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ウォルマートのCFARプロジェクト
[1] 「EDIの限界」を突破
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皆さん、こんにちは、太田です。
平素は、弊レターをお読みいただき、まことに有り難うございます。 さて本号のテーマは「ウォルマートのCFARプロジェクト」ですが、 これはEDI史上、「大きな転機」となると思います。 注) EDI http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#EDI 同社は、昔から「EDI先進企業」であり、彼らが編み出したEDI応
しかし日本の産業界が「ウォルマートのEDIはすごい」「いや、日本 には日本のやり方がある」なんて論じているうち、彼らは「先」へ進ん でしまいました。それがCFARプロジェクト。 私は、本件を今春、DISAコンファレンスで聞いてきた後、流通業界 の主だった方々に、口頭で報告してみましたが、みなさん一様に、大き な興味を表されました。 注)DISA http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#DISA 結論から申しますと、そのポイントは、次のとおりです。 [1] 「EDIの限界」を突破するウォルマートのCFAR
本号では以下、この4点を、少し詳しく説明します(約150行)
[1] 「EDIの限界」を突破するウォルマートのCFAR CFARとは、
同社が本プロジェクトを始めた理由は「EDIの限界」にあります。 同社はEDIを始めたのも1981年と早く、しかもその活用技法も、上記 の通り、たいへん優れていました。店頭のPOS情報をP&Gなど主要 な仕入先に流し、店頭で欠品が起きないよう、タイミング良く補給をし てもらう「VMI」は、その典型です。 しかし数年前、同社は「EDIの限界」に気づいた。つまりEDIで伝 票処理などの「定型業務」を電子化しても、需要予測・判断・計画など の「非定型業務」を電子化してないと、各社の足並みが揃わない。ここ に彼らは気がつきました。 そもそも上記POS情報にしても「過去の実績値」です。「会社の意志 を込めた予測数字」ではありません。こうした予測数字は通常、「神聖 なもの」で、なかなか社外には出てきません。 そこで各社各人は、異なる予測数字を見て動くことになり、勢い、相手 の動きが「予想外」となって、トラブルが起きてしまいます。 たとえばスーパーから「予想外」の発注が来れば、メーカーは応じられ
ません。バイヤーから「予想外」の販促策が来れば、店長の人員配置計
画も狂います。当然、それではならじとメーカーは、安全在庫を増やす。
店長は、余計に人をキープする。これでは、コスト高となり、たいへん
マズイ。
[2] 「情報の共有」から「目標の共有と対話」へ ならば「目標数字を共有」しよう、ということで、ウォルマートは95年、 CFARを始めました。かつてP&Gとの間で、CRPやVMIを実験 したように、こんどは「リステリン」で有名なワーナー・ランバート社 との間で、実験を始めました。 一般に企業内でも企業間でも、相互連携を強めるには「情報の共有」だ けでなく「目標の共有」「感情の共有」「利害の共有」が必要ですが、 このうち「目標の共有」に彼らはフォーカスしたわけです。 当プロジェクトには、情報産業から、SAP、マニュジスティクス、I BM社が入り、その後、日用品の業界団体、UCCやVICSも、これ を後援。すっかり有力なプロジェクトになりました。 ただしその間、少し失敗もしたようです。 たとえば一時、彼らが作った「見るだけエクストラネット」。これは各 仕入先が、ブラウザから随時、ウォルマートの週次予測を読めるように したものですが、 注) エクストラネット
これですと、その予測数字を見た仕入先が仮に「いや、こんな数字にな るとは思えないね」などとつぶやいて、自分の生産計画を削ってしまっ たりしても、それっきりです。「いや、違うんです。今回はこれこれの 販促策を考えておりまして」と反論するチャンスもありません。その結 果、「欠品」が起きてしまいます。 情報を一方的に流したり、一方的に読むだけでは、不充分。双方向の対
話・交渉が必要です。
[3] エクストラネット上の電子会議室で合同プランニング そこで出てたのが「エクストラネット上の企業間電子会議室」。 ここに卸・メーカーは、顧客別の売上計画を出し、小売はカテゴリー別 の売上計画を出し、互いに討議します。もちろん、過去の実績、天候見 通し、地域特性などの参考情報も見ながら討議する。 一般には、こうした場合、ロータス・ドミノが定番のソフトですが、本
ちなみに同社は、日本ではまだ無名と思いますが、ナスダック上場の一
さらに同社のソフトでは、上記のように「会議室」が実現できるわけで すが(非定型業務)、それがSAPのERPソフトと連動すれば、会議 室で合意された数字をもとに、EDIメッセージが発行され(定型業務)、 それがたとえば仕入先の生産計画システムに流れ込む(半定型業務)、 ということになります。 注) ERP http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#ERP
これでEDIも、「定型業務の枠内で閉じたもの」から「上流の電子的 な意思決定から電子的に起動されるもの」へ、大きく変わっていくこと でしょう。本便の冒頭で申しあげた「大きな転機」が、これです。これ だけは、過去20年のEDIの歴史上、一度も起きていません。 しかしウォルマートは、その「転機」を経験しようとしています。
[4] 「ブティック型コンサル会社」が当初からサポート また本件で、当初からウォルマートを補佐しているのは、ベンチマーキング・パートナーズ社という、20人くらいの、小さなコンサル会社です。 米国では、この手の「ブティック型コンサル会社」が、各所で活躍して います。 ちなみに私は、たまたま同社のマット・ジョンソン氏とランチを共にし ましたが、とても快活な人で「ボクの会社は、こんなに小さいんだ」な どとニコニコ笑いながら「午後はウォルマートの話をするから、来てみ てね」と誘ってくれました。 もちろん「会社が小さいから」といって「一流」とは限りません。「大 きいから一流」とは限らないと、おなじこと。おそらく、この「ブティ ック」の世界も、当たり外れが、とても大きいと思います。 したがって選ぶ側の「選球眼」も必要となりますが、その「選ぶコツ」 については、本便ではなく、いつか別途、論じてみたいと思います。 では以上、めでたく正しい目標、正しいソフト、正しいパートナーを得 たとして、はたして本プロジェクトは、成功するのでしょうか。 それは、多くの類似案件と同様、「やり方による」と思います。 そこで次号では、本件のような企業間BPRに成功するための「方法論」 を論ずることにしましょう。 注) BPR http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#BPR [5] 【追記: 2000/12/01】日経BPに「CFARコーナー」が 本稿を世に出してから、はや3年。 この間、この「CFAR」については、
[後記1] 11/05 IBM社「Notes Expo」で講演します
同社のセミナーで「グループウエア講演」をするのは3度目なので、今
1) グループウエアとは何か、 2) それは何故役立つのか、また重要な用途は何か 3) グループウエア導入時の指針 4) デモ(ノーツ文書と非ノーツ文書を串刺し検索するソフト) 想定ご来場者は、企業幹部と部課長の方々ですが、とくにA)C)の「両 極」の方々に向いた内容にしたいと思います。 A) グループウエア未導入の企業 B) グループウエアを入れた直後で、展開まっさかりの企業 C) グループウエアを昔から使っている企業 日程・場所などは、10月初旬、IBM社から案内されるそうです。
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