[1]〜[5]の通りです。


[1] BPRキーマン紹介:ジョン・コッター教授(HBS)

 一般にBPRコンサルが勧める方法論は、いろいろありますが、あえ て、その「最小公倍数」らしきものを探りますと、だいたい次のようになります。

  (1) 危機感・焦燥感を充分に育てよ

  (2) 最強の推進チームを形成せよ

  (3) 効果直結型の戦略・ビジョンを作り、

    (3A) 変えたい目標変数=従属変数を選ぶ
    (3B) どんな政策変数=独立変数を変えたいのかを選ぶ
    (3C) 変えるべきビジネス・プロセスを選ぶ
    (3D) そのプロセスでの業務フローと情報フローを分析
    (3E) 使うべきEコマース技法を選ぶ

  (4) それを効果的に伝えよ

  (5) 人々をエンパワーし、味方にせよ

  (6) 短期で初期の成果を出し、数量化し、報いよ

  (7) BPRを企業文化に根づかせよ

 このうち前々号では(3)、前号では(1)を集中的に論じましたが、本号 では(7)を論ずることにしましょう。

 ところで、この(1)〜(7)は、ジョン・コッターという人が作った枠組み なのですが(『21世紀の経営リーダーシップ』日経BP)、これは多くの コンサルタントに支持されているようです。

 今春のPDMコンファレンスでお会いした、AT&T社の経営コンサル タント、ロナルド・シャルペ氏も、その支持者の1人でした。

 では、このコッター氏とは何者か。

  ・ここ数年、めきめき有名になった、ハーバード経営大学院の教授。

  ・もともと企業変革のマネジメントが専門であり、かつ

  ・大学の所在地からも明らかなように「米ケンブリッジ一帯のBPR
   産学複合体」のキーマンのひとりでもあります。

 ご存知、ハマー&チャンピー、そして後出のダベンポートに次ぐ、第4 のキーマンが、このコッター氏だと考えていいでしょう。

 同氏は、多くの著書がありますが、私個人は、同教授の7年前のペー パーが、すごく印象に残っています。「事業成績とリンクしてない、高 尚な文化変容プログラムは、失敗しますよ」という趣旨でした。私の記 憶では、HBR '90 の No.1に載っていました。

 本便の基底的な問題意識も、そのペーパー延長線上にあります。。。 いわく「なぜ多くの場合、企業文化の変革プログラムは失敗するのか」。


[2]  BPRでは「文化変容は最終ステップで」かつ「徐々に」

 その最大の理由は「順番が間違っている」からです。上記(1)〜(7)の から明らかなように、文化変容(7)は「最後」にとりくむべきで、それ 以前の(1)〜(6)が充分でないまま、いきなり(7)をやると失敗します。

 なぜか。それは、文化というものが「直接にはコントロールできない」 からです(コッター『前掲書』p235,244など)。

 では何故、われわれは文化を「直接にはコントロールできない」ので でしょうか。。。それは文化なるものが「目に見えないから」です。魚 が水の中から酸素や養分をとりいれているにもかかわらず、魚は、自分 が水の中にいることを自覚していません。われわれにしても、同じこと です。

 また「文化の変更」は、それ自体が目的ではありません。 いくら自社の現行文化が「有害」ないし「嫌い」であったとしても、 それを「目の敵」にしてしまうと、良いことはないでしょう。

 それを「急激」に変えると、現場からの支持が減ってしまうことは、 2001年4月の『Knowledge Management』誌でも、考察されています。

 


[3]  企業文化の実体とは「出世のための不文律」である

 では何故、文化は、われわれの目に見えないのでしょうか。その一因 は、企業文化なるものが「文書化するほど高尚なものではない」ことに ある、と私は思います。

 ハマー&チャンピーはあるとき、日頃から表向き「顧客重視の文化」 を謳う某企業の、そのホンネの文化を探るため、こんな調査を社員にか けました。

  「あなたの妹や弟がこの会社に入ってきたとして、出世するには、
   どんなことをすべきだと、言ってやりますか」

 その結果、「顧客」という言葉を回答に入れたケースは、たった2%だ った、ということです。

 要するに、この手の「出世のための不文律」こそ「文化の実体」。だ とすれば、こんなものが「文書化」され、皆に「配布」されるわけは、 ありませんね。社外にバレたら、たいへんです。

 オフィスの出世ゲームでは、野球やサッカーと異なり、ルールが明文 化されていません。その実体は、目には見えず、ただ、

  ・あなたが会議で何か発言し、満座がしーんとしたとき、

  ・年輩の秘書があなたを自席に呼びつけ、厳しく叱責したとき

  ・あなたのボスがいきなり怒り始めたとき、

に「学ぶ」ことができるだけ。「内側にいると体験から学べる」けど「ルールとして明文化されていない」ために「内からも外からも見えない」もの、それが文化の特性です(以上、コッター『前 掲著』p235)

 だからこそ文化は強力です。姿が見えないから、イクスプリシットに 適否を検討できません(ここが恐い)。だから長いあいだ生き延び、そ の結果必然的に、新参者に対して「伝統」や「手本」として立ち現れ、 彼らの行動パターンを内面から形成していく。恐いですね。


[4]  企業文化は「間接」制御せよ。「コンピテンシー」が重要

 こう考えれば、文化を変えるには、直接制御でなく間接制御が必要に なります。まずは「出世のための不文律」を変える。

 ということは、どんな人間を昇進させるか、つまり、どんな「人間モ デル」を構築すべきか、が重要になります。

 当件は、シャルペ氏も講演で指摘したように、現在、ウィリアム・エ ム・マーサー社をはじめ、多くの人事コンサルタント会社で研究・実戦 されている新手法「コンピテンシー・モデル」を使うのが有効だと私は 思います。

 この手法の眼目は、従来、(A)(C)に両極化しがちだった人事評価に、
(B)という「中間項」を入れることにあります。

  (A) ゴリゴリの業績主義(弊害:結果の「実績」が全てとなり、
                 肝心の「能力」評価がおるすになる)

  (B) 職務にたいする価値観の有無などをチェックする

  (C) ベタベタの人格主義(弊害:ごますりが横行する)

 たとえばコンカレント・エンジニアリングをやった結果、「これから 設計部長は、今にもまして製造部・検査部・営業部の人々の意見を、ど んどん聴くべし」ということになった、としましょう。

 ここで重要なのは、その設計部長が、彼ら部外者の声を「メシの種」 として喜んで聞けるか、それとも「雑音」として遠ざけるか、という ことだと思います。

 もしここで、この設計部長が、実は家庭の事情で大学に残れなかった ことを秘かに後悔しており、だから今でも開発より研究が好きで、論文 や特許のほうに頭がいっている、としたらどうなるか。。。

 おそらく、この設計部長にとって、彼ら部外者の声は「メシの種」で はなく「雑音」そのものになってしまい、そしておそらく、この設計部 長は、期待される役割を、果たせないでしょう。

 本人の「パーソナル・アジェンダ」が、新しい業務使命に反している からです。何を「善」ととらえるかという「価値観」が、新しい環境に 反しているからです。

 こうした各人の「価値観とパーソナル・アジェンダ」こそ、世に言 う「コンピテンシー」の中核で、これを各人ごとに判別しないと、BP Rも成功できません。

 したがってBPRに反するようなコンピテンシーを持っている人、B PRが想定している「人間モデル」に合わない人には、転職を助けてあ げる必要があります。そのことによって「出世のための不文律」を有形 化しつつ直接制御し、よってもって「企業文化」を間接制御せよ。。。

 以上が、コッター&シャルペ氏の「企業文化=人間モデル」論(7)の 結論です。(私なりに注釈は付けましたが)

 おそらくBPRの最終ステップ(7)では、ヘイ・グループや、ウィリアム・エム・マーサ ー社ら人事コンサルタント会社の助けを借りる必要が出てくるでしょう。

そのうち後者のコンピテンシー手法については、『営業プロフェッショナル 高 業績の秘訣』ダイヤモンド社にも多少説明がありますので、興味のある 方は、参考になさって下さい。


[5]  BPRでは「文化は可変であることを認識させよ」
 逆に言えば、上記のような新手法を使えば、企業文化は、スムーズに 変えられます。(もっと手荒で効率いい方法もありますが)

 したがって「先輩たちが作ってきた企業文化は変えられない」という 一部の人々の思いこみを、放置してはなりません。

 こういう人々がいまどき存在していること自体が私には驚きですが、 しかし80年代に自己形成を遂げた(そのために当時の論壇トレンドをよ く勉強し、その後の論壇の変化には追随してない)中高年ビジネスマンの 一部に、この「文化は変えられない」論者は、かなり、います。

 この手の人達には「文化が可変」であった事実を、何度も何度も、言い 聞かせる必要があるでしょう。80年代のGE、90年代前半のタコベル、 ホールマーク、同後半のIBM etc。

 文化は、人間の産物であり、物理の法則や、国家の法律とは異なり、 変えようと思えば、あるいは変え方さえ上手ければ、本来、いくらでも 変えらます。

  その手法は現在、上記[4]の「コンピテンシー」はじめ、たくさん出 てきました。(2001年10月追記:また、 こちらの考察 も興味深いです。米国の大学で教えておられる匿名の研究者によるもの)

 というわけ以上、3号連続で「BPR=Eコマースの成功鉄則」の「 最新版」を論じてまいりましたが、通読されてみて、どうお感じでしょ うか。

 私は、ともすれば「粗暴」であった第一世代BPRも、ここ4年の経 験に揉まれ、けっこう洗練されたなぁ、と思いました。

 次号では、少し気分を変え、「ナレッジ・マネジメント」の話をして みます。これもある面では、BPRからの派生論題のひとつですが。

。。。ということで本論は以上で終わり、以下、恒例の近況報告です。


[後記1] IBM社 Notes Expo での講演は盛況でした。深謝。

 
 さる11月5日、上記 Expo 

     http://www.ibm.co.jp/software/groupware/news/notesexpo.html

の「C-1」というコマで、講演をしてきました。

 当初の定員200名の枠に、440名ものご応募をいただきましたが、 IBMさんが広めの会場に変えてくださり、ことなきを得ました。

 ご来場の皆さま、企画・運営にあたられ何かとお世話になった、IBM 担当部門の皆さんには、心より御礼申しあげます。

 また今回の講演では、一部に、下記 BP&WF コンファレンスの内容も 盛り込んでみました。


[後記2]  ロンドンでダベンポートに会ってきました。キーは「KM」

 上記講演に先立ち、10月22日、ロンドンで

  Business Process & Workflow Conference
     http://www.waria.com/bpwe97.html

に出てきました。当コンファレンスは、次回から名前後半部分(&以後) が、次のように変わります。

  Workflow → Knowledge Management

 要は「WF から KM へ」。トマス・ダベンポート氏による基調講演も「 Kowledge Management」がテーマで、これまでさんざん WF でルーチン 業務は合理化してきたんだから、これからは KM で創造業務を強化しな さいよ、という趣旨でした。

 ちなみに同氏は、もともと上記「米ケンブリッジ一帯のBPR産学複 合体」の一キーマンで、数年前、『プロセス・イノベーション』を出し、 ハマー&チャンピーと並んでBPR分野の代表論客となった人です。

 当時、若干35歳。。。その博識ぶりに、私などは自分とのギャップ を痛感してしまいましたが、その後、彼の『前掲書』の翻訳を、それこ そ大リエンジニアリングさせていただく好機を日経BPさんにいただき、 おまけに今回は「ありがとうサイン」も、本人から、もらってきました。

  当レターでも次号で、このコンファレンスを踏まえ、次期グループ ウエア・ユーザーの課題としての「Kowledge Management」をとりあげたいと 思います。ご興味がおありの方で、まだ弊ニューズレターを購読されていない方は、 次の場所で、お申し込みください。

  http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/


[後記3] QRジャパン'97で、岩島さんに会ってきました

 さる11月6日、国内有数のQR(クイック・レスポンス・システム) やECR(効率的消費者対応)のコンサルタントであり、『コンシュー マー・レスポンス革命』ダイヤモンド社などの共著者である、岩島嗣吉 氏と、おあいしてきました。

 場所は、QR97ジャパン。基調講演は、サックス・フィフス・アベ ニューのQRディレクターの方でしたが、岩島氏が、非常にこなれた解 説をしてくださり、カンドコロがたいへんよく分かりました。

 また岩島氏ご自身のご講演も、とても参考になりました。当ニューズレター「No.3」 で触れた、ウォルマートのCFARの話も出てきました。やはり

  「日本も急速に追いつこうとしてますが、米国だって止まっては
   いません。たゆまず先にいってます。」

とのこと。私も同感です。というか、この世界、「的は動いて当然だ」 ということですね。


[後記4]  11月号の『流通設計』ではインターネットEDIを紹介

 では、その「先行している米国EDI業界」で、いま大ブレイク中の 技術は何か。。。答えは「エクストラネット」です。

 これはインターネットEDI形態とウエッブEDI形態に2分されま すが、後者は、いま日本でも「ブレイク直前」か「ブレイク中」の段階 ですね。(皆さんの会社では、いかがですか)。

 日本のEDI業界は、インターネットに対し、昔から懐疑的でしたが、 幸い今年に入り、NECや日立など、自らの調達網にウエッブEDIを 使う事例も出てきましたね。素晴らしいことです。

 日本のEDIは、ふたたび電機業界が主導していくことになるでしょ う。関係各位には、ぜひ頑張ってもらいたいものです。


[後記5] 弊紙紹介ホームページが引っ越しました。矢延氏に深謝

 これまで弊紙は、バックナンバーの収録などを、日本有数のグループ ウエア・コンサルタント、矢延治氏のサイトで行っていただいておりま したが、


  http://www.aitjapan.com/Ohta/

このたび、その内容を、次のホームページに移し、


  http://www.CIO-cyber.com/pj/

私が自分で運営することにしました。

 この間の矢延氏のご好意には、感謝の言葉もございませんが、あらた めて当欄にて、厚く御礼申しあげます。

 矢延さん、ありがとうございました。お世話になりました。m(__)m。

『ECスクエア通信』フッター

[最後に] ご一読ありがとうございました。本号はいかがでしたでしょうか?

当ニューズレターは、 国内きっての専門家が KM/CRM を、次の「カテゴリ体系」で 論ずるもの。関心に合いそうなトピックを、 適当にクリックしてみてください。

トピックス一覧(テーマ別目次):MyPRG_Called_EC2_Topics.html
(0) 入門
全体図, 定義 ( ナレッジ", KM, CRM), サマリー( KM, CRM )
効果実測例 ( KM, CRM), なぜ有効か( KM, CRM
(1) 戦略
今後にご期待ください。それまでは こちらを(11/07 改訂!)
(2) 知識プロセス & テクノロジー (3) ピープル & テクノロジー (4) 業務プロセス & テクノロジー
Marketing ( 3 事例で学ぶ 33 の法則, CFAR/CPFR),
Sales & Logistics ( PRM, JIT 設計販売, WebEDI)
Service
(5) プロジェクト (N) 番外編: 重要イベント

次回から自動受信されたい方は: 下記にアドレスを半角で(無料。月0〜3回)

MyPRG_Called_EC2_Subscribe.html
  • 「まぐまぐ」ユーザーの皆さま
  • 「PubZine」ユーザーの皆さま
  • 上記以外の皆さま、ご不明な皆さま、または 「めろんぱん」ユーザーの皆さま
  • サイト・フッター

    Shuichi Ohta, 太田秀一 ************************************* /

    EC/KM Consultant
    http://www.cio-cyber.com/pj/pf/index.html#R
    http://www.nikkei.co.jp/digitalcore/prof.html#s.ohta

    連絡先と連絡方法は、こちら
    **********************************************************/


    メニュー記述部