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Nov.10, NEC サイトで論説発表         
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皆さん、こんにちは。初めての方、はじめまして。

 発行人の太田です。

   さて本号と次号では、前号に続き「BPRの成功鉄則」(注1)を論
じますが、本号の要点は、次のとおりです。

 [1] BPRが「終わった」というのはウソである(再論)

 [2] BPRでは「危機感・焦燥感から出発」せよ

 [3] BPRでは「あらゆるプラス思考を排除」せよ

 [4] では「プラス思考」は、どこに伏在するのか(重要)

 [5] ではひとつ「宿題」を。。。

  注1) http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#BPR
 
 


[1] BPRが「終わった」というのはウソである

一般にBPRコンサルが勧める方法論は次のとおりですが、このうち
前号では、(3)に的を絞り、(3A)〜(3B)を少し細かく論じました。本号
では(1)、次号では(4)以下を論ずることにいたします。

  (1) 危機感・焦燥感を充分に育てよ

  (2) 最強の推進チームを形成せよ

  (3) 効果直結型の戦略・ビジョンを作り、

    (3A) 変えたい目標変数=従属変数を選ぶ
    (3B) どんな政策変数=独立変数を変えたいのかを選ぶ
    (3C) 変えるべきビジネス・プロセスを選ぶ
    (3D) そのプロセスでの業務フローと情報フローを分析
    (3E) 使うべきEコマース技法を選ぶ

  (4) それを効果的に伝えよ

  (5) 人々をエンパワーし、味方にせよ

  (6) 短期で初期の成果を出し、数量化し、報いよ

  (7) BPRを企業文化に根づかせよ

 この(1)〜(7)は、今春のPDMコンファレンス(注1)でAT&T社の
経営コンサルタント、ロナルド・シャルペ氏が行った話を元にしていま
すが、まず、この手のテクニカル・コンファレンスで、「経営」コンサ
ルタントが出てきて、「BPR」の話をし、それに「超満員」の受講者
が詰めかけた、ということを、お伝えしておきます。

  注1) http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#PDM

      http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#CIMdata
 
 


[2]  BPRでは「危機感・焦燥感から出発」せよ

 冒頭(1)の「危機感・焦燥感 a sense of urgency」です。

 マサチューセッツ近傍のBPR人脈の一角、ハーバード・ビジネス・
スクールのジョン・コッター教授も、『21世紀の経営リーダーシップ』
日経BPで、この言葉を、最初に出しています。しかも同教授にとって、
この

  (1) 危機感・焦燥感を充分に育てよ

は、単なる「7項目のうちのひとつ」ではなく、「後に続く6項目の成
否を左右する、CSF中のCSF」なのです(注1)。

  注1)  http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#CSF
 

 この(1)の大事さは、BPRをしてないときでも、同じこと。事実、
デキのいい会社ほど、危機感が各所に満ちています。たとえばマイクロ
ソフト。同社はROEが「30%超」もあるのに(注1)、その社員は、
毎日、こんな心配をしているのだそうです。

  「どこからともなく強力なライバルが明日にでも現れ、われわれの
   シェアを、根こそぎ奪ってしまうのではないか」

  注1) ROE(株主資本利益率)は、分子が当期利益、分母が株主
     資本。業種横断的に経営成績を測る上で、もっとも大切と
     言われている尺度。一般に長期金利の3倍が合格ライン。

 すごい危機感ですね。しかも彼らは、この危機感を「You Must Worry」
なる呪文で、むりやり増幅している。何につけ各人が、日常会話の中で

   「You Must Worry 心配しろよ」

   「You Must Worry 心配しろよ」

と互いに言い合っているそうです。異常なまでに立派です。

 私は、同社の製品が「一流」とは思いませんが、彼らの業績と、この
危機感は「一流だ」と思います。

 こうして「問題あるよ、心配しろよ」と互いに諫め合うことで、日々、
悪いニュースを血眼で探し(ライバル製品の強みとか)、それを解決し
ようと必死になる。これで彼らは「ROE30%」をキープしています
が、これは日本の上場企業平均の「8倍」です。

 一方、不幸にして、われわれの周りには、「満足感・安心感」を育く
む「空気」が漂っていますね。ますは話を明快にするため、あえて極端
な例を、3つ出しましょう。読者諸賢にはお目汚しで恐縮ですが。。。

  ・昨年バカ売れした『脳内革命』。「プラス思考」で楽しくやって
   いれば、ものごと全てうまくいって「癌さえ直る」というのです
   から、大したものです。

  ・この本をプロデュースした船井幸夫氏。彼いわく「過去オール善」
   と信じるのが「ツキを呼び込む秘訣」とのこと。この教義の霊験
   すさまじく、本年、船井総研は「ROE3%」でした(注1)。こ
   れを、マイクロ・ソフトの「ROE30%」と比べましょう。

     注1) 彼らのサイトで「決算短信」を見てみましょう。とても
       笑えます。そもそも人に勉強を教えるには、まず自分が
       優等生でないと論外なのに、彼らは自分が劣等生なんで
       すからね。

  ・昨年秋に倒れた阪和銀行。同行では最後の最後まで「何とかなる
   のとちゃうか、という雰囲気」があったそうです(日経97年2月
   7日)。この会社も「プラス思考」に脳を冒され、幸福感に包まれ
   ながら、死んでいきました。


[3]  BPRでは「あらゆるプラス思考を排除」せよ

 ところで、ノイマンらが創始した「ゲーム理論」の基本原理に「ミニマッ
クス戦略」といのがあります。

  ・常に最悪の場面を予想しつつ、

  ・その時の被害を最小化するよう行動せよ

 この「マイナス思考」こそ、無数の戦場を勝ち抜いてきた黄金律で、
どの教科書にも必ず最初に書かれている根本原則です。

 しかし残念なことに旧日本軍は、この黄金律を忘れ、楽観と幸福に浸
りながら、死んでいきました。

 阪和銀行も、船井総研も、同じこと。彼らの「プラス思考」こそ、ノイマ
ンの黄金律に真っ向から反する「必敗の戦略」です。これでは勝てる
わけ、ないですね。BPRだって失敗します。



[4]  では「プラス思考」は、どこに伏在するのか。(重要)

 さて、以上の阪和銀行や船井幸夫氏は、極度に愚かな例ですから、分
かりやすいですし、所詮、われわれとは無縁の方々ですから「どうでも
いいだろう!」というお声も、聞こえてきそうですね。すみません。

 おっしゃるとおりです。問題は、われわれ自身です。。。
 
 では考えてみましょう。われわれは日常、どんな会話を交わしている
でしょうか。

  a) 「問題ないよ、心配するな」

  b) 「問題あるよ、心配しろよ」(これが上記マイクロソフト流)

 皆さんはa)のような発言を、聞いたり話したりしたご経験が、当然、
おありだと思います。

 一方、b)みたいな発言は、そう毎日はできません。こんなキツイこと
を何度も言っていたら「嫌われ者」になり、出世も遅れてしまいます。
だから通常、b)みたいなことを言うべき時は、オブラートにくるみ「そ
れでいいわけ?」などと適当に言っている。この知恵自体は、問題あり
ません。むしろBPRの最中ですら、大いに使うべきです。

 しかしながら、よく考えますと、

  a)のような発言は、ハッキリ言い

  b)のような発言は、オブラートにくるんで示唆的に言う

という使い分けをすること自体はいいとして、その使い分けを、われわ
れは「頭で考えて」やっているのでしょうか、それとも「無意識のうち
に」やっているのでしょうか。

 もし後者だとすれば、ひょっとして、われわれの体には、汚らわしく
も「船井流プラス思考」の血が、すでに流れているかもしれませんね。
スマートな方々ですら、程度の差は当然あれ、同じかもしれません。

 牧師・神父ですら、原罪から免れていないのですから。

 この「内なるプラス思考」を能動的に刈り取ることなしに、われわれ
もゲームに勝てませんし、BPRも失敗に終わるでしょう。

 だからシャルペ氏も、コッター氏も、その極めて賢い想定読者に向か
って、わざわざ冒頭で、こう言うわけです。

  (1) 危機感・焦燥感を充分に育てよ

そしてこれが、全行程(1)〜(7)の「第一関門である」と言うわけです。

 


[5] ではひとつ「宿題」を。。。

 では皆さんの会社で、「危機感・焦燥感」を育むには、どうすべきか。

 これは今回、はばかりながら皆さんへの「宿題」とさせてください。

 ご提出は任意ですから、出したい方だけ、お出しになってください。
また「オレの会社には危機感は充分あるぞ、失礼な!」という方は、ご
同業の別の会社などを素材に選んで、考えてみてください。

 上記[2][3][4]が多少なりとヒントになれば幸いですし、コッター『
前掲書』も名著ですから、参考になさってください。

 メールでいただいたご意見は、お名前・内容とも非公開とし、皆さん
と私の、One on One E-mail Discussion にいたしますので、当便へ、
お気軽に返信くだされば幸いです。

 というわけで本号では、「BPR=Eコマースの成功鉄則」全7項の
うち、(1)を論ずるだけで、私も精魂が尽きてしまいました(笑)。

  (1) 危機感・焦燥感を充分に育てよ

  (2) 最強の推進チームを形成せよ

  (3) 効果直結型の戦略・ビジョンを作り

  (4) それを効果的に伝えよ

  (5) 人々をエンパワーし、味方にせよ

  (6) 短期で初期の成果を出し、数量化し、報いよ

  (7) BPRを企業文化に根づかせよ

次号では、残り6項のうち、(4)以下について論じてみたいと思います。
今回も、弊紙をここまでお読みいただき、ありがとうございました。で
は以下、恒例の「お知らせ」です


[6] 【追記:2000/12/01】ドットコム企業に「危機感」はあったか?
 本号を出して、はや3年。

 ここで指摘した「楽観論の危険さ」は、ドットコム企業の「崩壊」により、 多くの人が知ることになりました。

 日本だけでは、ありません。米国にも「心地よいハウツー本のポジティブ 思考症候群」に脳をおかされた人が、けっこう多かったようです

 もって他山の石としましょう。

  シェイラ・スミス氏らが米『CIOマガジン』誌で言うように「現状は快適である、 ともしあなたが感じるならば、それはすでに、悪いことが起きている証拠」なので あり、「無知に基づく楽観論」は「死に至る道」なんですから。



[後記1] IBM社の Notes Expo で講演しますが、お申し込みは…

  次の url で20日から可能になる予定、とのことです。

  http://www.ibm.co.jp/software/groupware/news/notesexpo.html

 私の出番は、11月5日、14:00からの「C-1」というコマですが、IBMの
向井さんによれば、10月15日現在、お申し込み数は、約170名で、
おそらく早い時期に満員になるだろう、とのことですが、まだ空席はご
ざいますので、よろしければ皆さんも、お申し込みくださいませ。皆さ
んと会場でお会いできれば、私もたいへん嬉しいです。
 


[後記2]  10月20日午後から10月31日夜まで、不在いたします。

 新ネタを学ぶべく、欧米へ行ってまいります。その成果は、まず私の
本業のコンサルで使いますが、もちろん弊紙にも、そのエッセンスを反
映いたしますので、楽しみになさってください。
 

  1) 21日から24日までは、ロンドン
      ・Business Process & Workflow Conference に出席。今
       回のフォーカスは、Knowledge Management です。また
       Thomas Davenport に会うのも目的のひとつです。

           http://www.waria.com/bpwe97.html
 

  2) 25日から29日までは、ニューヨーク
      ・米国マーケティング協会の MarCom Conference に出席。
       WEB Based Marketing Communication の話が狙い目です。

           http://www.ama.org/conf/imcs/sched.htm#SUNDAY

  3) 29日から30日までは、ワシントン
      ・弊紙「号外-1」で登場したワシントン・コア社を訪問。
       ブティック型コンサル会社のCSFを拝聴してきます。
       同社・小林さんにお言付けのある方は、私までメールで
       どうぞ。(^^)
 

『ECスクエア通信』フッター

[最後に] ご一読ありがとうございました。本号はいかがでしたでしょうか?

当ニューズレターは、 国内きっての専門家が KM/CRM を、次の「カテゴリ体系」で 論ずるもの。関心に合いそうなトピックを、 適当にクリックしてみてください。

トピックス一覧(テーマ別目次):MyPRG_Called_EC2_Topics.html
(0) 入門
全体図, 定義 ( ナレッジ", KM, CRM), サマリー( KM, CRM )
効果実測例 ( KM, CRM), なぜ有効か( KM, CRM
(1) 戦略
今後にご期待ください。それまでは こちらを(11/07 改訂!)
(2) 知識プロセス & テクノロジー (3) ピープル & テクノロジー (4) 業務プロセス & テクノロジー
Marketing ( 3 事例で学ぶ 33 の法則, CFAR/CPFR),
Sales & Logistics ( PRM, JIT 設計販売, WebEDI)
Service
(5) プロジェクト (N) 番外編: 重要イベント

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