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Nov.10, NEC サイトで論説発表         
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皆さん、こんにちは、太田です。

 平素ご愛読いただき、ありがとうございます。おかげさまで購読者数も、
創刊時の95人から2週間後の現在、500を越えました。あつく御礼申
しあげます。

 さて本号では「ボーイング7X7」の【最新】の話をいたします。

 すでに同社は、2年前から「CALS成功事例」として有名ですが、
あのとき囃されていた同社の話は、実をいうと91年頃から、業界イン
サイダーの人間なら全員知っていた「古い話」で、まったく珍しくあり
ませんでした。

  注)CALSとは http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#CALS

 しかし本号でお話しするのは、最新の話です。それも最新であるだけ
でなく、かなり重要な話です。

 その「重要な話」は、本年4月24日、同社のダグラス・フレデリック
氏(注)がしてくれました。場所はロサンゼルス。PDMコンファレンス(
注)の基調講演です。

  注)同氏は、同社の元リエンジニアリング担当重役。本年4月に、
    ERP大手の蘭バーン社の上席副社長に転じました。また「
    ERP」については、次を参照のこと

     http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#ERP

  注)同コンファレンスは、エンジニアリング分野で著名なコンサ
    ル会社「CIMdata社」が毎春おこなうもの。必見です。また「
    「CIMdata社」については、次を参照のこと

     http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#CIMdata

 結論から申しますと、そのポイントは、次のとおりです。

  [1] 飛行機を「半年で個別開発する」という野心的目標設定
  [2] そのゴールを実現するための「バリアント管理」
  [3] それを実現するための「PDM+ERP」

 では以下、この3項目を、少し詳しく説明します(約150行)
 


[1] 飛行機を「半年で個別開発する」という数値目標

 BPR(注)を成功に導く最大のCSFは、野心的な数値目標です。

  注)BPR http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#BPR
 

 これがあるから、いまの制度、いまの文化、いまのシステムを「捨て
る」気になれる。それはボーイングでも同じこと。あの7X7を「半年
で個別開発しよう」。これが彼らの目標でした。        ‾‾‾‾

 すごいですね。これが家電やパソコンなら誰も驚きませんが、飛行機
の場合は、商談ごとに個別カスタマイズが家電の比ではありません。ま
た、この「半年」というのは、顧客との仕様ネゴを含んだ期間です。

 この目標を実現するため同社は、BPR用語で言う【マス・カスタマ
イゼーション】をすることに決めました。これは「カスタム化作業を半
自動化すること」です。

 これで製品開発プロセスも激変します。同社でも、設計ステップ(2)
と製造準備ステップ(3)の所要時間が「ゼロ」になります。

  現在: 仕様ネゴ(1)→設計(2)→製造準備(3)→製造(4)→出荷(5)
  将来: 仕様ネゴ(1)→製造(4)→出荷(5)

   注) 同社・フレデリック氏が用いた、もっと美しい図は、
    『自動化技術』97年8号に所載の拙稿 p.43にあります。

 要するにBPRです。「流れを早くする」のではなく「流路そのもの
を激変させる」。フレデリック氏の言葉では、次のとおりですが。。。

  「新製品を構成定義・製造するプロセスを、根本的に再考し、
   抜本的に単純化すること」

マイケル・ハマー氏の「BPRの定義文」そのものですね。

 ちなみに同社の話から離れて一般論になりますが、いま注目すべき
動きは【BPR復活】だと思います。私は本年、米国のEコマース関
連のコンファレンスに3回行きましたが、どこでもBPRは「花盛り」
でした。。。何故か。。。インターネット、そして後述のPDMやE
RPなど、最新技術の洗礼を受け、BPRが「前よりずっと強力」に
なったからです。

文頭へ

[2] そのゴールを実現するための「バリアント管理」

 では話をボーイングに戻しまして「カスタム化を半自動化する」には、
何が必要でしょうか。。。答えは「バリアント管理」です。

 「バリアント」は「オプション」の組み合わせから生まれます。自動
車の場合でも、私はオートマがいい、パワステがいい、何々がいい等々
の要望に応じ、いろんな「バリアント」が生まれますよね。

 飛行機になれば、話はもっと大きい。いろんなニーズを、お客さんが
出す。それに対して「いや、ここはこの現行オプションで勘弁してくだ
さい」式の仕様ネゴはやるとしても、結果として、採用オプションは商
談ごとに多様になり、そこで多様な「バリアント」が生まれます。

 この「多様性を管理」しないと、マス・カスタマイゼーションは不可
能です。だから同社は、次のような施策を立てました。このすべてが、
バリアント管理=多様性管理を実現するためのCSFだと思います。

 (1) 製品情報のソースを単一化する

    ・部品表も単一化する

 (2) 製品構成管理を合理化する

    ・紙の図面、紙の部品表は、金がかかるし間違えやすいし、
     アップデートに耐えられないので、全廃する

 (3) 商談を3タイプに分け、製品のカスタム化を行う

    ・標準型式
    ・現行オプションの活用で対応できるタイプ
    ・新規オプションを作って対応するタイプ

 (4) 資材調達も3タイプに分け、違う方式で行う

    ・極めて単純なタイプ
    ・単純タイプ  (カンバン方式)
    ・複雑タイプ (MRPII方式)

 ちなみにこのうち(1)(2)は狭義のIT施策で、(3)(4)はBPRである、
そういう点にも、ご注意いただければ、と思います。

文頭へ

[3] バリアント管理を実現するための【PDM+ERP】

 そして、これらの施策を実行するため、同社はPDMを入れました。

 PDM(製品データ管理)とは、乱暴に言いますと「図面管理ソフト
を極度に発展させたもの」です。

 図式的に言いますと、こんな経緯でできたのがPDMです。

  ・CADを入れて、設計作業はラクになったが。。。

  →しかし似て非なる図面がたくさん生まれ、管理に困り、

  →そこで図面管理ソフトが登場

  →さらに、それが発展し、いろいろな機能がついてきた

     ・図面だけでなく技術文書も管理する、
     ・設計変更のワークフローも管理する
     ・製品構成(製品?部品間の親子関係など)も管理する★
     ・新製品プロジェクト自体も管理する

 なおPDMについては、次の場所でも詳説しておりますので、よろし
ければご覧ください

  http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#PDM

 同社におけるPDMの最大の使用目的は、このうち★の「製品構成管
理」だったそうです。以前は、これがなかったため、次のような情報管
理がしにくかった。

 ・製品→機構→部品といった親子関係の管理

 ・オプションの有無で生じる「バリアント」の管理

 ・世代管理や変更履歴管理

だから同社は、PDMの製品構成管理を使うことにしたわけです。

ついでに申しますと、2年前のCALS旋風時に囃された「ボーイング
成功事例」のお話は、みな、このPDMが入る「前」の話であり、要す
るに「ボーイングの91年段階」の話だったわけです。それを95年に
もなって「CALSだ、CALS」「最新、最新」と日本人は言ってい
たわけですが、その間、ボーイングはPDMを入れて、さっさと「95
年段階」に発展してしまいました。

PDM以前とPDM以後。この区別が重要です。

一方、PDMだけで、マス・カスタマイゼーションは、できません。そ
れを、ERP(基幹業務システム)と連動させる必要がある。なぜなら、
上記[1]の図式において。。。

  現在: 仕様ネゴ(1)→設計(2)→製造準備(3)→製造(4)→出荷(5)
  将来: 仕様ネゴ(1)→製造(4)→出荷(5)

将来は、顧客とのネゴ結果をシステムに入れれば、その情報が、ある種
の自動設計を経由、直に製造(4)のシステムに流れることになり、そこ
で資材の自動発注その他が行われることになるわけですが、この(4)の
世界をマネージしているのは、PDMでなくERPだからです。

ということで「マス・カスタマイゼーションをやるには、【PDM+E
RP】の連携が必要だ」。そう考えてボーイングは、蘭バーン社のER
Pソフトを入れました。

しかし本便では、この件、これ以上は説明できません。残念ながら、情
報がないからです。余談ですが以下、その事情をお話しします。

コンファレンスの基調講演の後、厚かましくも私はフレデリック氏に、
こう聞いてみたのですが。。。

  「PDM側の話はよく分かったのでERP側の話をして下さい」

彼いわく、

  「僕は最近、ボーイングからバーンに移ったんだ。だから今、ボー
   イングは『我が社』じゃなくて『お客様』なの。ちょっと僕から
   話はできないね。この人にコンタクトしてみたら」

こうして彼はボーイングの広報担当の人の電話番号を、名刺の裏にさら
さらと書いて、渡してくれました。

しかし私は、PDMコンファレンスの直後にDISA(注)コンファレ
ンスに行く予定だったので、イボンヌさんには電話せず、実は、今日に
至るも、そのままとなっております。すみません。

  注)http://www.CIO-cyber.com/pj/ec2/yogo.html#DISA

というわけで「ボーイングにおけるERP導入」の話は、今はまだでき
ません。そのかわりDISA聞いてきた「ウォルマートのCFAR構想」
の話を、次回、させていただきます。このCFARは、いうなればEC
Rの後継プロジェクトであり、かなり注目に値します。

その次号は、9月15日ごろ配信します。
 

『ECスクエア通信』フッター

[最後に] ご一読ありがとうございました。本号はいかがでしたでしょうか?

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トピックス一覧(テーマ別目次):MyPRG_Called_EC2_Topics.html
(0) 入門
全体図, 定義 ( ナレッジ", KM, CRM), サマリー( KM, CRM )
効果実測例 ( KM, CRM), なぜ有効か( KM, CRM
(1) 戦略
今後にご期待ください。それまでは こちらを(11/07 改訂!)
(2) 知識プロセス & テクノロジー (3) ピープル & テクノロジー (4) 業務プロセス & テクノロジー
Marketing ( 3 事例で学ぶ 33 の法則, CFAR/CPFR),
Sales & Logistics ( PRM, JIT 設計販売, WebEDI)
Service
(5) プロジェクト (N) 番外編: 重要イベント

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