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Nov.10, NEC サイトで論説発表         
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皆さん、こんにちは。初めての方、はじめまして。

 発行人の太田です。

 さて本号から3号は「BPRの成功鉄則」(注1)をテーマとします が、その要点は、次のとおりです。

 [1] BPRが「終わった」というのはウソである。
 [2] BPRを「社内政治」的に成功させる「7つのステップ」
 [3] BPRでは「欲しい結果から出発」せよ
 [4] BPRでは「関数的思考」が大切。分割的思考ではダメ
 [5] BPRでは「改造すべきプロセス」を選び間違えないこと

  注1) http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#BPR


[1] BPRが「終わった」というのはウソである

 まず、なぜ今「BPRの成功鉄則」なのか。それは「BPRが終わっ てないから」です。現に、

  ・米国では、ボーイングやウォルマートなど、BPRの典型事例が、
   いっこうに絶えません

    ・ http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/Back/list.html

    ・ところが日本には「米国でもBPRブームは終わった」なんて
     ことを言う著名学者が、ときどきいます。困ったものですね。
     彼らは、どこを見てモノを言っているんでしょうか。

  ・米国で行われるEコマース関連の会合でも、BPR講演は「大」
   盛況です。インターネットやエクストラネットERPPDM
   どの先端技術の洗礼をくぐり、BPRは「ひとまわり大きくなって
   復活」したようです。
 

 では、なぜBPRは「終わらない」のか。それは「BPRを必要とし た理由が消えてないから」です。

  ・経営環境が激変しています。ならば「自分」だって変わらなければ、
   倒れるのは自分です。外界は倒れてくれません。

  ・昔ながらの「時間をかけて少しずつ」方式は、やればやるほど有害
   です。いまの間違ったビジネス・プロセスが補強され、さらに複雑
   になり改造しにくくなるからです。

  ・BPRが廃止しようとした「企業内分業」は、いまだに生きていま
   す。アダム・スミス以来、200年かけて営々と強化されてきた、
   この分業がなくならない限り、BPRが発見した「各所で寸断され
   たビジネス・プロセス」という課題は未解決なままであり、したが
   ってBPRは必要です。

 というわけで、われわれはBPRから、逃げも隠れも、できません。


BPRを「社内政治」的に成功させる「7つのステップ」

しかし一方で、BPRが各所で失敗している、というのも事実です。

なぜか。その多くの理由は、当レター創刊号でも述べましたように「社内政治」を動かすことに失敗しているからです。まぁ「社内政治」なんて書くとナマ臭いんですけど、少し上品に言えば「人の問題」ですよね。 米国のビジネス・スクールやコンサル業界でも、昔から「ピープル・イッシュー」とか「リーダーシップ・イッシュー」という言い方をしますし、もっと上品?に「チェンジ・マネジメント」と言ったりします。

ではその「チェンジ・マネジメント」の要諦とは何でしょうか。近年、米国の コンサルタントたちは、次のようなBPRの成功鉄則を口にするようになりました。

  (1) 危機感を充分に育てよ

  (2) 最強の推進チームを形成せよ

  (3) 効果直結型の戦略を立て、

  (4) それを効果的に伝えよ

  (5) 人々をエンパワーし、味方にせよ

  (6) 短期で初期の成果を出し、数量化し、報いよ

  (7) BPRを企業文化に根づかせよ

 本号では以下、このうち(3)に絞り、EDI業界最大手のスターリン
グ社の上級コンサルタントとして著名な、フィリス・ソコル氏の推奨す
る「5つステップ」をご紹介しましょう。

  (3A) 変えたい目標変数=従属変数を選ぶ

  (3B) どんな政策変数=独立変数を変えたいのかを選ぶ

  (3C) 変えるべきビジネス・プロセスを選ぶ

  (3D) そのプロセスでの業務フローと情報フローを分析

  (3E) 使うべきEコマース技法を選ぶ


[3] BPRでは「欲しい結果から出発」せよ

 では、上記の「5つステップ」の特徴は、何でしょうか。

 まず目につくのは、ほしい結果=未来から出発していること、つま り「財務的な数値目標を冒頭で」立てていることです(3A)。

 たとえば、あなたの会社で、今後二年の目標を何にするか。ここでは 経費節減も限界に来たから「売上増」を目標にすることに決めた、と仮 定しましょう。ここで選ぶべき変数を間違ってしまうと、後に続くBP Rが、そっくり的外れになってしまいますから要注意です。

 では(3A)の次にすべきことは何でしょうか。
 


[4] BPRでも「関数的思考」が大切。分割的思考ではダメ

 「売上」なる変数を増やすには、どんな政策変数を増減させればいい
か、それを考えることです。つまり

  (3B) どんな政策変数=独立変数を変えたいのかを選ぶ

 この例では、「顧客要望への対応速度」「サービス水準」「価格」な
ど、非財務的な数値目標が「政策変数」になるはずです。

 実は、このステップがBPRの成否を分かちます。何故か。

 一般に、経営計画を立てるときには、次の3タイプの変数を立てるこ
とが有効だと思われますが。。。

  1)「環境変数=独立変数」(予測はできるが制御できない)

  2)「目標変数=従属変数」(目標にはなるが制御できない)

  3)「政策変数=独立変数」(直接に制御できる)

その要諦は、

  ・「環境変数の動きを予測」しながら

  ・「政策変数を制御」することにより、

  ・「目標変数を改善」することだ

と思います。

 つまり最重要なのは「制御すべき政策変数」になります。確かに、「
環境変数」も結果=目標変数を左右しますが、環境変数は、自力で制御
できませんから「制御できる独立変数」たる「政策変数」が、最重要に
なるわけです。

  注)やや枠組みが異なりますが、伏見多美雄『経営の戦略管理会計』
    中央経済社、第5、6章も参照ください

 以上は経営計画の要諦ですが、BPR戦略立案でも同じこと。重要な
のは「正しい政策変数を選ぶこと」です。

 しかし往々にしてわれわれは、この「1)3)-->2)」なる関数関係を忘
れ、「2)を単に分割して満足してしまう」という誤りを犯しがちです。

  ・売上目標を、部門Aにはいくつ、同Bにはいくつ、と「分割」し、
   これで何やら「計画を立てた」気になる。

  ・前期の数字が行かなかったとき、「部門Aがいくつ、同Bがいくつ
   足りませんでした」と説明し、これで何やら「分析した」気になる。
   もちろん、こんなのは「分析」ではなく、単なる「分割」です。

 よくご覧ください。両例とも「正しい政策変数を選ぶ」作業は、一切、
行われていません。ここに最大の誤りが潜んでいる。われわれが「分割
的思考様式」に囚われている限り、この誤りを防ぐのは、たいへん難し
いと思います。

 こうした「分割的思考」を廃し、われわれは「関数的思考」を採るこ
とで、「どの変数を、どの変数が動かしているのか」という関数的な因
果フローを描き、よってもって「正しい政策変数を選ぶ」べきです。そ
れがソコル氏の勧める第二ステップです(3B)。

 その点で良い例は、次のような会社です。

  ・ボーイングは「開発期間」という政策変数を選び、これを「半年」
   にする、という数値目標を立てました。

     http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/Back/n001.html

  ・川田工業やNECも「設計時間」という政策変数を選び、これを「
   1/5」にする、という数値目標を立てました。

     『日経産業新聞』97年8月8日号、97年10月28日号

  ・フェデックスも「納期」という政策変数を選び、これを「翌朝10時
   までに荷物を届ける」という企業ビジョンにまで、昇格させました。

 では何故、これらの例が良いのか。フェデックスの例で説明しますと、
あの「翌朝10時」というシンプルな「数値目標」を、朝から晩まで、何度も
何度も、すべての社員各人が口にすれば、多くの因習を、検証のフル
イにかけられるからです。

  「君のこの行動は、荷物を翌朝10時に届けるのにプラスなのか」

  「この制度は、荷物を翌朝10時に届けるのにプラスなのか」


[5] ] BPRでは「改造すべきプロセス」を選び間違えないこと

 こうした「関数的思考」をとれば、われわれは「売上増」なる財務的
な目標変数から、「顧客要望への対応速度」「サービス水準」「価格」
など、非財務的な政策変数へ降りてこれます。

 そこで初めて「なるほど、では改造すべきプロセスは、セールスとロ
ジスティクスだね」となって、めでたく「BPRすべきプロセス」が正
しく決まります(3C)。

 このようにソコル氏の「5つのステップ」では「BPRすべきプロセ
スの選定」という作業が、3番目に来ます。

  (3A) 変えたい目標変数=従属変数を選ぶ

  (3B) どんな政策変数=独立変数を変えたいのかを選ぶ

  (3C) 変えるべきビジネス・プロセスを選ぶ

 この順番はソコル方式の特徴で、たとえばBPR第一世代の代表論客
たるトマス・ダベンポート(『プロセス・イノベーション』日経BP)
では、この「プロセス選定」のステップ(3C)が、冒頭に来ていました。

 おそらくソコル式の方が良いはずです。米国でも「間違ったプロセス
をBPR対象に選んでしまった」ことがBPR失敗の一因視されていま
すが、こうした失敗は、ソコル式の方が起きにくい。BPRすべきプロ
セスを選ぶ「前」に、(3A)(3B)のような準備作業をしているからです。
米国企業も過去の経験から学び、成長したようですね。

 というわけで以上、本号では、BPRの一般手順、

  (1) 危機感を育てよ

  (2) 最強の推進チームを形成せよ

  (3) 効果直結型の戦略を立て、

  (4) それを効果的に伝えよ

  (5) 人々をエンパワーし、味方にせよ

  (6) 短期で初期の成果を出し、数量化し、報いよ

  (7) BPRを企業文化に根づかせよ

のうち、(3)に的を絞ってみました。次号では、(3)以外にも的を広げ、 (1)から(7)全般を論じてみたいと思います。

。。。ということで本論は以上で終わり、以下、恒例の近況報告です。


[後記1] 『流通設計』で連載を始めました

 私は平素、アスキーの『netPC』と、ダイヤモンドの『セールス・マ
ネージャー』に連載を持っていますが、このたびDISAコンファレン
スの詳細を、輸送経済新聞社の『流通設計』に、8回連載で報じること
になりました(10月1日発売の10月号より)。

 ちなみに同誌は、国内で唯一のロジスティクス専門誌であり、私とし
ても、連載させていただけることになり、たいへん光栄です。

 一方、PDMコンファレンスにつきましては、工業調査会の『自動化
技術』で8月号から3回連載でお伝えしておりますが、その連載は10月
号で終わります。ご愛読、有り難うございました。
 
 

『ECスクエア通信』フッター

[最後に] ご一読ありがとうございました。本号はいかがでしたでしょうか?

当ニューズレターは、 国内きっての専門家が KM/CRM を、次の「カテゴリ体系」で 論ずるもの。関心に合いそうなトピックを、 適当にクリックしてみてください。

トピックス一覧(テーマ別目次):MyPRG_Called_EC2_Topics.html
(0) 入門
全体図, 定義 ( ナレッジ", KM, CRM), サマリー( KM, CRM )
効果実測例 ( KM, CRM), なぜ有効か( KM, CRM
(1) 戦略
今後にご期待ください。それまでは こちらを(11/07 改訂!)
(2) 知識プロセス & テクノロジー (3) ピープル & テクノロジー (4) 業務プロセス & テクノロジー
Marketing ( 3 事例で学ぶ 33 の法則, CFAR/CPFR),
Sales & Logistics ( PRM, JIT 設計販売, WebEDI)
Service
(5) プロジェクト (N) 番外編: 重要イベント

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    Shuichi Ohta, 太田秀一 ************************************* /

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